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COLUMN

挫・人間 下川リヲの"モノホンプレーヤーになれねえ"【第3回】

2018年10月号掲載

挫・人間 下川リヲの"モノホンプレーヤーになれねえ"【第3回】

夏休みが終わり文化祭シーズンですね!社会人の皆様は、仮装文化祭シーズンの到来です!

制服姿の男女が楽器を持って楽しそうに街を歩いているのを見かけます。同じ制服なのに何故か他の人よりきらめいて見える彼と彼女ら......恐らく文化祭用男女混合バンドの練習帰りでしょう。いやー、本当に可愛らしいですよね!
そのバンドの演奏を聴いたらぼくは、塩かけられたナメクジみたいになってしまうんでしょうけど......。

でも安心してください!男女混合仲良しバンドは、顔が良い奴らしか出来ません。そして顔がいい奴らは、バンド以外に楽しいことが沢山あるので、バンドは全然良くないでちゅ!(DEAD TO YOU!)

だから、もしあなたが塩ナメクジ状態になっても、近くのナメクジ達と合体し大きなナメクジになって学校を破壊とかしなくても大丈夫。
あなたの方が確実にバンドの才能があるはず。

そういえば、ぼくも高校時代、挫・人間で文化祭のライブに出ました。出番はなんと大トリ。
控え室から、「やったるぞ」という気持ちでステージを覗くとスクールカースト上位バンドが「リンダリンダ」を演奏していました。

スクールカースト上位の彼らは友達が多いので音楽室は大盛り上がり。合唱が起こります。
曲が終わり、ぼくがステージに立つとゾロゾロと帰り出す同じ制服の人々。立ち尽くす挫・人間......。そこで歌う「土曜日の俺はちょっと違う」という曲が、閑古鳥の鳴くような音楽室に響きます。カーテンから漏れる夕焼けが、去っていった人達の巻き上げたほこりをちらちらと反射し、自分の胸に降り積もります......。

そして今、近所の高校の文化祭に侵入し、殆ど人の居ない音楽室でブサイク男が歌う下手くそな「リライト」で涙を流すぼくは「いつか君のような人にもぼくの歌が届けばいい......」と小さく呟き、その場を去りました。

ぼくがあの日文化祭で歌った曲がCDになって全国で発売されたように、あなたも叫び続ければ、そのくやしさも作品になるかもしれない!そんな人に響くような歌を歌っていたい!

「よし!帰ってギターの練習をするぞ!」とやる気をもらって帰る前に立ち寄った茶道部で女子高生が煎れてくださったお茶を一口いただくと一瞬で全てがどうでもよくなるほどの幸せが訪れたではありませんか。

「よし!これからは、『ぼくたちの苦しみが女子高生になりました』ってモードで行くぜ!」
とひとり叫び、下川は大きなナメクジを従え、山に消えてゆきました......。 つづく


挫・人間

2008年、熊本で結成。"閃光ライオット2009"の決勝大会に進出し、同大会のキャンペーン・ガール、夏未エレナが選出する"夏未エレナ賞"を受賞。2013年に1stアルバム『苺苺苺苺苺』をリリース。2018年5月に1stシングル『品がねえ 萎え』を発表し、11月7日には4thアルバム『OSジャンクション』のリリースが決定。同アルバムを引っ提げた全国16ヶ所を回るツアー"挫・人間 TOUR 2018/19 ~厨二病?いや、チューしよう~"を開催する。