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LIVE REPORT

Japanese

BRADIO

Skream! マガジン 2019年01月号掲載

2018.11.22 @NHKホール

Writer 山口 智男

北は札幌から南は鹿児島まで、全国各地で全21公演を行ったメジャー1stフル・アルバム『YES』のリリース・ツアー。そのファイナルとなる東京公演では、NHKホールがいっぱいになった。3階席までFPP(Funky Party People=BRADIOのファン)で埋めつくされた光景は、まさに壮観のひと言。もちろん、単にNHKホールがいっぱいになったからすごいわけではない。BRADIOのライヴに足を運ぶたび、FPPの熱心さというか、BRADIOの音楽に対するFPPの愛情の深さに感心させられるが、この日も開演を待ちきれないFPPが手拍子とともに声を上げ踊り始めると、まだ客電がついているホール内に熱気が広がっていった。この日、真行寺貴秋(Vo)は、対バン・スタイルだった今回のツアーの前半でステージを共にしたバンドが口を揃えて"BRADIOのファンは温かい"と言っていたことを明らかにしたあと、"(ファンの存在は)かけがえのない財産です"と言ったが、ここにはBRADIOの音楽を心底愛しているファンしかいない。彼らがどんな想いで音楽を作り、どんなふうにファンを増やしてきたかが想像できるではないか。それがいつしかNHKホールをいっぱいにできるだけになっていた。

ラストスパートをかける前、大山聡一(Gt)が叫ぶ"whooo!!!"に観客が応えるお馴染みのコール&レスポンスがこの日も飛び出したが、思えばそれは4年前、彼らが渋谷TSUTAYA O-Crestで開催したワンマンの最中に大山がやったものが、その後恒例化。その"whooo!!!"がNHKホールに響きわたったことは感慨深い。

"全員、パーティーの向こう側へ連れていってやるぜ!"と真行寺が宣言した1曲目の「Funky Kitchen」から2時間20分、BRADIOは「LA PA PARADISE」を除く『YES』の収録曲を中心に新旧20曲を熱演。大山と酒井亮輔(Ba)が熱いインプロを繰り広げながらダンス・ナンバーを繋げていった序盤。ピアノ・バラードの「ギフト」をはじめ、テンポを落として、真行寺のソウルフルな歌声の魅力で酔わせた中盤、そして、"まだまだ踊らせてやるぜ!"(真行寺)と再びテンポ・アップした終盤――ホーン隊とコーラス隊を含む11人編成による演奏と、頭の上から降ってくるように聴こえる観客の大歓声が印象づけたのは、現在のBRADIOのスケールだ。前述したTSUTAYA O-Crest公演でメンバーたちが目標に掲げた日本武道館公演もいよいよ現実味を帯びてきた。

"アンコール!"の代わりに、この日演奏しなかった「LA PA PARADISE」の節で"BRADIOずっと愛してる♪"と歌いながらアンコールを求めるFPPに応え、バンドはモータウン調のリズムが軽快な「All I Need Is You」と「Back To The Funk」の2曲を披露した。縦ノリの曲で観客全員を飛び跳ねさせることもできたにもかかわらず、最後の最後を本格派のファンク・ナンバーで締めくくったところがなんとも痛快だった。そこに、"これまでとは違うライヴの盛り上がり方を作っていきたい"というバンドの挑戦とファンキーを掲げるBRADIOの矜持が感じられた。そして、バンドが奏でるパワフルなファンク・サウンドに、しっかりと横ノリのダンスで応えるFPPはやはり素晴らしかった。そこに改めてバンドとFPPが結んできた絆の強さを感じずにはいられなかった。

BRADIOの次なる目標は、その絆をさらに多くの人と結ぶことだ。ステージを降りる前に告げられた、47都道府県ツアーの開催発表からも、メンバーたちのそんな想いが伝わってきた。


[Setlist]
1. Funky Kitchen
2. スキャット・ビート
3. スパイシーマドンナ
4. Feel All Right
5. ハートビートを打ち鳴らせ
6. きっと遠く キミともっと遠く
7. Step In Time
8. Sexy Lover
9. ギフト
10. Sparkling Night
11. Playback
12. Shout To The Top
13. INAZUMAジャケット
14. 感情リテラシー
15. きらめきDancin'
16. Flyers
17. Boom! Boom! ヘブン
18. 人生はSHOWTIME
en1. All I Need Is You
en2. Back To The Funk

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