Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

MAGIC OF LiFE × Skream! × バイトル

2018年09月号掲載

MAGIC OF LiFE × Skream! × バイトル

Member:高津戸 信幸(Vo/Gt) 山下 拓実(Gt) 渡辺 雄司(Ba) 岡田 翔太朗(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり Photo by 上溝恭香

MAGIC OF LiFE × Skream! × バイトル
キャンペーン情報

  1. フォロー&RTでMAGIC OF LiFEのサイン色紙をプレゼント
  2. バイトルのアプリDLでMAGIC OF LiFEの厳選のグッズ3点セットをプレゼント
  3. (メンバー全員のサイン入り"月下美人ビッグTシャツ"、"月下美人マフラータオル"、"モノトーンラバーバンド")

▼応募はこちら
https://www.baitoru.com/contents/geki/27.html#oubo


-ではここで、ドリームバイトの関田さんにバトンタッチします。

関田:改めまして、関田と申します。よろしくお願いします。

一同:よろしくお願いします!

関田:まず最初の質問です。長い間バンド活動をしてきて、その中で一番つらかったことと、嬉しかったことはなんですか?

高津戸:つらかったのは、ひとつ選ぶとしたら、東日本大震災が起きたときにオリジナル・メンバーふたりが抜けたことですね。そのときに拓実君が残ってくれて。僕はオリジナルのふたりが抜けたので、もうバンドをやめようと思っていたんです。でも、彼がまだやれるって僕の背中を押してくれたんですよね。こう見えてすごく頼り甲斐があるんですよ。こいつのおかげで、バンドを頑張ってみるかってなって。そのときは栃木にいたので、被災地で、メンバーはバンドよりも大切なものができちゃったんです。不仲になってやめるとかではなかったので止められなかったんですよね。それで、栃木から湘南新宿ラインに乗って2時間かけて東京に来てメンバーを探すという作業を、どれくらいやったかな?

山下:2ヶ月くらいじゃない? あれは地獄だったね。

高津戸:本当につらくて。若かったしね。新しいメンバーに出会うためにバンドの飲み会とかに行って。でもメンバーはなかなか決まらなかったから、帰りの駅で、ふたりで"酒飲むか"って何も喋らずに飲んでね。

山下:駅の売店でレモン酎ハイ買ってね。

高津戸:もうね、ぜんっぜん味しないんですよ。

山下:あれは青春だね。

高津戸:まったく味のしないレモン酎ハイ飲みながら、ボロボロになって栃木に帰るっていうのを2ヶ月間やって。それでこのふたりが(渡辺、岡田)サポートで入ってくれて、なんとかアルバムだけは作ろうという──当時メジャー・デビューしていて、アルバムを作ることが決まっていたんですけど、そこにサポートで入ってくれたんです。でもスタジオに入るたびに心情が変わったのか、正式に加入してくれることになって。この4人が揃ったときが一番嬉しかったです。

山下:僕もつらかったことといえばそれですね。嬉しかったことは、去年病気をして、そのあとの復活のライヴ(2017年9月24日に渋谷CLUB QUATTROで開催した"MAGIC OF LiFE ワンマンツアー2017 『Niemeyer』")です。またステージに立てたことはすごく嬉しかったな。

渡辺:嬉しかったのは、このバンドでのことじゃないけど、初めて全国でCDをリリースできたときが嬉しかったですね。

高津戸:あの感覚はヤバいよね。

渡辺:ずっと憧れで。中学を出て、音楽やるために上京して、それが叶ったときが一番嬉しかったな。自分たちのCDが店に置いてあるのが、現実味がないんですけどね。なんで置いてあんねんこれっていう(笑)。

山下:俺10枚くらい自腹で買ったことあるな。

渡辺:つらかったのは、なんだろうな。

高津戸:バンドでいろんな経験してるんじゃないの。脱退とか、解散とか。

渡辺:それはそんなつらくないかなぁ。結局、また新しいバンドができたり、そこからもっと広がるからね。でも、バンドを脱退したときにネットとかでものすごい叩かれたのはつらかったかも。もちろん話し合って円満にっていう感じだったんですけど、どうしても周りからは違うように見られちゃうというか。叩かれたときは痩せました。メンタル弱めなので。

岡田:今、話を聞きながらつらかったことを考えていたんですけど、あまりないっていうか。つらいことが起きたとしても、結果的に良かったねで終わることが多かった気がして、思い浮かばないんですよね。何か挙げるとしたら、アルバイトをしながらバンドをやってる時期かな。バンドの駆け出しのころって、スタジオ代やグッズを作るお金から、ツアーの車の維持費とかも全部自分たちで捻出していて。そうなってくると、お金がないしバイトをしなきゃいけない。でもそうすると寝る時間もないくらいやることが多くて。その時期はつらかったかなと思います。まぁ、でもそれも今に繋がっていることなので、結局は良かったねで終わるんですけどね(笑)。

高津戸:見た目どおり楽観的なんですよ。

関田:素敵だと思います。

岡田:良かったことは、実は今日もそうだったんですけど、作品のマスタリングをしているときですね。最終工程であるマスタリングで、できあがった音源を通しで聴いて、ひとつの到達地点みたいなところに立ったときに、すごい達成感があって、幸せだなって思います。

高津戸:翔太朗さんは感受性が豊かで、そのマスタリング音源を聴きながら自分たちの曲で泣いたりするんですよ。

岡田:2012年のアルバム『doors』のときかな。加入して初めて作ったアルバムですね。他の人が叩いている曲も数曲あるんですけど(笑)。

高津戸:それくらいの感動があるんですよね、音楽って。

関田:では、つらかったことに対しては、みなさんどうやって乗り越えてきたんでしょう?

