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COLUMN

挫・人間 下川リヲの"モノホンプレーヤーになれねえ"【第14回】

2020年08月号掲載

挫・人間 下川リヲの"モノホンプレーヤーになれねえ"【第14回】

どうも!夏と人間を食うタイプの妖怪が好きな下川です!
夏といえばやっぱり、海!水着!女!ナンパ!ですよね。美少女ゲーム?やったことありません。

数年前、僕は「中高時代モテなかった男は、社会人になってからモテる」という話を聞いて、地元の友人Aとギャルに逆ナンされるために海に行きました。
「ギャル!ギャル!ギャル!」
とAは大喜びです。

「ギャル♪逆ナン♪ ギャルナンナン♪」
TUBEの『シーズン・イン・ザ・サン』を替え歌にしながら、海という名の希望へ向かって車を走らせます。

そうして辿り着いた海は小さな海岸で、日が暮れかけてまさにいいムードでした。
「海!海!海!」
Aも気持ちが高揚している様子でした。
なんと、本当にギャルグループもいます。

......本当に上手くいったらどうしよう。

急にひとりぼっちになった気がして隣を見ると、Aも気色悪い笑顔でこちらを見ています。僕もきっと同じ顔をしているだろうと思うと、不思議と勇気がわいてきて、2人で海に入ることにしました。

彼女らを意識しているのがバレないように、つかず離れずの中距離を保ちます。
普通に海を楽しんでいたらきっと逆ナンされるだろう......と思っていると、ギャルが僕らを見つけて、言いました。

「ゲッッッ、あいつらゼッテェ海でオシッコしてるわ!!!!」

えウソ......。
僕らが固まっているとギャルがざぶざぶと波をかき分け海から去って行きます。行かないで、ギャル。ストップ!ストップシーズンインザサン!

海に取り残された僕達は、水平線に沈む夕陽を見送ったあと、近場に混浴があるのを発見し、立ち寄りました。

「混浴!混浴!混浴!」
「いやいや、さすがに混浴って誰も来ないでしょ~!バカだな!」
と言いながら、「バカは俺であってくれ」と真剣に思いました。

しばらく温泉に癒されていると、何やら人の気配がします。

これは、と僕は思います。この湯けむりの中で始まるかもしれない......俺たちの夏が!
と、期待に胸を膨らませていると、入ってきます。全裸の女性......ババアが!!!

「ババア!ババア!ババア!」

「バカ!やめろ!」

ババアは僕らを見つけると奇妙な笑い声をあげました。

「ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ! エッチなお猿さんだ!!!」

僕らは一瞬、いくらババアでも女性であるわけだし、男性としてそれなりに喜んでしまったらどうしようという不安もあったりしたのですが、その心配も一瞬で消え失せ、「お先にいただきました~」とか言って車に戻ったのでした。

車に乗って夜道を走り家路を急ぎます。中島みゆきの『ヘッドライト・テールライト』が流れます。
「♪旅はまだ終わらない」
OK、でも、これってどこに辿り着く旅?

「混浴なんて良くないって言っただろ。二度と逆らうなよ!この俺に」
僕は助手席で叫びました。
夏の夜空は優しくぼくらを包むのでした。

挫・人間

2008年、熊本で結成。"閃光ライオット2009"の決勝大会に進出し、同大会のキャンペーン・ガール、夏未エレナが選出する"夏未エレナ賞"を受賞。2013年に1stアルバム『苺苺苺苺苺』をリリース。2018年11月には4thアルバム『OSジャンクション』を発表した。2020年3月には5thアルバム『ブラクラ』をリリース。現在、延期となった"挫・人間 TOUR 2020 ~さような来世!風と共に去りヌンティウス~"振替公演を敢行中。