Japanese
浪漫派マシュマロ / パーカーズ / 美日(O.A.)
Skream! マガジン 2025年11月号掲載
2025.09.10 @Spotify O-Crest
Writer : 石角 友香 Photographer:堺 柊人
下北沢LIVEHOLIC 10周年企画として、同ライヴハウスから羽ばたいていった盟友、浪漫派マシュマロとパーカーズが"君と紡ぐ物語SP"と題したオムニバス・ライヴに出演。大阪から美日(メイデイ)も迎えた3バンドで、今最も活きのいいライヴ・バンドのリアルな姿を見せてくれた。
オープニング・アクトは、LIVEHOLICが選出する"PICK UP! ROOKIES"のVol.118に名前を連ねた大阪の4人組バンド 美日。90年代から続く日本のギター・バンドの王道を行くように伸びやかなメロディとビートを持つ「裸足の天使」をオープナーに、全力の演奏で目の前のオーディエンスに存在をアピールした。MCでは関西人らしい素で笑わせるキャラも見せつつ、人と比べることで息苦しくなっている人を誠心誠意フック・アップする「君燦燦」をダイレクトに歌が伝わるパフォーマンスで届け、たった3曲の限られたステージにもかかわらず、バンドが掲げる"あなたの明日を美しい日に。"というテーマを熱く貫徹した。

続いては"POPS日本代表"を掲げるパーカーズ。"優しいことはカッコいい"というマインドが音楽から伝わる彼等は、目下10月1日リリースの3rdミニ・アルバム『HUG』のリリースを控えるなか、対バンや秋のサーキット・イベントに邁進中。この日はLIVEHOLICでの対バン等を通じてそれぞれの個性を伸ばしてきた浪漫派マシュマロとの共演とあって、演奏の熱量もエピソード・トークも大いに盛り上がった。タイトルをシンガロングしたくなる1曲目に相応しい「君が好き」では、華のあるギターのツートップ、ナオキとねたろがお立ち台に上がるシンプルな演出が効果絶大。ポップなロックンロールと見せ方の相性が抜群にいいのだ。ごきげんなR&Rは新曲「トマトジュース」で加速。ナオキのマシンガンギターも冴え、「怪獣万歳!」ではハンドマイクにスイッチした豊田賢一郎(Vo/Gt)が熱くなるフロアにワイパーを促すと、全員参加の大きな波が現れた。MCではイベントを祝う言葉に続き、初めてパーカーズを観る人に"ノリ方分かりませんよね? でも俺たち楽しみたいので煽ります!"と宣言。言葉通り、続く「ハッピーをちょうだい」では手をなるべく高く挙げるように声を掛け、これまたほぼ全員参加のクラップが乾いたいい音を鳴らす。初めて彼等を観る人も自然と輪に入れる、すごくナチュラルな流れが楽しい。フロント3人のユニゾンするヴォーカル等のアレンジで見せ場も盛りだくさん。すっかりフロアが温まったところに、新曲で3rdミニ・アルバムのタイトルに通じる「Hug me!!」を披露してくれる。同期のピアノ・リフやビートがモータウン・ソウル調で、パーカーズの新しいフックになりそうな曲だ。
フカツ(Dr)のMCで語られた浪漫派マシュマロとのエピソードは、打ち上げ隊長(!?)らしく飲みエピソードが多めだが、3人共優しいことは十二分に理解できた。後半は観客とじゃんけんを展開する「あいこでしょ」、ギター2本のアメリカン・ロックっぽいハーモニーが気持ちいい「運命の人」と、熱量高く、しかもポップにパーカーズのR&Rビートにオーディエンスを乗せていく。ライヴだと、よりシンプルに"いいR&Rバンドだな"と思わせるグルーヴを感じさせるのだ。さらに、アッパーな楽曲一辺倒にならず、豊田のアカペラで始まり大きなうねりのあるナンバー「雨の音」も盛り込んでくれた。
