Japanese
ハルカトミユキ
Skream! マガジン 2017年04月号掲載
2017.02.25 @赤坂BLITZ
Writer 金子 厚武
本編ラスト、デビューEPの1曲目を飾る「Vanilla」の前のMCで、ミユキ(Key/Cho)が"戦い続け、もがき続けた5年間でした"と言えば、ハルカ(Vo/Gt)も"決して順風満帆ではなかった。歌に苦しみ、歌に救われた5年間でした"と続ける。そう、実際にハルカトミユキの5年間の歩みは、決して華やかなだけではなかった。もともと大学の音楽サークルで出会ったふたりは、学生時代に抱えていた青いフラストレーションを楽曲の源としていたが、卒業後に大人になっていく自分に戸惑い、またプロのミュージシャンとして求められるものと自らの表現したいものの狭間で苦しんできた。それでもなんとか進み続けるため、日比谷野音でのフリー・ライヴという、当時の彼女たちにとっては無謀とも言えるハードルを設定し、12ヶ月連続の新曲配信や、47都道府県ツアーなど、"止まらないこと"を自らに課して、昨年のアルバム『LOVELESS/ARTLESS』、二度目の日比谷野音へとなんとか辿り着いたのである。
しかし、それでも彼女たちの表現において一貫していたのは、「ドライアイス」前のMCでハルカが語ったように、"希望の歌を歌い続ける"ということだった。もちろん、わかりやすくエールを贈るような曲ではない。"僕らの夜に出口はなかった"と歌う「ドライアイス」が象徴するように、むしろ痛みや苦しみを伴う描写が多く含まれているが、それは生きることと真剣に向き合うことこそが唯一の希望であるという、彼女たちならではの表現だ。世界の終わりについて歌った「その日がきたら」にしろ、"僕にはもう/忘れたいことがあるよ"と歌う「Pain」にしろ、紛れもなく"希望の歌"なのだ。
では、なぜ彼女たちは希望の歌にこだわり続けてきたのか。その理由は、サポート・メンバーが一度ステージから去り、ふたりだけで披露した「絶望ごっこ」に集約されていたように思う。デビューEPに収録されているこの曲は、彼女たちにとって初めてのレコーディングの日にちょうど東日本大震災が起こり、周りで飛び交う様々な意見や未来への不安でグチャグチャになりながら書いた曲だという。つまり、彼女たちの希望の歌の背景には、べったりと絶望が張りついている。しかし、それを認識することで起こる摩擦こそが、彼女たちを突き動かし、希望へと向かわせたのだろう。"誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ"と歌ったのは宇多田ヒカルだが、物事には見方によって常に相反する要素が存在するという視点は、ハルカトミユキの表現の根幹でもある。
「絶望ごっこ」の前に披露された新曲「終わりの始まり」について、ハルカは"限界まで追い詰められても気づかない私たちの歌"と言い、"もういいかい もういいよ まだだよ"と歌った。まさに、ハルカトミユキは希望と絶望の、終わりと始まりの、"もういいよ"と"まだだよ"の限界ギリギリを走り続け、だからこそ、魅力的な表現者であり続けるのだ。
彼女たちの存在理由を凝縮したようなライヴ前半に対し、後半はこの5年で培ってきたパフォーマンスの向上を存分に見せつけるものに。ハルカがハンドマイクで歌う「春の雨」と「夜明けの月」の2曲は、舞台に立つ機会も増えたハルカが役に入り込むかのように楽曲を瑞々しく表現し、個人的には、もはやギターを持って歌う姿よりも、しっくり来ているような印象すらある。また、ポエトリー・リーディングから始まった「夜明けの月」は、そのストレートな言葉がここから先の表現の変化を感じさせるという意味で、やはり重要な曲だ。中盤のダンス・ゾーンでは、「トーキョー・ユートピア」でミユキがショルダー・キーボードを持ち、ステージだけではなく、フロアに降りて会場中を駆け回る。オーディエンスへのアジテーションも含め、やはり彼女も5年前とは大違い。終盤はオルタナ感のある"らしい"曲を連発し、本編を「Vanilla」で締めくくった。
アンコールでは"傷つける側ではなく、傷つけられる側であることを誇れるように"と語り、演劇的とも言えるドラマチックな曲展開が印象的な新曲「嵐の舟」を披露。9月に三度目の日比谷野音のステージに立つこと、その前にアルバムを完成させることを宣言し、最後に"始まりの歌"である「世界」でライヴを終えた。ちなみに、今回の5周年ツアーの初日は、彼女たちの母校である立教大学のすぐ近くにあり、初ライヴの会場でもある池袋MANHOLEでのスペシャル・ライヴだったのだが、ツアー・ファイナル2日後の2月27日に、ビルのリニューアル工事に伴い2018年に閉店することが発表され、移転に向けて準備中であることも併せて発表されている。そう、やはり終わりと始まりは、希望と絶望はいつだって隣り合わせであり、だからこそ、僕らは今を生きるのだ。
[Setlist]
1. 光れ
2. DRAG & HUG
3. Hate you
4. ドライアイス
5. その日がきたら
6. Pain
7. 終わりの始まり(新曲)
