ハルカトミユキの「伝言ゲーム」【第40回】

COLUMN

ハルカトミユキの「伝言ゲーム」【第40回】

2020年02月号掲載

ハルカトミユキ

みなさま明けましておめでとうございます、と言いたいところですが、もう2020年も１ヶ月が経過しようとしています（※執筆時）。ハルカです。

私の2020年は、自由がテーマ。

自由というのはなかなか難しい。どんなに自由気ままに生きているように見える人でも必ず何らかの制約に縛られているし、いやむしろ、自由気ままに見える人ほど、実はより縛られているのかもしれない。

でも問題は、何に縛られているかだと思うのだ。

私は、会社勤めの人々に比べれば自由業と呼べる職業（自由業とはまたすごいネーミングですが）かもしれないが、これまで、「なんて不自由なんだ」と感じることも何度もあった。
一度何かに縛られると、人間はそこから抜け出せなくなって、縛られグセがつくのだと思う。制約がなくなっても、頭と体がこわばって縮こまって、自分で自分を縛るようになってしまう。

私は少しそういうところがあって、無意味に自分を縛っていると気づいた時はいつも、意識的にその制約から抜け出そうともがいている。

だから、2020年は本当の意味で自由になりたいのだ。
今自分が何に縛られているのかに敏感になりたい。それが必要なものなのか、いらないものなのかをちゃんと判断できるようになりたい。
私が縛られるべきは、「いい歌を書いて歌いたいと思う自分」だけなのだ、本当は。

柔軟に、軽快に、簡潔に
歌を生み出して思いのままに歌いたい、今年です。

さて、ハルカトミユキの2020年は、Triadとしてスタートしました。
Triadとは、その名の通り、3人組。ハルカトミユキと、もう1人。
これまで2人編成と、5人のバンド編成、ふたつの形でライブをしてきましたが、新しい年を迎え、また違う可能性を探りたく3人編成に挑戦し始めました。

人が少なくなるということは、私は、可能性が広がることだと思っています。
大人数でできることがある分、大人数ではできないこともある。
なんでもできるということは、なんにもできないことでもある。

ハルカトミユキTriadのドラマーには、avengers in sci-fiの長谷川正法さんをお迎えしました。3人の不自由さを楽しみながら、それを打開していくのが今一番面白い。

これからのライブと、新たに生まれる音源を、ぜひ楽しみにしていてください。

不自由は自由だ！

ハルカトミユキ

歌人ハルカ（Vo/Gt）と奇人ミユキ（Key/Cho）によるフォーク・ロック・ユニット。立教大学の音楽サークルで知り合ったふたりは"同じ匂いがする"と惹かれ合い結成し、2012年、H＋M Recordsよりインディーズ・デビュー。2013年にアルバム『シアノタイプ』でメジャー・デビューを果たす。2016年に2ndフル・アルバム『LOVELESS/ARTLESS』を発表。デビュー5周年を迎えた2017年には、3rdアルバム『溜息の断面図』のリリースに加え、5周年記念ツアーや日比谷野外大音楽堂でのワンマン・ライヴ、全国ツアーを実施した。2018年11月に、初のTVアニメOPテーマを表題に据えたシングル『17才』を、2019年5月には初のベスト・アルバムを発表。2020年2月15日に大阪LIVE SQUARE 2nd LINEでワンマン・ライヴ[Live 2020 "Triad"]を、2月21日に新代田FEVERにて自主企画イベントの開催を控えている。

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