Japanese
MUSE音楽院×Skream! VOL.1
2012年08月号掲載
Writer 伊藤 啓太
MUSE音楽院とSkream!の共同企画として行われた"公開インタビュー"。ライヴなど直接音楽に触れる以外の生の現場を今後音楽業界を志す学生を中心に、なかなか観ることのできない生の現場を体感してもらうことをテーマに開催。第1回のお相手はグッドモーニングアメリカ。今回は彼らに"仲間"をテーマに話を伺った。
【公開インタビュー】
テーマ:音楽と仲間
ゲスト:グッドモーニングアメリカ
日 程:7月11日(水)
開催地:MUSE音楽院本館
インタビュアー:Skream!(伊藤 啓太)
-グッドモーニングアメリカの結成は?
渡邊:高校の同級生としてフロント3人が出会って、バンドを始めて、前のバンドを22歳くらいの時に一度活動を休止して、2年くらいしてからグッドモーニングアメリカとして活動再開しました。
-以前のバンドからグッドモーニングアメリカにはどういった流れで変わっていったんですか?
渡邊:一番の違いは英語詞から日本語詞に変えたというのが大きいですね。
-英語詞から日本語詞に変えると言葉の乗せかただったり、サウンドにも大きく影響してくると思いますが、英語詞から日本語詞に変えるきっかけは?
渡邊:メンバーそれぞれ思うところがあって、英語詞でずっとやっていて急に日本語詞にするってなった時に各々別々の理由があったんですけど。僕は英語詞でも日本語詞でも良いメロディの音楽ができれば良いなって思ってたので、そこまでこだわりはなかったんですけど。日本に住んでるし、日本語の音楽も好きだったのでやりたいなとは思っていました。ヴォーカルはヴォーカルで、歌詞のメッセージ性だったり全て作詞をしているのでそれを伝えるときに英語詞ではなく日本語詞で伝わるから日本語でやりたいって言ってきて。ベースとドラムも各々の理由があって、そのタイミングで切り替わりましたね。
-なるほど、英語詞から日本語詞になるにあたって難しかったことは?
金廣:そうですね、最初は英語から日本語に変えたばかりのときに、英語ってストレートに書いてもうそ臭くないというか。
-日本語ってダイレクトに伝わりますからね。
金廣:そうですね、そういうのを自分で腑に落ちないまま歌詞を書いたり、例えば前に英詞で曲をやっていた時のまま、そのまま歌詞を日本語にってはなれなくて。それを日本語に変えたときに自分じゃないな、うさんくさいなって思って。すごい日本語に変えたときに自分っぽくない感覚がするんですよね。その感覚を払拭するのは大変でした。
-それを払拭して自分のものにできたのは自然に?なにかきっかけがあって?
金廣:いろんなことをしました。最初は英語の歌詞を書くような感じで書いてみたり、抽象的なことを書いてみたり。自分の中で腑に落ちるやりかたをやっていって、それを組み合わせてやっていってという感じですね。
-サウンド面の変化はいかがでしたか?
渡邊;最初は日本語だからJ-POPの模倣をして徐々に差別化していければいいと思ってたんですけど、模倣するものが多すぎて、模倣をすることによってそこに落ち着いてしまうというか、それが自然になってしまうというか。今まで自分もJ-POPとか聴いてきたし、例えばチャゲアスやミスチル、そういう音楽がこうしてるからこうしようみたいなのが当たり前になって。日本語だからそうせざるをえないってのはあったんですけど。そこで1stミニアルバムを出すにあたって原点回帰をしようという話しが出て。でもそこから以前英語詞の時にやっていたメロコア的なアプローチだったり、アメリカっぽいサウンドを入れてみたりとかすることによって今の形が見えてきて対応できるようになってきたかなと思います。
-最新作『輝く方へ』を制作するにあたって何か難しかった点や意識したことはありますか?
渡邊:そうですね、作品のテーマというかリード曲が「輝く方へ」という曲なんですけど、この曲はどこまで行けるかはわからないけど、輝く方に行きたいという強い思いがこもっていて。それはこの作品を作るにあたって、自分達が経験してきたことだったり色んな人に出会ったりとか。決して僕らだけでは辿り着けなかったと思うし、だから僕らだけではなく応援してくれる人だったり、いつもCD聴いてくれている人だったり、みんなで輝く方へ行きたいという思いを込めて作った作品です。
-確かにその思いっていうのははグッドモーニングアメリカの活動や作品に通低してある部分ですよね、例えば今年の2月に行われたコンピからのフェスもそういった部分が強かったのでは?