8. 絶望ごっこ
9. 春の雨
10. 夜明けの月
11. 奇跡を祈ることはもうしない
12. Are you ready?
13. 見る前に踊れ
14. トーキョー・ユートピア
15. 伝言ゲーム
16. ニュートンの林檎
17. バッドエンドの続きを
18. Vanilla
en1. 嵐の舟(新曲)
en2. 世界
LIVE INFORMATION
"+5th Anniversary SPECIAL"
9月2日(土)日比谷野外大音楽堂
OPEN 17:15 / START 18:00
【チケット】
■メモリアルチケット限定指定席(特典付)¥3,500(税込)
※特典:ケース入オリジナルチケット/当日引換
※限定指定席は規定枚数に達し次第販売終了いたします。
■自由席 ¥3,000(税込)
※小学生以下入場無料。ただし、指定席でお席が必要な場合はチケットが必要となります。
■チケット一般発売:6月17日(土)
Info:DISK GARAGE 050-5533-0888
- 1
Warning: mysql_query() expects parameter 2 to be resource, null given in /home/gekirock2/www/skream/parts/ranking.php on line 122
Warning: mysql_query() expects parameter 2 to be resource, null given in /home/gekirock2/www/skream/parts/ranking.php on line 125
LIVE INFO
- 2025.05.06
-
ビレッジマンズストア
Lucky Kilimanjaro
斉藤和義
ヒトリエ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
超☆社会的サンダル
LACCO TOWER
"VIVA LA ROCK 2025"
- 2025.05.08
-
オレンジスパイニクラブ
BLUE ENCOUNT
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
DeNeel
Maki
緑黄色社会
SUPER BEAVER
柄須賀皇司(the paddles)
ORCALAND
ヤングスキニー
WANIMA
- 2025.05.09
-
THE BACK HORN
Creepy Nuts
a flood of circle
BLUE ENCOUNT
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
WtB
DeNeel
SUPER BEAVER
Rhythmic Toy World
MAN WITH A MISSION
ねぐせ。
オレンジスパイニクラブ
大森靖子
Organic Call
GLASGOW
CNBLUE
- 2025.05.10
-
The Biscats × Ol'CATS
never young beach
The Ravens
ネクライトーキー
ずっと真夜中でいいのに。
コレサワ
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
HY
sumika
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
Keishi Tanaka
ポップしなないで
Mr.ふぉるて
Rhythmic Toy World
Plastic Tree
ヤバイTシャツ屋さん
indigo la End
ヒトリエ
緑黄色社会
Bimi
"GAPPA ROCKS ISHIKWA"
GANG PARADE
SCOOBIE DO
斉藤和義
東京スカパラダイスオーケストラ
あいみょん
"METROCK2025"
FINLANDS
fox capture plan
CNBLUE
a flood of circle
No Buses
- 2025.05.11
-
The Biscats × Ol'CATS
ネクライトーキー
THE BACK HORN
ずっと真夜中でいいのに。
The Ravens
HY
sumika
indigo la End
ORCALAND
Keishi Tanaka
ヤングスキニー
BLUE ENCOUNT
山内総一郎×斎藤宏介
渡會将士
古舘佑太郎 × 田村晴信(171)
US
Plastic Tree
ヤバイTシャツ屋さん
VOI SQUARE CAT
NakamuraEmi
Bimi
ADAM at
SCOOBIE DO
斉藤和義
Creepy Nuts
flumpool
ヒトリエ
fox capture plan
四星球
私立恵比寿中学
忘れらんねえよ / 超☆社会的サンダル / Conton Candy / KALMA ほか
