Japanese
挫・人間
Skream! マガジン 2025年12月号掲載
2025.10.30 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer : サイトウ マサヒロ Photogtapher:エドソウタ
ハロウィーン前夜の渋谷の街には、"禁止だよ!迷惑ハロウィーン"のスローガンが至るところで人々を牽制している。そんななか、センター街にある渋谷CLUB QUATTROだけは、どこまでも自由ではじけ放題の空間だった。9月3日にシングル『わりきれないよ』をリリースした挫・人間。同作を引っ提げたワンマン・ツアー[挫・人間 TOUR 2025 "We are the champion!! 〜君の街にも僕が来るんだ〜"]では、10月1日の新宿red cloth公演からちょうど30日をかけて全国7都市を巡り、この日再び東京に帰ってきた。
定刻を迎えると、まずは楽器隊の声児(Ba/Cho)、タイチサンダー(Support Dr/ex-爆弾ジョニー)、キョウスケ(Support Gt/ex-爆弾ジョニー)が登場。揃ってポーズを決めた後、1stアルバム『苺苺苺苺苺』の収録曲「うったまがった節」からライヴをスタートさせる。ピース・サインを掲げて登場した下川リヲの吐き捨てるようなヴォーカリゼーションも含めて、レッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)譲りのグルーヴは粘性の旨味を湛えている。この1ヶ月間でのバンドの仕上がりをプレゼンするのに相応しい幕開けだ。続いて「セイント・ギロチン」、「ソモサン・セッパ」とアグレッシヴな楽曲を連発し、あっという間に会場の熱を高めていく。オープニングの3曲だけでも10年の幅がある選曲。それでも"らしさ"にブレがなくて、改めて下川リヲという人間が創作に込める自我の強固さを実感させられる。
ツアーの充実ぶりを笑顔で語る下川は、"我々はあまりちゃんとしたバンドではないので、皆さんもちゃんと楽しまなくていい。皆さんの人生もまともではないのですから"と投げ掛ける。その一見突き放すような言葉が、むしろステージとフロアの間のシンパシーを確かなものにしていた。高校時代に制作した楽曲だという「土曜日の俺はちょっと違う」、さらに裏打ちで身体を揺らす「明日、俺はAxSxEになる......」が、ややボルテージを抑えながら挫・人間らしいリズムを整えていく。最新シングルの収録曲「マリ」は、触れるもの全てを傷付けるような思春期的鋭利さと、凍てつく心を人肌で温める歌心という、挫・人間の二面性を1曲に閉じ込めたようなロック・ナンバー。ギター・リフの鮮烈さも手伝って、ライヴでの即効性も抜群だった。
スポットライトを浴びる下川の小芝居に"早くやれ!"の愛ある野次が飛び、"ZU・BU・NU・REだー!"のシャウトから「俺だけがZU・BU・NU・RE......」へ。クサメロ全開の疾走歌謡メタル・ナンバーは、もはや悪ふざけと紙一重だ。それでも彼等の勢い任せではない演奏力と過剰なエネルギーが、サウンドに妙な説得力を宿してしまう。この理屈抜きの凄味には、思わず笑いがこぼれる程に圧倒された。そうして生まれたうねりを、高速ダンス・ロック「テクノ番長」でシンクロ率に変換。拳、タオル回し、振付、クラップ、"お前が一番テクノ!"の口上と、エンジョイアブルなライヴノリのバーゲンセールを、乗りこなしていくオーディエンスが頼もしい。"もっと意味不明なことを叫んでみましょうか!?"という煽りに導かれたのは、「念力が欲しい!!!!!~念力家族のテーマ~」。親密な空気感はそのままに、カオスの渦へと飛び込んでいく。
ライヴ中盤には満を持して「わりきれないよ」を披露。素朴ですらあるアンサンブルにハートウォーミングなメロディを乗せた、ストレートな一曲だ。ここまで様々な手札を切ってきた分、その飾らないサウンドがすっと胸に沁みる。現実に打ちひしがれ続けて、受け入れるでも開き直るでもなく、わりきれないままで歩んでいく。曲前には"未だに1つも割り切れない。やりたくないことはやらないでここまで来ました!"と自嘲していたが、それはもはや立派な強さであることを、詰めかけた一人一人が理解していたはずだ。続く「ゲームボーイズメモリー」でフロア中がハンズ・アップすると、声児がその光景を目の前に満面の笑みを浮かべる。
クライマックスには、「セルアウト禅問答」、「絶望シネマで臨死」と鉄板のキラーチューンで最高潮へ。下川の叫びにはいっそう感情がこもり、声児とキョウスケも縦横無尽にパフォーマンスする。そのわちゃわちゃ感はどことなく悪巧みの身内ノリっぽいけれど、一方でどんなはみ出し者も拒まない。
本編が終わりアンコールを求める声が上がると、下川はものの数秒でステージに帰還。「下川最強伝説」を演奏する前に、曲中で"除霊"する初恋の相手に対する思いを、谷川俊太郎"生きる"の引用を交えながら異常なパッションでたっぷり語り倒した。そうして楽曲に流れ込むと、下川のただごとではない熱量が伝播したのか、この日一番の一体感でその場の誰もが拳を掲げる。もちろん彼等は同情や憐れみというより共感や共鳴によって突き動かされていて、下川が最強だと信じることは、転じて自分が最強だと信じることなのだ。
そんな一蓮托生の思いを"羽ばたきたい"の大合唱で昇華させると、ラストはツアー・タイトルの元ネタにもなっている「はじけるべき人生」だ。繰り返される"We are the champion!!"のフレーズ。その"We"に自分も含まれているという確信が、多幸感となってCLUB QUATTROを包み込む。演奏が終わったかと思いきや、一度退場した下川が"こんなんで終わるわけねーだろ!"と再登場。ラストのサビをもう一度繰り返し、声児が"優勝おめでとうございます!"とオーディエンスを讃えて、幕が下ろされたのだった。
紆余曲折を経て、それでもなおわりきれない。これからも挫・人間は挫・人間のまま、下川リヲは下川リヲのままなのだろうと思わせるような全17曲だった。下川がMCで語った言葉を借りるなら、彼等は、いや僕たちはこの先ずっと"フェーズ1"のままなのかもしれない。それでも根拠なく表彰台に登らせてくれる音楽があるのだから、心配は無用だ。
[Setlist]
1. うったまがった節
2. セイント・ギロチン
3. ソモサン・セッパ
4. 土曜日の俺はちょっと違う
5. 明日、俺はAxSxEになる......
6. チャーハンたべたい
7. マリ
8. 俺だけがZU・BU・NU・RE......
9. テクノ番長
10. 念力が欲しい!!!!!~念力家族のテーマ~
11. わりきれないよ
12. ゲームボーイズメモリー
13. 一生のお願い
14. セルアウト禅問答
15. 絶望シネマで臨死
En1. 下川最強伝説
En2. はじけるべき人生
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