Japanese
GANG PARADE
2023年05月号掲載
Member:ユメノユア ココ・パーティン・ココ キラ・メイ アイナスター
Interviewer:宮﨑 大樹
2022年元日に待望の再始動を果たし13人体制となったGANG PARADEが、Skream!に帰ってきた! 再始動後では最大規模の会場 LINE CUBE SHIBUYAでのワンマンも控え、改めて注目すべき存在であるギャンパレ(GANG PARADE)。今回はGO TO THE BEDSとPARADISESに分かれていた時期の振り返りから、再始動後の手応え、そして3年半ぶりのフル・アルバム『OUR PARADE』についてなど、ユメノユア、ココ・パーティン・ココ、キラ・メイ、アイナスターの4人に話を訊いた。
-Skream!のインタビューはGO TO THE BEDSとPARADISESに分かれていたとき(※2021年8月号掲載のGO TO THE BEDSインタビュー)以来ですので、GANG PARADE再始動から約1年半経った今だから感じる、グループを分けて活動した経験、意味から聞いていきたいと思います。
メイ:新しいグループをイチから始めたことで、GANG PARADEという後ろ盾が何もないところから始められたのは、大きかったのかなと思っていて。あとは、GANG PARADEに戻る未来があるかもしれないという状況のなかで、自分たちがこのグループで何をしなきゃいけないのか、その先の未来のことまで考えながら活動できていたのかなと感じています。GO TO THE BEDSとPARADISESってセットで話されがちだったんですけど、全然違うことをしてきたので、それぞれで得たものがGANG PARADEでもいい意味で作用しているのかなとは思います。
-現13人体制になってからのGANG PARADEの活動に手応えはありますか?
ユア:まだまだこれからというのはありつつも、お客さんとの空気感だったり、メンバー内での空気感だったりは、すごくいいものがあるのかなとは感じていて。歴が長いからこそ大事にしてきた変わらないものと、新しい風が入ってきて柔軟に変えていったほうがいいものとが、調和できているのかなと思いますね。ただ、変化し続けなきゃいけないとは思っていて、そこはみんなでこれから乗り越えていかなきゃいけない課題です。
ココ:再始動前のGANG PARADEとは、まったく違うものになっているんじゃないかなと思っているんです。今のGANG PARADEには、可能性というか、できることがたくさんあるんじゃないかなと思っているので、今回のツアー("NEVER ENDING PARADE TOUR")が終わってみて、まだまだいろんなことに挑戦してみたい気持ちになっています。手応えがあると言うと慢心な感じがしちゃうけど、13人でやりたいことにチャレンジした1年でした。それに対するお客さんからのレスポンスも、ある程度は貰えたんじゃないかなという1年だったので、今年はチャレンジというか、もっともっとブラッシュアップして新たな可能性をいろいろ模索したいなと思っています。
-昨日のツアー・ファイナル(※取材は4月28日)を観てみなさんの成長を強く感じたので、GANG PARADEの活動の中での個々の成長、グループでの役割について聞いていきたいです。ユアさんに関しては、ちょっと変なことを言うかもしれないですけど、ライヴでカミヤサキさんの姿が重なったんですよね。サキさんって精神的支柱みたいな、そういう存在だったじゃないですか。そういう雰囲気をユアさんから感じたんです。
ユア:そう言ってもらえるのはすごく嬉しいですね。私とミキ(ヤママチミキ)は歴が長いし、GANG PARADEを作った本人たちでもあるので、"GANG PARADEと言えば"みたいなものを体現できる存在でありたいなとは常日頃から思っていて。なので、そう言ってもらえるのがすごく嬉しい。
ココ:GANG PARADEってリーダーがいないので、13人が責任感を持ってやらないといけないんですよね。数が多いって、いいこともたくさんあるけど、分散する部分も多いので、そこは気をつけなきゃいけないなと思うんです。再始動後は、初めてのサキちゃんがいないGANG PARADEをみんなで歩んできたんですけど、そういう部分でユアちゃんがグループの進行の部分を担ってくれているのはすごく大きくて。円滑にいろいろ進んでいるのはユアちゃんのおかげだなと思う部分があります。最初の数ヶ月とかはみんな自分の役割のようなものを模索していたと思うんですけど、ユアちゃんのそういうところはありがたいです。