Ayumu Imazu
フラワーカンパニーズ
DIALOGUE+
BIGMAMA
People In The Box
Bray me
MARiA(GARNiDELiA)
WtB
あいみょん
"METROCK2025"
点染テンセイ少女。
清 竜人25
Mellow Youth
- 2025.05.12
-
US
- 2025.05.13
-
ヤングスキニー
WANIMA
ビレッジマンズストア
US
- 2025.05.14
-
yummy'g
VOI SQUARE CAT
大森靖子
WANIMA
緑黄色社会
Hello Hello
PEDRO
LiSA
清 竜人25
怒髪天
- 2025.05.15
-
a flood of circle
THE YELLOW MONKEY
SPARK!!SOUND!!SHOW!! / the dadadadys
女王蜂
No Buses
星野源
WANIMA
山内総一郎×斎藤宏介
CENT
オレンジスパイニクラブ
Homecomings × Cody・Lee(李)
mol-74
トゲナシトゲアリ × She is Legend
LiSA
- 2025.05.16
-
Hump Back
ORCALAND
ヒトリエ
Mr.ふぉるて
Creepy Nuts
fox capture plan
a flood of circle
ReN
四星球
ayutthaya
No Buses
The Ravens
People In The Box
flumpool
ヤングスキニー
星野源
[Alexandros]
VOI SQUARE CAT
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
INF
never young beach
- 2025.05.17
-
フラワーカンパニーズ ※振替公演
THE BAWDIES
"CIRCLE '25"
女王蜂
sumika
渡會将士
アーバンギャルド
ネクライトーキー
ExWHYZ
斉藤和義
Bimi
Creepy Nuts
四星球
いきものがかり / Omoinotake / Saucy Dog / アイナ・ジ・エンド ほか
DIALOGUE+
GLIM SPANKY / 水曜日のカンパネラ / 岡崎体育 / Laura day romance ほか
コレサワ
flumpool
Official髭男dism
THE BACK HORN
People In The Box
GANG PARADE
WtB
BRADIO
"ACO CHiLL CAMP 2025"
indigo la End
[Alexandros]
ポップしなないで
小林私 / 色々な十字架 / 叶芽フウカ(O.A.)
INORAN
ずっと真夜中でいいのに。
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
インナージャーニー / 地元学生バンド ほか
- 2025.05.18
-
渡會将士
androp
"CIRCLE '25"
アーバンギャルド
sumika
ねぐせ。
ヒトリエ
THE BAWDIES
斉藤和義
ReN
a flood of circle
ASP
OKAMOTO'S / Lucky Kilimanjaro / サニーデイ・サービス ほか
ポップしなないで
WANIMA
"COMING KOBE25"
Official髭男dism
DIALOGUE+
The Ravens
Mr.ふぉるて
おいしくるメロンパン
ExWHYZ
コレサワ
BRADIO
"ACO CHiLL CAMP 2025"
私立恵比寿中学
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
SPECIAL OTHERS
INORAN
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
ずっと真夜中でいいのに。
- 2025.05.19
-
点染テンセイ少女。
- 2025.05.20
-
斉藤和義
オレンジスパイニクラブ
indigo la End
yummy'g
RELEASE INFO
- 2025.05.07
- 2025.05.09
- 2025.05.10
- 2025.05.14
- 2025.05.16
- 2025.05.21
- 2025.05.23
- 2025.05.28
- 2025.05.30
- 2025.06.01
- 2025.06.04
- 2025.06.11
- 2025.06.13
- 2025.06.18
- 2025.06.25
- 2025.06.28
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Bimi
Skream! 2025年04月号