Japanese
cinema staff
2025年05月号掲載
Member:飯田 瑞規(Vo/Gt) 辻 友貴(Gt) 三島 想平(Ba) 久野 洋平(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
今のcinema staffは、こうなりたいと思い描いた形ではない、でもこうなるべきだったと思う
-それもまた、こうして振り返ればいい記憶ですかね。
三島:そうですね。今の事務所としてもそのときは初めての野音という感じだったし、活動の上では過渡期ではあったんですけど、チームのみんなで野音に来たという感じがあった思い出ですね。
-ファンにとっても、最初の野音ってすごく思い入れが強いものですしね。
飯田:たしかあのとき、岐阜からもお客さんが来れるようにってツアー・バスを出してたんですよ。まさに"万感"な感じがありました。しかもそのバス・ツアーの車内アナウンスとかもメンバーで収録して流したり、今考えるとめっちゃファンクラブみたいなことやってたんだなと(笑)。珍しいよね、cinema staffがそういうのをやるっていうのも。
三島:あとは、前の年までずっとツアーを回っていたPAさんがその年に亡くなってしまったんですよね。最後に、みんなで遺影を持って写真を撮ったんですけど、めちゃくちゃいいライヴになったなという思いがありますね。
-さらに2回目はまだコロナ禍の2022年で、それもまたあのときでしかないライヴになりますしね。
久野:後々振り返ってみるとそうですね。
三島:まだマスク着用で、声出しもマスクありならOKくらいの感じだったのかな。夜明け前みたいなね、そういうMCをした記憶はあります。それはそれでヒリヒリした思いはありましたしね。
-コロナ禍のような経験はもうしたくないのはもちろんですが、活動のやり方であったり物事についてじっくりと考えるきっかけにもなりました。cinema staffとしてはどういう思いがありましたか。
飯田:めちゃくちゃ重要でしたよね。あの時間がなかったらずっとバンドを続けてるかどうか分からないくらい。
三島:たぶんやってないと思います、cinema staffは。今考えると、もう終わってたんじゃないかなって思う。
飯田:大変だった人もいるし亡くなった人もいるから良かったなんて言えないけど、でもあのとき立ち止まって考えて──それまで高校時代からバンドしかしてなかったし、就職してるわけでもないなかで、一回活動の足を止めたことは良かったなと思う。
-そうでないと、あのまま突っ走って終わっていたかもしれない。
三島:可能性はありますね。
飯田:それぞれ意見はあると思うんですけど、CDを出す、たくさんリリースをする必要がないと思った理由もそこにあると考えていて。その時期に出していたCDって、すごく消費されてる感じがしていて、もったいないというか、友達のバンドもCDを出していましたけど、聴く態勢が整えられてない状態でパッと出してる感じがして。もちろんその時期に出してくれたから力を貰った人もいるだろうけど、もっともっと聴かれていいものなのに、すごく消費されている感があったんですよね。そういうなかで、返ってこないのにどんどん打ち続けてたら、絶対体力を消耗して終わっていただろうなって。
-たしかにリリース・ペースは、コロナ禍以降はよりバンドそれぞれのやり方になってきていると感じますね。
飯田:年齢的なものもありますしね。これが20代だったらひた走らないと、っていうところですけど。
-cinema staffとしては、どんどん作品をリリースするというよりも、一作一作により力を注いで出していこうと。
三島:という感じで作ってるつもりではいるんですけどね。ペースが落ちた分、考えながら作ってるので。僕は正直そのほうがいいですね。走ってなきゃダメだって思い込んでいたんだなと思いましたし......まぁ、20代はそういうものなんでしょうけど。だから、ちょうど良かったんじゃないかと考えてます。立ち止まらなきゃ、たぶん思いとスキルが追い付かないままだったと思うし、その乖離にはずっと悩んでいた感じもあったので。こういうのを作りたいんだけど、どう伝えたらいいのかというのが理屈で分かっていなかったり、DTMで伝えられたなかったので、みんなフラストレーションが溜まっちゃっていたんですけど、今はそこがデモ段階で完璧に伝えられてると思います。それは勉強できた期間があったおかげだし、作家としてやっていた時間の積み重ねのおかげでもありますし。突っ走ったままだったら、もっと衝突してたかもしれないですね。
-立ち止まることで、バンドとしてもいい状態で続けられたと。
久野:結果論ですけどね(笑)。
三島:そうそう(笑)。
久野:あのまま行ったら違う展開があったのかもしれないですけど、止まらざるを得なかったので。止まったことは結果的にプラスには変えられたかなと。
-コロナ禍で立ち止まった時期も糧にしてきたり、あるいは主催フェスも地道に回を重ねてアップデートしながら手応えのあるものにできたりと、バンドとしての自信や信頼感を得ているのではと思います。そういう活動のなかで、新たなファンが増えている実感や、若いファンを掴んでいる感触等はありますか。