-そういう意味ではココさんはどんな役割を担おうと? 以前からムードメーカーなイメージはありますけど。
ココ:ん~、難しい! それこそさっきユアちゃんが言っていたような、"GANG PARADEのイメージ"に近い人間ではありたいなと思っていて。自分がいなかったらGANG PARADEではないと思ってもらわないといけない。サキちゃんがいた頃は、サキちゃんがグループへの影響力がある人なんだと感じていたので、自分も別ベクトルではあるんですけど、そういう存在になりたい気持ちはあります。
-メイさんは、もともといい声質を持っていたけど、歌唱力が上がってライヴ中の存在感が増したと思いました。
メイ:"メイちゃんが歌い始めると一瞬で空気が変わるよね"みたいなことを言ってもらえることが多くて。13人もいると、一瞬だけ歌っていなくなるみたいなことが多いんですけど、その一瞬でいかに印象を残せるかというのは常に考えています。一瞬一瞬が全部チャンスなので。
ココ:若手メンバーにはみんな言えることだと思うんですけど、すごく成長していると思います。グループが変われば歌もダンスもすべて違うので、そこにまず順応していくのが大変じゃないですか? そのなかで最近はみんなGANG PARADEらしいパフォーマンスができていると思うし、プラスみんなの個性を出す余裕が生まれてきた感じがするので、ここからがまた楽しみです。
-成長という面で最も求められて頑張ってきたのが、最後に加入したアイナスターさんになってくるのかなと思います。再始動後に加入して1年も経っていないですけど、堂々とパフォーマンスしているし、ストイックな先輩メンバーに食らいつけていて。これはすごいことだなと。
アイナスター:GANG PARADEは事務所に入る前から見ていたけど、実際に自分がやるとなったらすごく難しくて。シンプルに人数が多すぎて、最初は人にぶつかりまくったりとか、人を踏んづけたりとかして迷惑をかけていたんです。最初の頃は、研修生のときから見てくださっていたスタッフさんから、"全然目立っていないよ"と言われていたので、とにかく目立たなきゃ、自分のやり方、自分がこうありたいみたいなものを、がむしゃらにやって見つけ出すしかないと思ってやっていました。
-自分のやり方は見えてきたところですか?
アイナスター:先輩メンバーはパフォーマンスがすごいから、歌を見せ場にするというのがすごく難しくて。でも、歌っているパートだけが見られる部分じゃないから、ライヴを観たときに、"楽しそうだからなんか目が行くな"と感じてもらえるようなパフォーマンスができたらいいなと思っています。
-改めて、昨日まで回っていた"NEVER ENDING PARADE TOUR"を振り返ってみるとどうでしたか?
ユア:実はZepp規模のツアーはやったことがなくて。ギャンパレ史上初めての規模感のツアーだったので、初めましてのお客さんが各地で多かったです。3年くらい待っていてくれた人もいれば、この期間に知ってくれた人もいて、いろんな感情を持ってライヴ会場に遊びに来てくださっていました。なので、ひとりひとりと向き合ってライヴをする時間になったし、ユニット曲を日替わりでやったり、それに合わせてコントの内容を変えてみたりという意味でも挑戦でしたね。セットリスト的なところを含めて、"ギャンパレとしてのエンターテイメントってなんだろう"とみんなで考えながら進んだツアーだったと思います。
-ツアー・ファイナルのコントでやった、ユアさんとアイナスターさんのメンヘラ対決、とても面白かったですよ。パフォーマンスはカッコいいけど、そういうところで総合的にエンタメを作るというのが、ギャンパレのライヴの魅力のひとつだと思います。
ユア:百何十曲もある中で、パワーのある曲が本当に多いなというのは13人で歌って改めて思ったんです。だから曲の合間の抜きじゃないですけど、そういう時間があるからこそ曲がまた入ってきやすいのかなとは、今回コントをやっていてより思いました。ただ笑うだけじゃなくて、ちゃんと曲とも馴染むというか、意味のあるコント(笑)?