渡邊:そうですね、2月の自分達企画のフェスは1枚のV/Aから始まって、そのV/Aのコンセプトが何かのきっかけを作りたいというのが1番にあって。それはもちろん自分達もそうだし、自分達が1st録っている時に、録っている側としてはすぐリリースしたかったんですけど、レーベル側に"ちょっと待とう"と言われて。気持ちはすぐにでも出したかったんですが、なにかしらのきっかけがないとリリースする意味が無くなってしまうと言われて。それで色々考えたときに、前々から作ってみたいと思っていたV/Aを作って、その延長線上で何かのきっかけを作るという目的でフェスまで辿り着いたっていうのは大きいですね。
-構想はV/Aとフェスは同時に沸いたイメージ?
渡邊:正確にはV/Aがあって、第1弾の時はレコ発として行ったものを、コンセプトは同じだけど、枠を広げようっていう意味でフェスとして大きく行いました。
-非常に多くのバンドが出演されたイベントだし、ブッキングから当日の運営まで苦労はされましたか?
渡邊:そうですね、フェスを主催すること自体が初めての試みでしたし、メンバーとスタッフだけで行ったので、機材やバンドの搬入時の誘導であったり、もちろんイーストのスタッフも手伝ってくれたんですけど基本的には僕ら主導で動いてましたし、バンド数も18バンドという長丁場だったんで大変でしたね。もちろん終わった後の達成感は凄くありましたけど。
-長かったですよね、よく長いイベントだとピンポイントで観たいバンドだけ観て帰るっていう楽しみ方をするお客さんは少なくないんですけど、このフェスは頭から最後までほんとに盛り上がってたみたいですね。
渡邊:そうですね、最初は凄く不安だったんですけど、開催の3日前にソールドアウトして。でもふたを空けてみないとどのくらいのお客さんが来るかとか全くわからなかったし、ほんとに不安だったんですけど。ほんとに最初からたくさんのお客さんが観に来てくれて。もちろんそれは出演者の協力が凄くあって、みんなも同じ気持ちでこのイベントに取り組んでくれたからお客さんも最初から最後まで残ってくれたのかなと思います。
-次回も楽しみにしている方も多いんじゃないんですか?
渡邊:そうですね、今回が2012というタイトルだったので、2013もできれば良いなとは思います。
-そして今はツアー真っ最中ですが、初めて行く場所もあると思いますし、各地の反応はいかがですか?
渡邊:1stを出して、シングルを出して、2nd、3rdを出してその度に色んな土地を回らせていただいてますけど、待っていてくれているお客さんの反応なども日に日に大きくなっているのは実感できて、それはすごい嬉しいし、今回広島や北海道などバンドとして初めて行く土地があったんですけど、やっぱり初めて行くから反応などは不安だったりしたんですけど。すごく待っていてくれている感があって。今回は3rdのツアーでしたけど過去の曲をやってもお客さんが歌っている顔を見れたのは嬉しかったです。
-階段を登っている実感はできたんじゃないですか?
渡邊:ありがたいの一言ですね。
-何かツアー先でのおもしろいエピソードはありましたか?
渡邊:そうですね、初めて行ける土地っていうのは面白かったですね、北海道だったり広島だったり。ツアーってよく友達に言われるのは各土地の美味しいものとか食べるんでしょ?みたいに言われるんですけど、全然食べれなくて。入りしてリハして、CD屋さんとかに挨拶したりして、打ち上げして寝て、移動みたいにツアーを楽しむ暇は無かったりするんですけど。今回初めて行った広島や北海道では地元のものを食べれてそれは嬉しかったですね。
-体調管理は大変だったんじゃないですか?
渡邊:気をつけてはいるんですけど、僕は楽しくなってくると飲んじゃうんで(笑)。寝るようにはしてますね、移動とかある時は打ち上げも早々に切り上げて寝ますね。
-ツアーファイナルの渋谷クアトロでは先輩のバンドであるアルカラとのツーマンがありますね。
渡邊:クアトロは僕個人としては高校の時とかから知ってましたし、外タレとかが来日した時とかいってた箱だし、そういうところで自分達のツアー・ファイナルができるっていうのは嬉しいです。出演してくれるアルカラは出会いは2年くらい前になるんですけど、メンバー全員が一致してかっこいいなぁっていうバンドはほとんど無いんですけど、アルカラはみんな一致してかっこいいと思っていて。そんな尊敬しているバンドを迎えられたことも快く引き受けてくれたのは嬉しいし、すごく楽しみです。
【質疑応答】
<東京都 女性 20歳>
今はとても活躍されて人気も凄いと思いますが、ここまで来れた理由って何ですか?
