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INTERVIEW

Japanese

VIRGO × 岡峰光舟(THE BACK HORN)

2020年03月号掲載

VIRGO × 岡峰光舟(THE BACK HORN)

THE BACK HORN:岡峰 光舟(Ba)
VIRGOwearworks:YU(ディレクター)
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上坂和也
撮影場所:Flowers Loft

-VIRGO×THE BACK HORNのコラボレーションでは何度も、本格的なジャケットを作っていますよね。

岡峰:最初はツアーのTシャツから始まって、その後もっとちゃんとしたものをコラボでやってみようということで、一緒にスタジャンを作ったんです。それも自分の好きなVIRGOのスタジャンの型があって。それをアップデートする形で、丈の長さはこういう感じで、こういう刺繍を入れてほしいとかいろいろ言ってできたのが、第1弾のコラボかな。あれは、3万円は超えてましたよね。

YU:こっちは、それ大丈夫なの? っていう不安しかなかったんですよね。逆に言えば、マーチャンの中でそういう値段でやるっていうのは、難しいのもあったし。

岡峰:こっちも全然わからなかったですしね。どれくらい数を作ればいいのかもわからなかったし。

YU:とは言いつつ、お客さんも求めていてくれていたところもあったのか?

岡峰:完売しましたからね。

THE BACK HORN×VIRGOwearworksコラボ限定レザースタジャン

-単に一緒に作るというのではなく、かなり細かなこだわりを入れているんですね。

YU:いろんな意味で物販のレベルではなかったかもですね。コラボの第2弾で袖レザーMA-1を作ったときは、革屋さんに一緒に行って、何百種類もある革から光舟がピックアップして決めるとか。

岡峰:逆にそうやって"革、見に行こうよ"って連れて行ってくれる感じも嬉しかったんですよ。コラボ感も強くなるし、革の工場に行く機会なんて普通はないじゃないですか。

YU:光舟はいい意味で結構こだわるから。

岡峰:MA-1だったらオールレザーじゃないから、柔らかいナイロンの身頃に対して袖の革部分が硬すぎるのは嫌だなとか、でもある程度の革の質感はちゃんと欲しいなっていう。もうこれでいいじゃんって言ってくれているんですけど、ずっとガタガタ、ガタガタ言ってましたね(笑)。

YU:丈とかも細かくね。

岡峰:それだとちょっと単価が上がっちゃうよっていうラインとかも、攻めながら。

-それも、かっこいいものを作りたいというのが一番にあるから。

岡峰:そういうところも、聞いてくれるし。聞いてくれつつ、ここまではできるというラインを示してくれるんですよね。

-ものづくりの楽しさがありますね。

YU:でも普段から曲作りをしているから、ものづくりをすることは絶対に得意だと思う。

岡峰:サンプルが上がってきたときは、嬉しかったですね。これは早く実物が見たいなっていう。YUさんはいつもそうか。

YU:うん、一番高揚するときかな。がっかりするときもあるけどね。おい、全然違うぞって。イチからものを作るって難しいところはあるよね。

岡峰:まったく違うとなったら、それはチャラにするんですか。

YU:もちろんそうするときもあるし、時間が許されるなら直すとかね。

-そこはこだわらないといけない部分でもありますね。

YU:こだわるというか、めちゃくちゃカッコ悪いじゃないですか(笑)。これ、誰が着るんですかってなりますからね。色にしてもそうだし、パンツなんかは特に、友達のミュージシャンが履くことが多いと、ここは危ないかなとかも気にするようになるんですよ。

岡峰:何かの動きで引っかかるとか、そういうこと?

YU:ライヴで客席に突っ込んでいっちゃうような人もいるので。

岡峰:お客さんに引っかかったら危ないとか、そんな想定までするんですか(笑)?

