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LIVE REPORT

Japanese

BRADIO

Skream! マガジン 2018年01月号掲載

2017.11.12 @Zepp Tokyo

Writer 山口 智男

イントロを奏でた瞬間歓声が上がったファンキーな「Take Me Higher」から、ジャム・セッション風に繋げたメランコリックな4曲目の「シークレットコード」を演奏し終わったとき、深い感動を物語る"うおぉ~!!"という声が客席から沸き起こった。すかさず真行寺貴秋(Vo)が"ハッピーしているかい? ファンキーしているかい?"と声を掛けると、間髪いれずに"Yeah! Yeah!"と客席から声が上がった。そして、スタンディングの1階席と2階席を見渡した真行寺が満面の笑みを浮かべながら言った"見渡す限りミラーボールみたいにキラキラのスマイル。サンキュー、ソールド・アウト!"という言葉に対して、ソールド・アウトを心から祝福するように拍手と歓声が沸いた。

その光景を目の当たりにしたとき、筆者は彼らの人気の深さのようなものを感じずにいられなかった。結成から7年、一歩一歩前進を続けながら、BRADIOはとことん彼らの音楽に惚れ込んでしまうような熱心なファンを増やしながら、ここまで辿り着いたことがわかったのだ。この日、真行寺はファンに対する感謝を述べながら、"愛を育んでやってきた"と言った。その言葉を借りるなら、この日のライヴはバンドとファンが育んできた愛がひとつの形になったものだった。

10月11日にリリースしたメジャー第1弾シングル『LA PA PARADISE』を引っ提げて、東名阪のZeppを回ったワンマン・ツアー。そのファイナルとなる東京公演は"音楽の楽園へようこそ!"という真行寺の雄叫びとともに、オープニングに相応しいファンキー且つセクシーなアップテンポ・ナンバー、「スパイシーマドンナ」でスタートした。真行寺のダンスに合わせるように、早速スタンディングのフロアを埋め尽くした観客が一糸乱れぬステップで応えると、演奏は一気に熱を上げていった。

"連れていくぜ、パーティーへ!"という真行寺の宣言どおりそこからたっぷり2時間。サポートのキーボード奏者とホーン隊を従えたバンドはバラードも織り交ぜながら、お馴染みのパーティー・チューンの数々をエネルギッシュに披露して、会場を大いに盛り上げた。

そのなかで特に印象に残ったのが、曲間をたびたびジャム・セッション風に繋げ、ソロのリレーも交えながら、うねるようなグルーヴを作り出したバンドの演奏だった。歯切れの良いカッティングにエモーショナルなソロを巧みに織り交ぜる大山聡一(Gt)、グルーヴを支えながら暴れるところでは(フレーズが)暴れる酒井亮輔(Ba)、そしてタイトなプレイで演奏の屋台骨を担った田邊有希(Dr)。それぞれがぐんとスキルを上げたことは一目瞭然だ。圧巻だったのは、クライマックスに向けてラストスパートをかけるように畳み掛けた「Overnight Superstar」と「KAMISAMA」の2曲。そこで聴かせたタフな演奏からは、これまでにはなかった凄みのようなものが感じられた。現在のバンドの人気は、ライヴ・バンドとして、実力を伸ばしてきたことと無関係ではあるまい。ソウルフルなシャウトとセクシーなファルセットを使い分ける真行寺も、ヴォーカリストとしてその実力を存分に発揮していた。

"最高のソウル・アンセムです"と自負する「LA PA PARADISE」を歌う前に"出会ってくれてありがとう。もうお前らを離さないぜ"と誓った真行寺は、アンコールで"メジャー・レーベルと手を組んで、音楽に正直に最高のミュージックを発信していこうと思います。何かに迷ったらBRADIOのライヴに来てくれ。最高のパーティーに連れていってやるぜ!"とダメ押しで宣言した。そして、バンドがバンドとファンの未来を祝福するように希望に満ちたロック・ナンバー、「Tonight! Tonight! Tonight! -決戦は今夜-」を、最後の最後に演奏すると、それに応えるように会場中から無数の拳が上がったのだった。


[Setlist]
1. スパイシーマドンナ
2. オトナHIT PARADE
3. Take Me Higher
4. シークレットコード
5. All I Need Is You
6. Bring It On!
7. -Freedom-
8. 雨恋
9. Baddest
10. Back To The Funk
11. 真夏の悪魔
12. FUNKASISTA
13. Overnight Superstar
14. KAMISAMA
15. Flyers
16. LA PA PARADISE
en1. Thanks
en2. Tonight! Tonight! Tonight! -決戦は今夜-

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