山下:人に助けられてきた感じかな。

渡辺:まぁ、このバンドは俺らが助けた感じやからな。

岡田:はははは(笑)。

高津戸:結局は自分を含め、周りの支えてくれる仲間とかを信じることですよね。このバンドもまず拓実君が信じてくれたし。新しいアルバム『FOR YOU』の曲にもあるんですけど、自分を信じないことが一番つらいことだと思うんです。信じてくれる人がいるなら、自分が一番強くなくちゃいけないのかなって。そうやって思っていたら、拓実君が言ったように、周りの方々が助けてくれるから。自分が誰よりも動いていくことで、いい気が巡り巡って動いてきて、点と点が線になる感覚はあります。

山下:僕が乗り越えられたのは諦めが悪かったからだと思います。諦めが悪く、逃げずにずっとそれを追っていたら、ここにいました。ひとつのことを追い求める人って、人的な魅力が出るのかなと思っていて。そこに力を貸してくれる人たちがいるんじゃないかと。だから、諦めなかったことが一番デカいかな。

渡辺:俺はなんやろな......。

岡田:雄司があの当時しきりに言ってたのは、もっと自分磨きをして乗り越えようっていうのだったと思う。今はなんか言ってる奴らが、1年後とかに僕の姿を見たときに、あいつよくやってるなって思ってもらえるようにって。

渡辺:あぁ、何クソ精神はすごかったね。

岡田:僕はシンプルな自問自答をすることで乗り越えていたかなと思いますね。例えば、やりたくないことがあったとして、でもこれをやらないと自分がやりたいことにたどりつけないんだって思ったら、やるしかないなっていうか。

関田:ありがとうございます。次の質問です。自分たちの曲で好きな曲をそれぞれ教えてください。

高津戸:10月10日にニュー・アルバム『FOR YOU』が出るんですけど、その中の曲で、「朝焼けとからっぽ」という曲があるんです。大切なものはいつも透明なんだっていうフレーズがあって。大切なものって目に見えないじゃないですか。そういうものを自分の中で改めて言葉にして、メロディにして、自分に言い聞かせているところがあって。今近くにいてくれる人がいるのって、当たり前じゃないし、最近舞台にも挑戦させてもらっているんですけど、初めての場所に行くって、すごく孤独なんですよね。怖いし、ひとりぼっちだし、演技もできないしで、つらい思いをしているんですが、でもこうして帰ってくると、僕のことを求めてくれる人がいる。こういうのって、経験しないと忘れてしまいがちなんです。空気と同じようになってきてしまうので。でもそういうものが改めて一番大切なんだって、自分の思いを吐露した楽曲なので、ぜひ聴いていただきたいですね(笑)。

山下:僕はいくつかあるんですけど、「箒星の余韻」(2014年リリースのシングル表題曲)ですかね。これは、MAGIC OF LiFEに改名して初めてのシングルで、聴くと、いろんなことが蘇ってきます。で、新しいアルバム『FOR YOU』では、俺も「朝焼けとからっぽ」が好きですね(笑)。

渡辺:俺は、アルバム『doors』の「doors」かな。うちら(渡辺、岡田)が入るきっかけになったというか、そのころの曲やから。さっき話していたネットとかで叩かれていたときに、この曲に背中を押されていたかもしれない。あとは、ニュー・アルバム『FOR YOU』では、「魔法にかかる」かな。

岡田:僕も、今雄司が言った「魔法にかかる」が好きですね。制作中はずっと「似た者同士」という曲が推しだったんですけど、今日マスタリングが終わって、歌詞カードを見ながら曲を聴いていたら、「魔法にかかる」が改めてすごく良くて。今回のアルバムはすごく現実的な世界を描いていたつもりだったんですけど、この「魔法にかかる」は、タイトルはファンタジーじゃないですか。DIRTY OLD MEN時代に『bud』(2008年リリース)っていうアルバムを出していて、歌詞が結構ファンタジックだったんです。ファンタジーだけど、自分たちの生活の中でのメッセージに置き換えることができる歌詞が多かったんです。「魔法にかかる」も、すごく現実世界にも置き換えられるいい曲なんですよね。

関田:アルバムが楽しみです。私はTVアニメ"弱虫ペダル"を観ていて、その主題歌「弱虫な炎」(2014年リリースのシングル表題曲)を手掛けていたことで──当時はDIRTY OLD MENでしたけど、MAGIC OF LiFEが好きになったんですよ。みなさんも、アニメはご覧になるんですか?

高津戸:アニメは大好きですよ。関田さんはどんなアニメが好きですか?

関田:"弱虫ペダル"も好きですし、あとはエンディング・テーマを担当されていた"ジョーカー・ゲーム"も好きです。"ジョーカー・ゲーム"はMAGIC OF LiFEがエンディング・テーマ「DOUBLE」を担当すると聞いて、それをきっかけに観始めたんですけど、ハマってしまって。もう3周くらい観てます。

岡田:すげぇ!