YU:するよ。ファスナーとかをつけたいけど、もしそれが引っかかってうちのパンツでケガをしちゃったら危ないから、違う仕様にしようとかはすごく気にしますね。まぁ僕が考えすぎだけって話もありますが(笑)。でも、そうやって着てくれる友達とか、光舟も意見をくれたりするので、そういう意見は露骨に反映して作りますよ。着てくれている人の声が、やっぱり一番リアルなんですよね。あとは、VIRGOのアイテムは全部に名前を付けるんですけど、うちのものを着てくれている仲間をイメージした名前とか、それこそ、これは光舟っぽいなっていうものには、それっぽい名前を付けたりしたこともあります。

岡峰:ある。"ライトシップ"ありますね。

YU:光る舟で、ライトシップってそのまんまなんすけどね(笑)。あとは、意見を貰って改良して作ったけど、それを本人がまったくリアクションを示さないとかもあったりして(失笑)。

岡峰:気に入るだろうなと思ってたのに、っていう。

YU:あるあるですな。

キャップ: SHEEP BOA CAP ¥6,800
ジャケット: SPECIAL VELVET JERSEY ¥25,800 (近日発売)
カットソー: PERFECTION NEO US (NORMAL) ¥6,000 (近日発売)
パンツ: NOSTALGIC CHECK PANTS ¥15,800
スニーカー: VIRTALY QUILT SLIP-ON ¥13,500

-岡峰さんは、VIRGOのアイテムで特に気に入っていてずっと愛用してるものってありますか。

岡峰:ダメージ・パンツは好きで、それは毎年展示会でもオーダーしてますね。ちょっと細身のものなんですけど。

YU:毎年似たようなダメージ・パンツがあるのは、この人のせいだっていうことを太字で書いておいてください。

岡峰:そうなの? 今回のは一番ライヴで履きやすいんですけどね。

YU:じゃあ良かった。

-プライベートでもVIRGOを着ているんですよね。ステージと普段とで何か変えていることはありますか。

岡峰:まったく一緒ですね。その感じがVIRGOのいいところで。そのままステージにも出れるし、普段でも着れるっていう。ラフさもかっこつけるところも両立できているので。でもそう考えると、昔とは変わりましたよね。昔は、ラフさはあまりなかったというか。

YU:そうだね。今はノンストレッチのパンツはほぼなくなって、9割は伸びますから。でもそういうところがより、音楽にしても踊る人にしても、ステージに立つ人でも着れる服、イコール音を感じるブランドというのに、リンクしていっているのかもしれないですね。

-実際に着ている人からのフィードバックが、どんどん反映されていって今の形になっているんですね。

岡峰:YUさんは自分でもバンドをしてるじゃないですか。CHRONOMETERでの音楽活動が服に返ってくるとか、服をやってることで音楽のこういうところにまた気づくとか。相互作用みたいなものはあるんですか。

YU:どうなんだろうな。自分では一応、自分の音楽活動と、洋服の活動は分けているつもりで。そこはあまり一緒にしたくないっていうのは思っていて。

岡峰:一緒にしても良さそうなところだけど。

YU:そう言われ続けて結構経つんですけど。でも、前回の音源くらいからはその自分の中のズレをくっつけようとしている感じはあるのかな。

岡峰:実際に自分の服を着てライヴをするわけじゃないですか。あれ、ここはもっとこうしたほうがいいなっていうこともあるんですか。

YU:このパターンだと動きにくいなとか、次はこれをベースにして着丈を長くしよう。とかはあるかな。

岡峰:そうやって作ったものは一個一個思い入れがあって、全部愛着があるわけですよね。家は服でいっぱいじゃないですか。

YU:そうだね。とは言え、自分で作った新しいものも着ないと説得力がないし。展示会では自分たちも各自オーダーするんだけど、そのたびにまた増えちゃうなとか思いながら。たまった服は友人や全然服に興味ない親戚にあげたりしてます。

岡峰:そういうとき、俺にください。

-好みもわかりますしね。

YU:ところで、今は山田(将司/Vo)の喉の治療があってツアーを休んでいるけど。これだけライヴを休んだことって、THE BACK HORNとしてはないよね。今、何してるの?

岡峰:何かやったことないことをやろうかなって思ったりして、船の免許を取りに行ったりしてますね。

YU:あぁ、そんな話してたね。で、クルーザー買ったりして?

岡峰:それはVIRGOで買ってくださいよ(笑)。あとは、これまでバンド以外でベースの仕事をもらうことはあまりやっていなかったので、そういうのもこの期間だからできるなと思ってちょこちょことやってたりしますね。あまり時間をダラダラと過ごしたくないタイプなんで。この性格は良し悪しですけどね、せっかくなんだからダラダラすればいいのにっていうのもあるんでしょうけど。できなくて。

THUNDER PANTHER SOUVENIR JKT ¥31,800