-あると思います(笑)。そしてこのツアーは、メジャー2ndアルバム『OUR PARADE』から曲を披露して、育てていくという側面もあったと思うんです。というわけで、本当に久しぶり、3年半ぶりのアルバムのリリースを迎えます。
一同:(拍手)
アイナスター:ギャンパレらしい曲もあり、今までにはなかったチルな方向の曲もあり、「INVOKE」という今の13人体制のギャンパレですごく大事な曲になっているものもあり、いろんな音楽が入っているから何かしら刺さるんじゃないかなって。なので、とにかく聴いてほしいです。
-アルバムの中での挑戦のひとつに、ユニット曲の存在があると思います。
ココ:ユニット曲はやりたかったことではあって。
メイ:メンバーから"こういうのやりませんか?"みたいな話をしていたこともあるぐらい、やってみたかったんです。次のアルバムにユニット曲が入ると言われたときは、みんな素直に"やったー!"って喜んでいましたね。実際にユニット曲ができあがってみて、例えばかわいい曲だったらよりかわいいとか、シャウトする曲だったらよりそこに振り切るみたいな、ユニットだからこそ曲のカラーが強くなったものが多いなと思います。
-ユニット曲はどう作られて、どんな人選をしていったんですか?
スタッフ:ユニット曲を入れることは決まっていたので、松隈(ケンタ/サウンド・プロデューサー)さんとご相談して、そこに対して曲調とメンバーをご提案いただいた感じです。
ココ:メンバーが決まっていない状態でデモを聴かせていただいたんですよ。その時点で、この曲はこの人じゃない? とか言って割り振って遊んでいたんですけど、「限界少女」だけはほぼほぼメンバーの予想が合っていました。どの曲もメンバーにピッタリ。声質とか相性とか全部考えてくださっていて、すごく嬉しかったです。
-長い間ギャンパレを見てきた松隈さんの力はさすがですね。ちなみに、メンバーのみなさんとしては"本当はこっちの曲を歌いたかった"みたいなものはありましたか(笑)?
ユア:(笑)メンバー内で"この曲歌ってみたいよね"みたいな話はしたことがありますね。
アイナスター:私は「Anything Goes!!!!」が好きすぎるので歌ってみたいです。でも、どうなんだろう。聴くのが好きなのかもしれないです。やるとなったら「限界少女」と「Girls」が大好きですね。
-アルバム1曲目の「ENJOY OUR PARADE」は、今のギャンパレのテーマ曲に思えました。今までのシングル表題曲やアルバムのリード曲も、今のギャンパレの状態を表したり、ギャンパレへのメッセージが入っていたりしたと思うんですよ。で、それは"もうやるしかない"とか、"壁にぶち当たって越えていけよ"みたいなメッセージ性だったと思っていて。そのなかで今回は"楽しんでいこう"という言葉が入ってきた。
メイ:"いつだって楽しんでいこう"という歌詞は、今のGANG PARADEがみんなに届けたいものだし、私たちがずっと目指していきたいものだなと改めて感じています。それがこのアルバムの1曲目に入っているので、まさにこれからのギャンパレを示しているのかなと思いますね。
ユア:渡辺(淳之介/事務所代表)さんが今のGANG PARADEに求めていることってこういうことなのかなと思いました。これまでいろんなことを経験させてもらってきたなかで、楽しんでやっていくことが大事だと今までに学んできたので、GANG PARADEの歴史がギュッと詰まっている曲です。そういう歌詞を今このタイミングで貰えたのがありがたくて、これから大事に歌っていきたい曲のひとつになりました。
ココ:昨日のツアー・ファイナルのアンコールでやっていたときに、考えていたことがあったんです。今のWACKって、社長だったり会社だったりの空気感として、ポジティヴ・ヴァイブスみたいなものがあって。ギャンパレはWACKの中でも"楽しんでいこう"とシンプルにわかりやすく歌えるグループだと思っているので、歌わせていただけることがすごく嬉しいです。もちろん(他のグループにも)みんないろんな楽しさがありますけど、そういうのを体現できている歌なんじゃないかなと。このツアーの主題歌みたいな気持ちで歌わせてもらって、大事な曲だなと思いました。
アイナスター:振付を東京ゲゲゲイさんにつけていただいたんですけど、メンバー同士で目が合う箇所がすごく多いんです。練習だとちょっと気まずいぐらい目が合うんですけど(笑)、メンバー同士で目を合わせて歌うことで、遊び人(※GANG PARADEファン)も含め、遊び場(※GANG PARADEのライヴ)が本当に好きだなと思う曲ですね。この13人のギャンパレがすごく好きだし、この13人でもっともっと大きい遊び場を作りたいなと素直に感じられる曲。ツアーではアンコール1曲目に持ってきていたんですけど、じんわり温かい気持ちにもなるし、底からメラメラ湧いてくる気持ちにもなります。前向きになれることで、全部が愛しくなる曲です。
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