Japanese
オワリカラ
2010.08.06 @新宿MARZ
Writer 山田 美央
THE DOORSらを彷彿とさせる佇まい。どことなくフォークで歌謡曲テイストを盛り込んだ音作り。しかし、タカハシヒョウリ(Vo&Gt)によって語られる言葉は限りなく純粋な新世代の“今”だ。夢のような浮遊感が漂う空間の中、喉が張り裂けそうなほどの叫び、ギリギリまで掻き毟られるギター、前のめりに音を積み上げるドラム、大きくうねるベース、そして楽曲全体の流れを変えてしまう毒を孕んだキーボード。100%の4人が一瞬一瞬に全てをかけて描き出すロックは、常に互いを刺激し、触発し合う。一瞬の煌きの中に圧倒的な熱、暴力性、それでいて寄り添うような親密さを漂わせるサウンドは、一音一音しっかりと刻み込まれる。先日のインタビュー時にタカハシヒョウリが語ってくれた言葉“2010年の音を鳴らしたい”、今日のワンマン・ライヴではそれが確実に体現されていた。
8/4に1stフル・アルバム『ドアたち』をリリースしたばかりのオワリカラの初ワンマン・ライヴ。蒸し暑いうだる様な暑さにもかかわらず、新宿MARZは開場を待たずして人の列、列、列。一歩足を踏み入れると、そこには男の子も女の子もぎゅうぎゅうにオーディエンスがひしめき合い、階段にまで期待のこもった熱気が立ち込めていた。「お待たせしました、オワリカラです」--タカハシのその一言で始まった、この日のステージ。ステージ上に現れた後も、今か今かと期待を高ぶらせているオーディエンスを横目に、自分とフロアの空気を同化させるように、慎重かつ大胆にそれぞれの確認を行う4人。やがて、頭上高くギターを抱えたタカハシの合図と共に、「Teardrop」で歓声とも怒号ともつかない熱狂を打ち破る。ストイックにビートを刻むドラムとステージ前方で暴れまわるヴォーカル、ベース、キーボードの3人。「MANGA」「勇敢なるビイヒアナウ」と独特の世界が次々と展開されたかと思うと、「ビート」「ロンググッドバイ」と現実と夢の狭間を漂うかのような柔らかいサウンドが広がる。迸る衝動が凝縮されている楽曲の中に歪な日常をはめ込んでいくオワリカラの楽曲は、触れ幅が非常に大きい。途中、タカハシがステージ袖へ消えると、カワノケンタ(Dr.)、ツダフミヒコ(Ba.)、カメダタク(Key.)の3人によるインストのパフォーマンスが行われた。小気味よいテンポがフロアの酔いを加速させ、凄まじい熱量を爆発させる。オワリカラというバンドを形作っている根幹ををまざまざと見せ付けられたような気がした。
3人によるパフォーマンスの熱を増幅させるかのような気迫で襲い掛かる「othersideかなた」、狂気じみた圧倒的な世界観で迫り来る「怪人さん」。独特の昭和の雑誌を繰っているかのような世界が展開される。その後も、「ロックンロール前夜」が親密な空気を作り出したかと思うと、中毒性を持つ「ドアたち」でベースとギターが絡み合い切り裂いていく。圧倒されていたフロアも、暴れまわる彼らに負けじと次第にその応酬に応え、ステージとフロアが一体となって楽曲の世界を作り出していた。外側へ向かって本能のままに大きく弾けようとする衝動と、その衝動を限界までを自らの中で反芻しようとするオワリカラの音は、切迫した緊張感を内包している。そして、「これまでやってきたいろんなバンド、新旧のお客さんを前に今日のワンマンを出来て良かった。」と真っ直ぐな言葉をフロアに投げ掛けたタカハシ。音楽に対する考えが明瞭なタカハシだからこそ、さまざまな困難があったであろうし、それゆえに『ドアたち』に辿り着くことが出来たことも間違いない。わずか数週間前の渋谷でのステージよりも、彼らはさらに大きくなり、それと同時にリスナーより近い存在になったように思えた。ラスト「砂場」で幻想的な夢の延長上にオーディエンスを誘いこみ、砂場と同時期に出来た曲であるという「十代から始める革命講座」でアンコールを締め括った。彼らの間にある圧倒的なまでの信頼感--それが、音楽を通して体の中に流れ込んでくむのを感じたのは、私だけではないだろう。
初となるワンマン・ライヴを終え、新たな扉に手をかけたオワリカラの4人。これは大きな一歩であり、同時にこれから進むべき世界への一つの扉にすぎない。そんな貪欲で嬉しい気概を、ひしひしと感じることのできる濃密な70分間であった。今まさに100%が4人集まった400%のバンド、それがオワリカラだ。いまだに夢と現実の狭間に放り込まれたトランス状態、そこから抜け出ることが出来ずにいる。
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.29
-
吉澤嘉代子
Damiano David(MÅNESKIN)
amazarashi
キュウソネコカミ
moon drop
怒髪天
- 2025.10.30
-
超☆社会的サンダル
LONGMAN
YOASOBI
凛として時雨
夜の本気ダンス
キュウソネコカミ
SIX LOUNGE
打首獄門同好会
Nikoん × Apes
挫・人間
- 2025.10.31
-
すなお
ExWHYZ
吉澤嘉代子
東京スカパラダイスオーケストラ
LONGMAN
YOASOBI
ガガガSP
フリージアン
FINLANDS
Newspeak
夜の本気ダンス
go!go!vanillas
超能力戦士ドリアン
インナージャーニー
岸田教団&THE明星ロケッツ
ポップしなないで
RAY
アイナ・ジ・エンド
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
WurtS
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
インナージャーニー
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
WurtS
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
- 2025.11.03
-
irienchy × no more
NANIMONO
秋山黄色
フレデリック
怒髪天
OKAMOTO'S
東京スカパラダイスオーケストラ
Devil ANTHEM.
ポルカドットスティングレイ
セックスマシーン!!
キタニタツヤ
シド
LiSA
"ボロフェスタ2025"
yama
キュウソネコカミ
愛美
brainchild's
藤巻亮太
AIRFLIP
私立恵比寿中学
Bye-Bye-Handの方程式
moon drop
SPRISE
SCOOBIE DO
the telephones
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
THE BACK HORN
凛として時雨
Age Factory
hockrockb
LACCO TOWER
阿部真央
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
SPRISE
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
"四星球放送局FESTIVAL"
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
- 2025.11.11
-
PEDRO
Age Factory×ジ・エンプティ
BIGMAMA
Laughing Hick
SAKANAMON
僕には通じない
Ado
RELEASE INFO
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.01
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
- 2025.11.26
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号















