Japanese
THE BACK HORN
2015年09月号掲載
Member:山田 将司(Vo) 菅波 栄純(Gt) 岡峰 光舟(Ba) 松田 晋二(Dr)
Interviewer:天野 史彬
-そもそも、このタイミングで改めて"THE BACK HORNらしさ"を掲げようと思ったのは、どうしてだったんですか?
松田:"THE BACK HORNらしさ"と言っても、その言葉が何を示しているのかっていうのは、自分たちでもわからない部分ではあるんです。だから、今回目指したのは、イメージ的な意味での"THE BACK HORNらしさ"じゃなくて、自分たちにしかできない表現とか、17年バンドをやってきて、自分たちが"これはすごい!"と思っているところを自覚的に作っていこうっていうことだったんですよね。それが、もう1回、バンドにとっての武器になればいい。そういう話を飲み屋でみんなに伝えましたね。『リヴスコール』(2012年リリースの9thアルバム)から『暁のファンファーレ』(2014年リリースの10thアルバム)の流れの中で、アルバムごとに自分たちが作ってきた良さ、みんなに広がった部分もちゃんと踏まえたうえで、よりピントが絞れたものが新曲として生み出されていけば、バンドも新たなゾーンに行けるのかなっていう気持ちがあって。 菅波:光舟は、「悪人」をシングル曲にすごく推してたよね。"THE BACK HORNらしい曲だ"って。 岡峰:うん。デモの段階で、ダークな側面もあるんだけど、曲自体に儚さと美しさを感じて。これは、THE BACK HORNの核心に触れる部分だなって思ったんですよね。
-実際、この「悪人」は、THE BACK HORNの核となる部分が純度高く抽出された1曲だと僕も思うんです。僕は、10代のころに『イキルサイノウ』でTHE BACK HORNに出会っているんですけど、そのときに感じたのは、悪意や暴力衝動みたいな心の闇が自分の中にはたしかにあるんだけど、それに対して自分自身も怯えているし、それゆえに、他者に対する優しさや愛情を自分の中に求めていく部分もある。THE BACK HORNは、その感覚を音楽で表現してくれていると思ったんです。この「悪人」という曲は、その感覚をすごく思い出させてくれる曲なんですよね。
菅波:なるほど......。この「悪人」のキャラクターは、ふとした瞬間に、心の中に悪意が芽生えて。でも同じように、ふとした瞬間に恋心も芽生えるんです。俺の勝手な想像だけど、こいつは、そういうものを普段は外に一切出していないのかなっていう気もするんですよね。悪意が芽生えたときに、それをバーッて吐き出せたら、それは恐ろしい人物になるけど、でも、それは隠して生きている。そういう部分に対して、"わかるな"って感じてもらえるやつになったなっていうのは、たしかに思いますね。
-悪意と恋心が両方存在しているのが、何よりTHE BACK HORNらしいですよね。自分の中にある悪意を感じ取っているからこそ、そこから抜け出そうとする感覚というか。
菅波:抜け出そうとして、でも引き戻されて......みたいな葛藤を描くことが、自分にとってリアルに感じられる音楽なんですよね。"この場所にいればいいや"っていうタイプではないんですよ。結果的にはそこに居続けているのかもしれないけど、心のどこかでは抜け出そうとしている。「悪人」は、歌詞が先にできたんです。自分のことを悪人だと思っているキャラクターが、恋心を抱くことによって、一瞬、未来に希望を持ってしまう場面が途中にあって。そこまで書いたとき、やっぱり自分は、いろいろあった人が、それでも最後に救われるものが好きなんだって思ったんですよね。"ハッピーエンドに憧れて"いるのかもしれないですけど(笑)。でも、この「悪人」のキャラクターはどうしよう?って、すごく悩んだんです。最終的には、脳内裁判が始まっちゃうっていう方向に進んだんですけど(笑)。
-どうして菅波さんは、ご自身は"ハッピーエンドに憧れて"いるにも関わらず、この「悪人」の未来をハッピーエンドにするかどうかで悩んだんだと思います?
