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INTERVIEW

Japanese

cinema staff

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Member:辻 友貴 (Gt) 飯田 瑞規 (Vo/Gt) 三島 想平 (Ba) 久野 洋平 (Dr)

Interviewer:沖 さやこ


-進撃の巨人チームからの注文はありましたか?

三島:覚悟はしてたんです。今回は進撃の曲だから何を言われてもやります、くらいに思っていたんですけど……実際お話をしてみると、割とこちらに任せてくれて(笑)。この曲には、自分なりの解釈とメッセージを込めて作りました。

-歌詞には進撃の巨人を彷彿させるワードがたくさんありますが、ここで描かれているのは進撃の巨人の世界でしょうか、それともcinema staffの世界でしょうか。

三島:基本的には進撃の世界ですね。モチーフにしたのは主人公のエレン・イェーガーの生き様。いかにして壁の外へ出て行くか、そういうロマンみたいなものを考えて書いていきました。でも“escape”という言葉は、逃げるというより“脱出”。脱出して外の世界へ向いていくぞ、そこからがスタートだぞ、という意味はありますね。

-『SALVAGE YOU』や『望郷』で提示されていた“救出する”というテーマと通ずるものがありますね。

三島:通ずるものはあると思いますね。(今年の2月にリリースされたシングル)「西南西の虹」も具体的に“楽園に行こうぜ”と言っているわけではないですけど、「great escape」でも“地図にない場所へ”というフレーズがあって。困難などがあっても、進んでいかないと、意志を放っていかないと、何も言っていないのと同じだし。言及するという最低限のフィールドに立つために頑張ろうぜ、という気持ちは込めたつもりです。自分たちなりに進撃の巨人のイメージでは作るんですけど、やっぱり自分たちに出来ることしか出来ないというか。だから自然に自分たちの色になりました。

-「great escape」はcinema staffらしく、とても攻めたハードな曲になっているけれど、これまでの中ではダントツとも言える輝かしいA面感があると思います。

三島:……A面感は意識して作りました(笑)。今までとは音質が決定的に違う。亀田誠治さんがプロデューサーとして入って、音の嗜好が変わったところもあります。cinema staffを初めて聴く人がいるということも意識したんで、ド頭のギターも一聴して派手。サビの抜け感とか、ドラミングも、ポイントポイントでキャッチーで、主役となるものが出来るように作りました。誰が聴いても分かり易い。けど自分たちの魅力が出てる。全体のアンサンブルで聴かせるというよりは、ヒーローがいっぱいいるような、聴きどころが分かり易い構成にしたいなと思って。

-ヒーローがたくさんいる、という音に仲間同士で団結している感じが出ていると思います。

三島:ありがとうございます。みんな並んで全力で走っている感じというか。進撃の巨人だったら立体機動、みんなでガッと巨人に向かっている感じが出せればいいなと思いました。

-「great escape」はギターが際立ったアレンジになっているので、そこもA面感に繋がっているような気がします。いろんな音の仕掛けがたくさんあって、聴いていて楽しいです。

飯田:ギターは今回、バッキングじゃないところが多いんで、ライヴで演奏する場合これを歌いながらやるのは相当……自分の中では1番難しいんですけど。同じAメロが繰り返されるけれど1番と2番では違う音が鳴っていて、そこにちゃんと歌が乗っていて。聴くところがたくさん楽しめるのはミソかもしれない。

三島:あと今回はコーラスが多いんですよね。A面っぽくしたかったんで(笑)。

-ああ、確かにコーラスがあるとA面感が出ますね。今回は亀田さんがプロデューサーとして参加してらっしゃいますが、このアレンジはどのように詰めていったんですか?

三島:基本的にはいつも通りですね。でもやっぱりアニメのエンディングになるから、絵がつくことを意識しました。そういう提案がアニメ好きの久野くんからいろいろ出てきて。

久野:アウトロの“ダッ、ダッ、ダッ”てところは同じように絵が切り替わる感じを意識したり。アレンジの候補が2つあるときは、絵がついたらかっこいいだろうなというほうを採用したりしましたね。だからそういうものを選ぶ基準も、cinema staffとちょっと外のところにある感じで面白かったです。