浪漫派マシュマロとのツーマンは大阪で行われたことがあり、東京での開催を切望したオーディエンスがいたことも今回の実現に繋がったと豊田は語る。"浪漫派マシュマロがすげえカッコいいロック・バンドになっていくのを見て、自分たちは自分の道を行こうと思った"とも。いいライバルが自分らしさに気付かせてくれる、それはバンドに限らない事実だろう。"ねぇねぇねぇねぇ神様"のシンガロングが神頼みのラヴ・ソングを温かく盛り上げる「おねがい神様」、そして究極の打ち上げ&お疲れ様フード・ソング「中華で満腹」が中華メニューから"LIVEHOLIC"までコール&レスポンスの嵐を巻き起こし、ファンも初めましての人も大きな笑顔にさせたのだった。
美日、パーカーズからのバトンを受け取った浪漫派マシュマロは登場からフロアの全員を掴みにいく勢い。北海道釧路市出身の椎崎楓馬(Dr)と万結(Vo/Gt)が上京後活動の拠点とした下北沢の中でも、最もブッキング・ライヴに出演してきたのがLIVEHOLICなのだ。もちろん雨月毎夜(Ba)加入後も出演を重ねてきた。
彼等のライヴは、シャッフルの軽快なビートに女心の妄想がキャッチーに乗る「ナイトルーティン」でスタート。これは若い女性の心を掴むわけだ。すかさず椎崎の四つ打ちのキックが鳴り、男性視点の夜がシチュエーションの「一目惚れ」をドロップ。万結はフックのあるリフを弾きながら、ブルージーなヴァースからハイトーンのシャウトまでレンジの広い歌唱で惹きつける。
歌始まりでのっけから切なさが爆発する、この季節にぴったりな「夏夜」では雨月のメロディアスなベースも映える。ドラム・ビートでシームレスに繋ぎ、彼等のレパートリーの中でも一際ソリッドな「ラグーナ・ヴィーナス」へ。一貫してダークながら、ポストパンクもラウドも飲み込み、さらにトラップ調のセクションすらある構成力に舌を巻く一曲だが、こうしたソリッドな曲での万結の声のハマりの良さはライヴへの没入感をさらに高める。一転して、歌い出しからトップ・ノートで惹きつける「もしも私とあなたが」で王道のバラードへ突入するギャップもジェットコースター級の体感で、シンプルな3ピースながら1曲ごとに変わるヴィヴィッドな物語と演奏の緩急は、単に盛り上がる以上の何かを残していく。曲が終わると一瞬間があく程、オーディエンスが演奏に集中していた。
中盤のMCでは、椎崎がLIVEHOLICでは誰よりも楽しみ、迷惑も掛け、バンドとして大事なことを学んできたと話す。彼自身の好きなバンドたちにホームグラウンドがあるように、自分にとってのホームグラウンドに謝辞を述べ、その気持ちを込めて"新曲持ってきました! まだ見知らぬ未来の代表曲"と、大きなノリの8ビート・ナンバーを披露してくれた。"ちゃんとあなたのことを嫌いになれた"という歌詞の全貌は不明だが、彼等の作品性の1つのキモになる世界観だろう。続けて世代感を歌う「2001」、初期から人気の王道ロック・ナンバー「とばりの大三角形」と、フロアの手も自然にどんどん挙がる。
曲ごとの求心力の高さでフロアの集中力が極まったところで、万結は積み重ねてきた日々が今こういう景色を見せてくれていると言い、"もっと大きな場所へ羽ばたいていく物語を「君と紡ぐ物語」だと思ってます"と、今回のライヴ・タイトルの意味をこれ以上ないリアリティで話した。ドラマチックに進んできた本編終盤は、親近感の湧くポップ・ナンバー「らしい。」、タイトル通りの素直な歌詞に誰もが笑顔になる「君に夢中!!」を届ける。様々なタイプの曲で恋の一番嘘のない部分を表現しつつ、最後にポップで切実なレパートリーでフロアを1つにする懐の深さを感じた。
アンコールではタガを外して暴走気味にこの日を祝した3人。12月からは2度目のワンマン・ツアー("寝ても覚めても、そばにいてくれてありがとうツアー")が決定しており、東京では過去最大キャパシティの渋谷CLUB QUATTROに挑む。
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