菅波:作品を作り続けてきて、感情のままに作ってきた時期もあるんですよ。でも、"聴いた人にどう刺さるのか?"っていうことを、今は考えるようになったんだと思います。自分の筆先ひとつで、このキャラクターの人生を変えられるわけじゃないですか。曲の人生というか。そこに責任感を感じるようになったんだと思いますね。その中で「悪人」に関しては、この曲が聴いた人の心に深く刺さるためには、このキャラクターが簡単に救われたらダメだなと思って、後半を描いたんです。ただ、それと同時に、どっかで救われているようにも思える描き方になっているんだけど。
-かなり極端な聞き方になっちゃうんですけど、作者である菅波さんから見て、この「悪人」の終わり方はポジティヴな終わり方だと思いますか? それとも、ネガティヴな終わり方だと思いますか?
菅波:どうなんだろう......。そこは本当に、他の人に聞いてみたい部分なんですよね。自分としては、この曲を作っているときもそうだったし、聴いているときも、結構ヘコむんですよ。でも、それは自分の中に願いがあるからだと思う。"自分みたいにダメなやつでも前を向いて人生を歩いて言ってもいいんだ。やり直せるんだ"って信じたいんですよ。だから、簡単に救われないこの曲は、俺にとってはダークに感じるんです。ただ、最後、このキャラクターが死んだ/死なないっていうことに関する具体的な描写はしていないけど、"あーあ あーあ あーあ あーあ。"っていう溜息で終われたのは、自分的にはかなり達成感があって。人が最後に思うことなんてわかんないですけど、かなり達観した人じゃなければ、最後は何かしら後悔したり、溜息のひとつもつくんじゃないかなって思うんです。この部分のメロディは讃美歌だし、そこで救われている感じもするんだけど、"あーあ"は、実は溜息だっていう。そこは、新しいものが書けたなって思いましたね。
-最後に溜息をつける人生っていうのは、それはそれで豊かなものだったんじゃないかっていう感じもしますしね。みなさんは、この「悪人」の終わり方をどう捉えましたか?
山田:最後は、四畳半で終わっている感じだなって。その現実感に親しみが湧きましたね。最初聴いたとき、その"あーあ"は溜息だとは知らなくて。どんどんどんどん天に召されていく、その瞬間の"あーあ"だと思っていたんです。でも、この"あーあ"は溜息だって説明してもらって、その本当の意味を知ったときに、"悪人"っていう、このデカいテーマを投げっぱなしにしないで、ちゃんと人としての日常に戻しているんだなって思って。そこは面白いなって思いましたね。 松田:俺は、シビアな曲だなと思いましたね。聴く人がどう受け取るかは、本当にいろんな取り方ができると思うんですけど、ポジティヴにもネガティヴにも受け取れるのは、それだけ入り込める幅があるっていうことだと思うんですよね。でも、それってもとが曖昧なものだと、逆に入り込むきっかけすら与えないことになる。だから、いろんな解釈ができるっていうこと自体が、この曲の作品的な強さなんだろうと思いますね。"あーあ"に関しても、正解は聴く人次第であるんだろうし。 岡峰:俺が最初にこれを聴いたときは、このキャラクターは最後、後悔はしているんだろうけど、一歩踏み出しかけているようにも感じたんですよね。踏み出してはないんだけど、踏み出しかけている感じ。なら、それはそれでいいのかなって俺は思った。 菅波:なるほど......。たしかに、そうも聴こえるのか。......さっき、作者として自分の筆次第で曲の人生を変えられるって言ったじゃないですか。でも、結果として聴き手に伝わったときに、俺のことなんて放っておいて、このキャラクターは幸せになっているのかもしれないんですよね。そう思うと、ちょっとジーンとしてきた(笑)。
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