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Skream!×MUSE音楽院公開講座

2017年02月号掲載

Skream!×MUSE音楽院公開講座

メンバー:大山 聡一(Gt) 酒井 亮輔(Ba)
インタビュアー:渡邉 徹也 Photo by ミクスケ

-酒井さんも同じような?

酒井:そうですね。ほぼ一緒にいたんで(笑)。地元にいたときはそんな感じだったんですけど、そのコンテナで練習してたときも、ハプニングがいっぱいあって。閉め切ると夏はサウナだし、結構誰でも入れるんで、人間も入れれば動物も入れるんですよ。それで1回、"じゃあ練習しようぜ"って始めたときに、"なんか臭ぇな"ってなって。"なんだ? なんだ?"っていろんなところを探してたら、どうやら"聡一のアンプが臭ぇ!"と。

大山:犬か猫がオシッコをかけたみたいで。アンプって、音出すとスピーカーが揺れるんですよね。だから、弾けば弾くほど臭いが......(笑)。

一同:(笑)

酒井:事件がありましたね。

-おふたりの影響で楽器を始めた学生さんもいるらしいんですが、おふたりはギターとベースを始めたころ、どのような練習をされてましたか?

酒井:僕はギターから始めたんですけど、バンドをやるってなったときにベースがいなくて。聡一がギターだったんで、"じゃあ俺はベースやるよ"ってことになってベースを始めたんですけど、最初のころは田舎だったんで、200Wか300Wくらいあるデカいアンプと、大きいスピーカーも家にあったんですよね。好きなアーティスト......B'zとか、あとはMR.BIGが当時すごく流行ってて、そのCDを爆音で流しながら爆音で弾くっていうことをひたすらやってたかな。

大山:家、揺れてましたからね(笑)。田舎だけど、それはないだろってくらい音出してました。

一同:(笑)

酒井:なりきるというか、若かったんでマネをすごくしたくて、爆音でやりたいっていう。なので、練習というよりは"なりきり"っていう感じのことをやってましたね。

-まずは形からってことですね(笑)。音を大きくすることで、自分のテクニックが見れたりとか、そういう利点ってありましたか?

酒井:どんな楽器でもそうなんですけど、例えばバンドをやったときに縦がドンって合うと衝撃が違うんですけど、大きい音量のCDにベースを合わせると、それと同じ効果があるというか。例えばレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)をやったときは、"レッチリってこういうタイミングなんだ"とか、"MR.BIG、ハード・ロックってこういうタイミングなんだ"っていう感覚は、そこで結構得られたかなって。スタジオに入ると、ドラムの音って大きいじゃないですか。それと同じというか、自分の好きなアーティストとできるって感覚にはなれましたね。

-大山さんはいかがですか?

大山:楽器を始めるのは、そんなにハードルは高くないことだと思ってたんで。もちろん、楽器を突き詰めるってなったらハードルが高いんですけど、基本的には"なんか面白そうだな"とか"できたらいいな"っていう気持ちから入ることが多いと思うんですよね。でも、実際やってみると"あれ? できないな......"とか、ギターだったらよく言うのが"Fが押さえられない"とか。そうなったときにやめてっちゃう人もいると思うんですけど、英語とかと一緒で、下手くそなこととかあんまり気にしない方がいいんじゃないかと思っていて。楽器は、最初は絶対下手くそなんで、"上手くできないから、つまんない"ってなっちゃうのが一番もったいないのかなと。自分も、始めたころはチューニングの仕方もわかんないし、全然音出ないし、"くそ面白くねぇな"と思ったんですけど、やっぱり自分の中にヒーローがいて、そのヒーローになりたいって気持ちがすごくあったんです。なんか下手くそでもいいから、"とにかくこのカッコいいフレーズだけは弾きたい"とか、"弾いてる見た目だけはカッコよくしたい"とか。そういう気持ちを積み重ねていくと、気づいたらいろんなことができるようになってたりして、すぐ広がるんですよね。そこを超えた先の楽しみ、みたいなものが出てくるんで。だから最初はホントに好きなことだけ、でいいのでやってくのがいいのかなって。そういうのは、今でも大事なのかなって思ってます。

-小さい目標を少しずつクリアしていく感覚で続けていくってことですね。ぜひ、プレイヤーの方は参考にしていただければと思います。そんな、コンテナで練習していたおふたりが、MUSE音楽院に入学されて、実際はどのような授業を?

大山:僕はギター科だったんですけど、もちろん楽器を弾く授業はありますよね。基礎だったりとか、あとはアンサンブルって言って、ベース科の人とドラム科の人、ヴォーカル科の人と一緒に授業の中でバンドを組んで、課題曲をやったり。印象に残っているところだと、"リズム授業"みたいなのがあって。何も持たない状態で、1時間とかひたすら手や足を使って、先生が出したリズムをメトロノームに合わせて叩く、みたいな。"何の授業が役立ったかな"って考えたときに、意外とそういうのとか、あとは曲を聴いてメロディを譜面に起こす、みたいなのとか。コードに対して歌がこういうラインで乗ってる、とか、そういうのを学んだ授業が、今すごく役立ってるんですよね。面白かったなって思います。プレイヤーの仲間も、ギターの授業は出るけどそういう授業はあんまり出ない、みたいな奴が結構いたんですけど、実はそういう授業の方が面白かったんじゃないかなって。

酒井:僕はベース科だったので、リズムの授業も結構あって。2年生になったときに、最初がベースを持つ授業じゃなかったんですよ。っていうのも、今聡一が言ったみたいに、メトロノームに合わせて腿を叩けるようになるまでやる、っていうのがあって。最初は"なんだこれ?"みたいな感じだったんですけど、やってみると、リズムの位置が身体でわかってくるんです。"それができたらベース持っていいよ"って言われるんですけど、ベースを持ったときに"あ、さっき叩いてたところだ!"っていうのが結構わかるようになって。それが一番印象深いというか、良かったなって授業ですね。

-感じてることは、おふたりともだいたい一緒なんですね。

大山:デジャヴが起こりましたね(笑)。

一同:(笑)

大山:それほど、リズムの授業は良かったよってことなんです(笑)。あと当時は、先生をすごく"先生"っていう目で見てたんですけど、よくよく考えると、今の自分と同じくらいの歳の人もいたりして。先生にもタイプがあるんですけど、例えばギター科の先生だったら、この先生はフュージョンとかジャズ系の音楽がすごいとか、この先生はロックとか速弾きがすごいとか。それで自分はそのころ18、19歳とかで何もわかんない若造だったので、勝負ふっかけたりしてたんです。授業の前とかに、"このフレーズだったら先生に絶対負けない気がする"とか言って、当時自分がすっごく得意としてたフレーズをひとつだけ持っていくんですけど、やっぱり先生だから上手いんですよ(笑)。かなり練習していったのに勝てないんですよね。でも、それをひたすらにやって、1回だけ勝ったことがあるんです。そういうのに乗ってくれる先生がいっぱいいました。