三島:お客さんは結構若返ってるかもしれないですね。新陳代謝という言い方はあれですけど、そういうのはあると思います。
飯田:男性のお客さんが多いっていうのは、最近友達のバンドとかにも言われます。
三島:昔から来てくださってる人ももちろん多いですけど、今は結構男子も増えてきたり、大学生くらいの子も多いなっていう。バンドマン然とした子は多い印象で。それは嬉しいことの1つですよね。
-新たにライヴに来てくれる方は、どういうところを入口に来てくれている感じですか。
久野:なんでしょうね、常に新しい人の耳に入るようには行動していきたいと思ってるんですけど。最初に、忘れられるんじゃないかっていうのが怖くなくなったと話しましたけど、だからと言って閉じるつもりもないというか。そういうつもりで活動をしてきたのが、結果に出てるのかなと思っているし、これからもそうしていきたいなとは考えてますね。
三島:何かで知って、ライヴハウスに来てくれてるわけですからね。何が入口にしろ、現場に来てくれるっていうのは一歩踏み出さないといけないし、体力がいることだと思うんです。アニメの曲だったり、最近だと、サッカーのFC岐阜のオフィシャル・サポート・ソング(2018年リリースの配信シングル「HYPER CHANT」)もやっているので、そこから初めてライヴに来てくれる人もいて。そこまでして来てくれたらいい表現を見せたいよなっていうのが、いい循環になっていると思いますね。
久野:昔はリリースとかがないと新しい人に届かない気がしていて。もちろんリリースが一番届きやすくはあるんですけど、ライヴが単純に良くなったんじゃないかなと思っています。昔のほうがもっとがむしゃらだったというか、あまり正解がないまま、毎回とにかくエネルギーだけ出すみたいなことしか考えてない時期があったので。今のほうがちゃんといいものを見せられるようになった感覚があるし、ライヴを観て、またライヴに来てくれるようになった人もたくさんいる気がします。
-バンドとして、いい時間を作ってきた証ですね。
三島:バンドそれぞれにやり方はあると思うんですけど、僕は今のcinema staffが、昔自分がこうなりたかったと思い描いたバンドの形では全くないと思うんです。でもcinema staffはこうなるべきだったと思うので、人間関係的にも、バランス的にも。考えていた形になれなかったと挫折して、やめちゃった人はいっぱいいると思うんですけど、"OOPARTS 2025"がソールド・アウトできたこともそうですが、続けていないと見れなかったものもあるし、楽しいことのほうが多いっていう感覚に今はなっているので。あとは、後輩のバンドやいろんな人が言ってくれるようになったんです、"すごくいいですね、cinema staffの感じ"みたいな。昔は先輩とかに"cinema staffは何がやりたいの? 中途半端だよね"とか"ハードコアにしたいの? ポップにしたいの?"って言われることも多くて。今は言ってる意味もすごく分かるんです(笑)。分かるし、俺も誰かに言ってるかもしれないと思ったりするんですけど、そのなかで試行錯誤してやってきたら、貫きましたねっていう感じになっていて。
-cinema staff独自のスタイルになっていると感じます。それでは改めて、6月8日"cinema staff presents two strike to(2) night - 明鏡止水の日比谷編-"への意気込みを聞かせてください。
久野:そうですね......野音は今まで意気込みすぎていたので、ナチュラルにやりたいと僕は思ってます。
三島:明鏡止水の境地でね。
飯田:映像作品になることまで考えたいですね、俺は(笑)。自分たちの中で、まだ観たことない映像を撮りたいなっていうのがあって。これまでも野音での映像作品は2枚出してるから違うものにしたいし、もちろんライヴはいい演奏をするんだけど、作品として面白いものにできないかなとも思いますね。3本目ともならないと、そんなこと考えないので。
三島:たしかにね。全体として、総合芸術に近いのが理想というのがあるので、演出込みのライヴの良さを見せたいですね。衝動でパーンとやるライヴも好きですけど、野音でしかできないものを見せたいです。そして、何より落ち着いてやりたい。
辻:僕は個人的なことで言うと、前回の野音でちょっとしたギターのトラブルがあって、それをずっと気にしながら最後までやってたんですよね。DVDを見直したら全然大丈夫だったんですけど、それがちょっと心残りだったので、今回は気にせずにやれることをやろうと。
飯田:あ、俺もそうだった。すっごい気にしながらやってたので、もう楽しくやりたいですよね。そんなのが一番いらないから。
辻:しかも3曲目くらいにそれが起きて(笑)。どうしようこれ、って思いながらずっとやってたから。
飯田:じゃあ今回も"因縁の日比谷編"ということで。
LIVE INFORMATION
"cinema staff presents two strike to(2) night - 明鏡止水の日比谷編-"
6月8日(日)日比谷公園大音楽堂
OPEN 17:00 / START 18:00
[チケット]
前売 ¥5,500(D代なし)
詳細はこちら
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