渡邊:まず、人気は凄くないです(笑)。でもここまで来れた理由っていうのは周りの仲間がいるってことと応援してくれている人がいるってことが大きいですね。僕ら同じ高校にTOTALFATとかBIGMAMAっていうバンドがいて、僕らが休止している間に彼らがどんどん前に進んでいって。そういう姿を見て悔しいなっていう気持ちも勿論あったし、すごいなっていう気持ちもあったし、周りに刺激的な仲間がいてくれたからというのはすごくありますね。
<東京都 女性 19歳>
初めてみたライヴに感動してグドモのファンになりました、
ライヴで一番大切にしていることはなんですか?
渡邊:僕らのバンドのコンセプトっていうのが、開いていくっていうことと、届けていくっていうことで、なんでそうなったかというと、活動休止してグッドモーニングアメリカっていうバンド名で日本詞でやりはじめた時は、自分達でもすごい迷っていて。どうしても自分達の音楽が届かなくて、見てくれる人もそんないなかったし、なにが足りないんだろうって色々考えたときに開いていくっていう、まずはそういう状況を作るっていうことが一番大事だなって思ったんで。ライヴで一番大事にしている部分はそこになります。
たなしん登場―――――――
たなしん:ほんとすみませーーーーん!!
-じゃあ自己紹介を(笑)。
たなしん:どうもーグッドモーニングアメリカのたなしんです!
-では改めて。
<埼玉県 男性 28歳>
今一番対バンしたいバンドは?
渡邊:僕は今あえてあげるとするとNOTHING'S CAVED IN STONEですね、ヴォーカルの方は前のバンドで一緒にやったことはあるんですけど、ギターの方は前から好きで、色んな話をしてみたいなと思っております。
金廣:特に無いんですけど、中学のときに初めてバンドを組んだときに一緒にやっていたQUATTROとThe MIRRAZと3バンドでやってみたいですね。
ペギ:俺はB'zです!稲葉さんが地元の先輩なのでやってみたいなと思いますね、もちろん将来的にですが。
たなしん:えーなんだろ、逆にバンドやってますか?(お客さんに)やってる、対バンしたいバンドある?
お客さん:えーでも僕もFOO FIGHTERS好きなんで、できたらやってみたいですよね。
たなしん:俺はONE OK ROCK!今一番人気だし、一番お客さんいるバンドだなって、もしくはももクロちゃんとやってみたいですね、異種格闘技で。
<埼玉県 女性 19歳>
自主練習するときにモチベーションを上げるコツはありますか?
渡邊:個人的ですけど、僕はモチベーションが上がる、下がるっていうのは自主練習に対しては無くて。ライヴ前に自分達の曲を練習するのもそうですけど。レコーディングの前とかはギターを考えたり練習したり、モチベーションというよりもやらねばならないものっていう感覚ですね。
金廣:モチベーション――、モチベーションは上げないです、基本的には。上げなくても練習するし、上げなきゃできない日はしないし、しなきゃいけないっていう風になった時点で、たかが音楽なんでつまんないかなって思います。
-確かになにかでモチベーション保って、やらねばならないっていう強迫観念にかられながらやらなくてはいけなくなった時に、音楽って必要なのかなっていう気はしますよね。
金廣;そんなに頑張らなくて良いのかなって思います、でも、頑張らなくてはいけない状況だったら頑張ってください。
-必要であれば自分で求めていくと思いますしね。
ペギ:俺はけっこう練習やっているときは自分に厳しくやっているんですけど。そういった中で今日テンション上がらないなって時の話ですよね?そういったときは何も考えず酒も飲んで、自分の好きな音楽聴きながらガンガンドラム叩きますね。そうすると元々ドラムが好きなので、ただ単に音楽を楽しんでいると、明日から頑張ろうって気持ちになりますね。
たなしん:僕なんかはもう見てのとおり強迫観念に駆られて練習してるんですけど、やらなきゃって、周りを見るとすごいですからね!僕はもうレポートとか宿題とか絶対最終日にやるタイプです、ギリギリにならないと腰が上がらないタイプベーシストです!なかなか上手くならないとかって人は、もうライヴをせざるを得ない状況に追い込めばもしかしたら練習をするようになるかもしれないですね。もしかしたらそれは決して正しいことじゃないかもしれませんがね!
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