ハルカトミユキの「伝言ゲーム」【第48回】

COLUMN

極寒の真冬でも酷暑の真夏でもなく、梅雨が一番嫌いな季節だと気が付いた2021年。
生まれてから大人になるまで、どうしてそのことに気がつかなかったのか不思議なくらいだ。

まず、湿気で髪の毛がはちゃめちゃになる。出かける前に、鏡の前でいくら念入りにヘアアイロンをかけ、完璧にセットしようとも、外に出ればあっという間にありのままのうねりが復活してくる。
それだけで済むなら、まだ容赦してやろうとも思えるのだが、手強いのは低気圧だ。ほんとに、低気圧ってなんなのよ。頭は痛い、体は重い、心はだるい、ここまで書いてしばらく思考停止するくらいに、脳みそが働かない。
朝カーテンを開けても全く日差しは入らないし、空はどこまでものっぺりとした雲に覆われていて、目に映るもの全てが灰色に沈んで見える。

そして、そんな強敵"低気圧"を抑え、梅雨時の嫌なことランキング堂々のワースト一位に輝くのは、家事だ。

とにかくフローリングがベタベタする。せっかくお風呂に入ってもベタベタ、クイックルワイパーをかけてもまたすぐにベタベタ、スリッパを履いてもスリッパの裏がベタベタ......。最悪だ。
夜はまだ寒い時があるので、厚めの掛け布団を使っているが、それもなんだかじっとりとしてきて頻繁に天日干ししなければならない。（のに外は雨！）
冬の間、常温で放置していても問題なかった食品も怪しくなってくる。パンなんてすぐカビが生えてしまいそうでヒヤヒヤするし、多めに作ったカレーを鍋のままで一晩置いておくことすらできない。あれが美味しいというのに。

そう、ただでさえめんどくさい家事に何倍ものめんどくささを加えにかかってくる、それが梅雨。

今年の梅雨がこんなにも憂鬱に感じられるのは、恐らく、もう1年半近くもの間、世界中がまるで梅雨空の下にいるような状態だからじゃないだろうか。心の中がずーっとどんより曇っていて、なかなか晴れ間が見えない。

そんな中で、私たちなりにいろんなことを考えてきた結果、私たちがやるべきことはその梅雨空を少しでも晴らすことなんじゃないかと、シンプルな結論にたどり着いた数カ月でもあった。約10ヶ月ぶりの有観客ライブも決まり、あともう少しで、さらにいいお知らせができそうです。

私たちなりの明日の予報を、どうかもう少し待っていてください！

ハルカ

ハルカトミユキ

歌人ハルカ（Vo/Gt）と奇人ミユキ（Key/Cho）によるフォーク・ロック・ユニット。立教大学の音楽サークルで知り合ったふたりは"同じ匂いがする"と惹かれ合い結成し、2012年にインディーズ・デビュー。2013年にメジャー・デビューを果たす。デビュー5周年を迎えた2017年には、3rdアルバム『溜息の断面図』のリリースに加え、5周年記念ツアーや日比谷野外大音楽堂でのワンマン・ライヴ、全国ツアーを実施。2018年に、初のTVアニメOPテーマを表題に据えたシングル『17才』を、2019年には初のベスト・アルバムを発表。そして、ふたり編成では過去最大のキャパとなる日本橋三井ホールでのライヴも開催した。2020年6月には4th EP『最愛の不要品』を配信リリースした。

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