オワリカラ : タカハシヒョウリの「火星から来た漫読家」【第5回】

2012年01月号掲載

オワリカラ : タカハシヒョウリの「火星から来た漫読家」

あけましておめでとうございます！オワリカラのタカハシヒョウリです。新年なので前向きにいきましょう。せっかく世間様が新年をお迎えになりやがったということなので、何か初物に挑戦しようと思います！
そういうわけで本日の『火星から来た漫読家』は、初めての少女漫画家を紹介します！まさに新年にふさわしくない、後ろ向きなギャグ少女漫画家岡田あーみん先生です！今年も日陰者でいこう、日陰者・ア・ゴー・ゴー！

９０年代少女漫画雑誌に連載していた超人気ギャグマンガというと、８６年に『りぼん』で連載開始されたさくらももこの『ちびまるこちゃん』を外すことは出来ません。社会現象になるほどの大ヒットになりました。その頃、同じりぼん誌上で今日の主役、岡田あーみんの『お父さんは心配性』が連載開始されます。ちびまるこちゃんのコミックスで、まるちゃんと『お父さんは心配性』のお父さんがデパートを舞台に共演する合作マンガを覚えてる人もいるかもしれません。あれの、可愛くないほうの、国民的じゃないほうの、危ないほうのお父さんを描いてたのが岡田あーみんです。
さくらももこが光なら、岡田あーみんは闇。さくらももこがたくさんの漫画家に影響を与えた、今でも活躍する漫画史に燦然とかがやく天才児なら、岡田あーみんはまったくの突然変異で、独特なマンガを残してマンガ界を去った異端児。さくらももこは少女漫画界の大樹、岡田あーみんは「少女漫画界に咲くドクダミの花」（あーみんの当時のキャッチコピー）でした。

▲岡田あーみん『お父さんは心配症』

僕が岡田あーみんのマンガを読んだのは、小学生の頃に友達のお姉ちゃんが持っていたのをなんとなく読んだからでした。そこで偶然にあーみんと出会えたのは本当に運が良かった。クォーターの増田くんのお姉ちゃん、本当ありがとう！それまで少女漫画はほとんど読んだこと無かったので、内心「なんとかくんの手と触れちゃった！ドッキンチョ☆ドッキンチョ～！読禁著～！！ハラホレ～！」というようなくだらない内容なんだろうとバカにしていました。萩尾望都先生ごめんなさい。しかし、読んでみるとあーみんマンガには、コロコロのジャリ漫画では到底かなわないアナーキーな空気が蔓延した無茶苦茶面白いギャグマンガだったのです。

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