Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

THE BACK HORN

THE BACK HORN

メンバー:山田 将司(Vo) 菅波 栄純(Gt) 岡峰 光舟(Ba) 松田 晋二(Dr)

インタビュアー:石角 友香 Photo by 新倉 映見

-「デスティニー」は岡峰さんに対するもうひとつのお題だったんですか?

岡峰:そうですね。8ビートでミドル・テンポの曲で、ちょっと特異なマイナー調な詞を出してみてってオーダーだったんですけど。"これでいいのかな?"って最初デモ渡したら"そういうことです"(笑)と言ってもらいました。

菅波:めちゃいい曲ですよ(笑)。

-ストリングスも大げさじゃなくていいですね。

岡峰:人数的にもカルテットで。たしかに大げさじゃなく、シーンを作ってくれた感じはありますね。これも"ストリングスを入れてみて"ってプロデューサーの菅波さんに言われて(笑)。

-菅波さんのギター・オーケストレーションも聴きどころで。

菅波:ギターのオーケストレーションもそうですけど、光舟のメロディって歌やハモ(ハーモニー)もつけがいがあるんだよね。

山田:そうなんだよね。ずっと歌やハモをつけたくなるメロディが多くて。

菅波:「デスティニー」のハモはすごくいい。

-メロディが素直なんですかね?

菅波:旋律として太いというかはっきりしてるからかなと思いますね。

-それぞれの発見がありますね。加えて全体的に今回ギターが鳴ってるなと思います。しかもクリーン・トーンよりガーンと歪んだギターが多くて。

山田:俺と光舟が作ってるときの作り方も関係してるのかもしれない。"行くぞ!"っていう瞬間を作ったりする感じ。

菅波:ここでガーンと行くぞ、っていうのは自分が好きなんですよ。

-そして「太陽の花」は背景にはシンセも入ってるんですか?

菅波:入ってます。

-ピアノのループに轟音もどんどん被さっていく感じがバックホーンらしいなと。これはある種伝統的な組み合わせですね。松田さんの詞で菅波さんの曲。

菅波:そうですね。「声」(2006年リリースの14thシングル表題曲)とか、「夢の花」(2004年リリースの8thシングル表題曲)とか。

松田:これも曲から読み取ってきた中で、イントロで象徴的な宇宙を感じる壮大さと、和を感じるきらびやかさっていうのがテーマとしてあって。だから色鮮やかな歌詞になったらいいなっていうのもありつつ、あとはバックホーンが歌う、真っ向勝負するテーマというか――命であったり、生きていくがむしゃら感だったりっていうのと、どこかに傷や痛みや孤独感も抱えながらも、歌で繋がっていく、その気持ちを忘れずに生きていこうっていうのを曲のフォーマットに乗っけて、いい歌詞ができた雰囲気はありますね。

-「I believe」も90年代感があります。

菅波:最後の爆裂して歌もすごいエモくなるところとかは"これだ!"って感じ。聴いてくれたファンの人は"あ、きた!"と思ってもらえると思います。

-また、「果てなき冒険者」はアンセミックでギター・ソロもカタルシスがありました。

菅波:いや、ほんとそうです。オーダーとかじゃなくて、将司が"こういう曲できたんだけど"みたいな感じで持ってきてくれた曲で。

山田:ずっとあった曲で。もうみんながデモとか出してきてて、いい曲がすごく多かったから、ちょっと隠してたけど出しちゃおうと(笑)。

-のびのびしてますね。OASIS的なものすら感じます。

山田:起き掛けに聴けるぐらいのテンションの、メロの明るさが欲しいなと思って。カーテン開けた、陽がこぼれたぐらいの感じを目指して曲とメロディの抜け感をずっと探してたんです。そこにちょうどマツの応援歌の描き方、マツならではの水彩画みたいな描き方が、このバラードの果てなき冒険者を応援する歌詞とすごい合うなと思って。

松田:その"起き掛けの"っていうのを一切聞いてなかったんですけど(笑)、完全にそれは掴みました。何かやり終えたあとの始まり感、ひとつピークがあったあとに始まっていく、踏み出していくみたいな感じはありますよね。

岡峰:曲順も良かったですね。「I believe」の葛藤があったあとの「果てなき冒険者」の流れも聴いてもらいたいです。

-そして、最後はまさに最後らしい「アンコールを君と」。

松田:眠ってたデモの中にすごくいい曲があったので、もうちょっと具体的にこの曲がこういうテーマだったらどうか? っていうのも含めて"これが最後に来たらどうか"っていう提案ができたらいいかなと思って。さっきの「果てなき冒険者」もそうなんですけど、何かが終わったあとに聴きたくなる曲というか、また始まる曲に聴こえます。いつもライヴで言ってる"また生きて会おうぜ"って言葉がパッと思い浮かんで、ライヴでのみんなとの関係も想像しつつ、アンコールって"もう一度"ってことなんで、"もう一度君と"っていうのが自分の中でグッときて。それは、もちろん現在進行形でもいいんですけど、何回でもそれをやり直してったり、続けていったりするのが、いろいろなシチュエーションや関係に当てはまってくるなっていうのを、すごく感じたんです。

-生きるために自分が生かされてる感覚を得ることの大事さが溢れたアルバムになっているなと思います。しかもそれは重くて大きな出来事だけじゃなくて。

菅波:日々のちょっとした工夫かもしれないし。自分らが生かされてると思うことはあるじゃないですか? それをより思うようになったんでしょうね。自分らが生き生きできる場所を貰ってる感覚は、20周年やったとき、めちゃめちゃ感じたことだから、このアルバムが、聴いた人を生かすようなアルバムになってほしいという願いはすごくあります。