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INTERVIEW

Japanese

BLUE ENCOUNT

2017年01月号掲載

BLUE ENCOUNT

Member:田邊 駿一(Vo/Gt) 江口 雄也(Gt) 辻村 勇太(Ba) 高村 佳秀(Dr)

Interviewer:石角 友香

-なるほど。歌詞についてはバンドが歌いたいことを歌えばいいじゃんと思ったんですよ。それぐらいじゃないと今のブルエンのスピード感に追いついていかないというか。

田邊:この2016年はブームと言えど、ほんとにいいバンドがたくさん出てきた年だったと思うんですよ。もう生半可な気持ちで同じことばかりやってるバンドは出てこられない1年だったなと。だからこそ最短で行くにはそこかもしれないですね。バンドの持ってるポテンシャルとか人間性を過不足なく、"ここしかできないよ"っていうのをメロディ、リリック、サウンド、全部含めて出していくことが、今、知名度を上げるために一番大事なことなのかなと思います。それが受け入れられるか受け入れられないかが、人気が出る/出ないってことなんで。

-今いる場所からすごく遠くに行くわけじゃなくて、リアルにそこから足を出してる感じがかなり明け透けというか。

田邊:そうですね(笑)。でも"こうきたか"、"やっちゃうんだ?"ってことをしたいというか。やっぱりいいアーティストさんって、それをやってるんですよ。そのやられた感を先輩が未だにやってくれてるから、今度は俺らが下の世代に"あ、こんなことやってくれるんだ"っていうのを見せたいですね。

-自分を縛っているいろんなものを1回外そうっていう感覚が満載で。

田邊:うん、おっしゃるとおりで、今回は"壊したい"って意味でしかないんですよね。終わらせたから、次はどういう一歩なんですか? とかじゃなくて、"あー、めんどくせぇ、ぶっ壊そう!"みたいな気分での"THE END"なんです。だから深読みしていただくのは全然構わないんですけど、バンドとしてはいたってシンプルだったというか。そこも最初、チーム内で話し合いの行き違いが多かったんです。すごく先を見据えた"THE END"だと思った人もいますし、本当に何か終わらせなきゃいけないんじゃないか? って重ための"THE END"を想像した人もいるんですよ。でも僕らにとってはそのどっちでもなくて、失うものは何もないからもういいやっていう、すごく気持ちいい意味の"終わらせる"だった。だからこそ、この曲ができあがったときにみんながちゃんと意思疎通できたっていうのがあったんです。これはたぶん、武道館で告知を見て"えー!?"って言った1万1,000人の人が聴いたとしても、わかってもらえると思いますね。

-"えーい、ぶっ壊そう"みたいな気持ちは――説明が難しいかもしれないですけど、演奏にはどう反映してるんですか?

江口:そこは常にその曲に対してのベストなフレーズを探し出して、付けてるんで。単純に自分が一番だと思うアレンジをしてるって感じですね。

-どんどん説明が抽象的になってきますね、バンドが進化していく過程で(笑)。

田邊:(笑)でも、それぐらいバンドも抽象的になってきてんのかなと思うんですよね。BLUE ENCOUNTはもちろんメッセージをちゃんと伝える、大事にするバンドですけど、重さがつらくて、それがいい曲を生まないときもあるんですよ。漠然としたイメージで制作した方が強いときもあって、それこそ2曲目の「HEART」っていうブルエン史上最もエモな曲は、概念を一切無視というか、あえてメッセージとかに重きを置かずに作って。もう雰囲気イケメンみたいな感じですよね(笑)。今回は、"そのかっこよさをブルエンが出すの、めっちゃいいんじゃないですか?"って話になって、結構揉めたんですよ。

-なんで揉めたんですか?

田邊:この曲でミュージック・ビデオを撮るんですけど、それを撮るか撮らないかという話で。すごく話し合いをすることになったのも、"ブルエンのイメージが"というか......"THE END"って言葉に対する価値観の違いが原因だったんです。なので、改めてその意味に関して"俺らは別に、あとでも先でもなく今をぶっ壊したいだけなんです"って話したら、"これしかないね"って。今回、撮っていただくのは「もっと光を」(2015年リリースのメジャー1stシングル表題曲)とか「はじまり」(2016年1月リリースのメジャー3rdシングル表題曲)と同じ田辺(秀伸)監督なんですけど、"もう、とにかくかっこいいものを撮りましょう"っていう話をしたんです。それでまた、ブルエンが原点に戻れると同時に、今まで知らなかった人も振り向いてくれるのかなと。

-そうですね。言葉とメロディで入るスイッチと、1音鳴っただけで"かっこいい!"ってなるアレンジで入るスイッチがありますが、この曲は後者でしょうね。

田邊:だからいい原点に戻れた感じがしますね。ELLEGARDENの、それこそ俺らが好きになった当時に聴いてた『BRING YOUR BOARD!!』(2003年リリースの2ndアルバム)の帯に書いてある"メロパン?エモ?ロック? かっけーならなんでもいーよ!!"っていう触れ込みを未だに覚えてて、"それだな"と思ったんですよ。ELLEGARDENだってもちろん、メッセージ性がめっちゃ強い曲もあれば、恋愛の曲もあるし、日本語詞の曲もあるけど、"ただそれだけだな"と思えた。それで、"僕らが作りたかったのも、ほんとにこういうアルバムだったな"って気持ちいいほど思えるような曲作りができたんですよね。