ヒトリエの「グルメトーキョー」【第12回】

COLUMN

いかん、全然慣れん。
このコラムが掲載される頃には既に終わっていますが、僕は今ワンマンツアーの真っ最中。
広島のホテルの、傷つけてしまいたい程に白いベッドの上でこれを書いています。
ノートパソコンなんて持ってないのでスマートフォンで。
　
こッれッがッマジで慣れん！何故ならやったことがないから！
てめえ普段あんだけツイッターで垂れ流しの糞みてえに呟いといてどの口がほざくか、ア、ついに口とケツの穴が入れ替わっちまったか、いやこの場合指か、指とケツ穴が入れ替わんのか、アッアッこりゃいいやなどとお思いでしょうが、違うんですって。
普段立ち食い蕎麦食ってるその割り箸で今日は立ち食いステーキを食えって言われたような、なんかまあそんな。
あーキーボードがいい、キーボードがいいなあ。
いざ腰を据えて長文をシタタめようとした途端に使い慣れたはずのフリック入力なる概念がそり立つ壁となり悠然と立ちはだかり脳髄は空回り募り募るわだかまり肥ゆる三十路の腹回りやがて二人は巡り会い、とにかくワァーーーとなってしまい、アァーア、となってしまい、箸休め的にツイッター及びInstagramを開いたが最後、彼は二度と戻っては来なかった、を繰り返してるうちに妖刀・〆切の濡れた切っ先が私の鼻を切り落とさんと煌いていました。とっぴんぱらりのぷう。
ぷうじゃねえよ、というわけで皆さんいかがお過ごしでしょうか。
　
ワンマンツアー中、回転寿司を小巡りしました。
魚の美味い地方では、回転寿司でもかなり良い思いが出来るらしいというので、ほんまかいなって感じで最初に行ったのは新潟県「廻転寿司弁慶新潟ピア万代店」。
ど初っ端から度肝を抜かれたというか、寿司ってこうも違う？mp3とアナログレコードくらい違う解像度、なるほどこれが鮮度、僕は今生き物を食っています、て感じで。
生き物を食ったことで狩猟民族と化した僕はどうしても回転寿司をハシゴしたくなり、駅周辺を彷徨っていたら本屋帰りのリーダーと鉢合ったので「今から回転寿司をハシゴします」と伝えたら返ってきた「え？」のニュアンスが凄かったです。リーダーもこんな顔するんだなあ、と思いました。
　
新潟の寿司がヤバかったという僕の話にヤバい食いつきを見せたゆーまおを連れ、北海道は札幌「回転寿司ぱさーる」へ。
3人待ち状態の店側が下した「お外でお待ちください」という非道な指令の下、4月とはいえ万全に冷えた北海道の外気に10分くらいチルられ、入店。
一皿目を頬張った刹那、脳幹を穿つ完全勝利の二文字。
数分前に馬鹿美味ジンギスカンをしこたま腹に入れたから言うてもそんな食欲無いし、何なら無理して寿司行ってるし感を吹き飛ばす圧倒的海鮮。
即座に二人共感性が硬派になり、次お前は何を食う、あーそれな、お食いなさい、俺はこれをイくよ、グッドラック、等と小議論を交わしながら北海道の福音に浸り続けました。
店を出れば、我々の前を素通る生脚の女子達。
彼女らは特殊な訓練を受けてるんでしょうか。
　
回転寿司部と化した僕とゆーまお、福岡は「ひょうたんの回転寿司」にログイン。
この日も博多ラーメンを替え玉した後の寿司なので、人間の強欲さが窺い知れますね。
ここでは、アワビ一匹踊り食い寿司なるアバンギャルドな体験をしました。
軍艦の玉座に深々と腰を落とすアワビ、さながら右足をイワしたデイヴ・グロールの如し。
どんなもんよ、とザックリ一噛みした瞬間口中に広がる大海原、噛めば噛むほど波が音を立て、僕はこのまま溺れ死んでまうのではなかろうか、と小恐ろしくなる程に限界ギリギリの塩ッ辛さとアワビのゴリゴリな食感が爆音のエンドレスワルツを奏でておったそうな。つーかでけーよ。
　
といった感じで各地の回転寿司を小刻みに楽しんで行きたいモチベーションが凄まじいので、我々ヒトリエが地方に飛び立つ際にはオススメの回転寿司情報をお待ちしております。
√3ツアーで新潟、福島、宮城、群馬に行きますからねお願いしますよ、ホントに。
　
シノダ（Gt/Cho）