Japanese
BLUE ENCOUNT
Skream! マガジン 2016年03月号掲載
2016.01.17 @Zepp Tokyo
Writer 石角 友香
アルバム『≒』を携えた全国ツアーのファイナル2DAYSの2日目のこの日、なぜ前回ツアーをメンバーが"ブルエンらしさに甘んじていた"と反省したのか? そして、本来なら満面の笑顔で初の日本武道館開催を発表していいだろうところを半ば悲壮感すら漂うほどの覚悟と不安気な表情で伝えたのかが――つまりはBLUE ENCOUNTというバンドがどんなバンドなのかが明確にわかったライヴはこれまでなかった。そしてそれこそが4人が見せたいライヴだったのだと思う。
全国8ヶ所+この2DAYS全公演ソールド・アウトしての千秋楽。暗転とともに凄まじい歓声が上がる。紗幕の向こうにメンバーのシルエットが映し出され、オープニングはアルバム『≒』と同じく「KICKASS」がブルエンのロック・パーティーのキックオフを高らかに宣誓する。このスタートダッシュがすごかった。早くも2曲目に「DAY×DAY」、そして「D.N.K」をノンストップで駆け抜けた4人の楽器の音がまるで田邊、江口、辻村、高村の"肉声"のように感情を伴ってクリアに届く。その締まった演奏に喝采を送らずにいられなかったし、ファンも心底、演奏を楽しんでいるように見えたのが新鮮だった。とにかく暴れたいとか自己顕示やストレス発散ではなく、各々曲の好きな部分や歌に自由にリアクションしているのだ。ファンも明らかにタフになった印象で、半ばこの日のライヴが成功する手応えをどアタマで直感させる光景だったのだ。
アルバム・リリースからツアーまで若干時間があったことで自分たちもきっちり準備できたし、ファンも聴きこむことができた、その手応えを全身で表現する4人。すでにライヴではキラー・チューンでもあり長尺の「MEMENTO」もこの日は高村のハットの刻みから、江口の色彩豊かなフレージングから、辻村得意のファンクネス溢れるスラップから、何から何まで輪郭のクリアさが格段に上昇。展開の多い構成をフロアも乗りこなし、16ビートをジャンプで表現しようが、心から曲を楽しんでいるのがわかる。フロアが生き物のようにバウンドするのも既視感がない。
その後、レゲエのパトワ調の田邊のヴォーカルも冴える「JUMP」や、カウパンク調の「HEEEY!」、爽快なメロディの「SMILE」とカラフルな新曲群へのリアクションも良好で、決して一辺倒ではないライヴの楽しさを増幅していく。そのブロックの締めに"その声を守るから"と歌いきった「VOICE」がさらに強く響いたのも強く印象に残ったのだった。そして繊細なギター・フレーズから力強く展開していくニュー・アルバムの中でも聴かせるバラード「EVE」、"ダメな自分に向き合ったからこそできた曲を歌います"と、新曲「はじまり」という、これからのブルエンがさらに大きくなっていくうえで威力を発揮するであろう大きなグルーヴを持った2曲がおおげさではなく、気持ちのこもった誠実な演奏で響いたことも大きい。
ラストスパート前にはファンからの質問タイムで"メンバーと付き合うなら?"という問いかけに、メンバー同士、一斉に指さして田邊だけが指名されなかったことにわりと本気で落ち込んだりしつつ、"もう傷ついたままやるわ!"と、巨大なライヴ・アンセム「LIVER」に突入。ミュージック・ビデオに登場した"LIVER坊や3兄弟(※うち1名は田邊)"も一緒になって"ライヴ・キッズそのもの"を演じる。そこからは「THANKS」「NEVER ENDING STORY」と、インディーズ時代からのナンバーでダイヴ、シンガロングの嵐を巻き起こし、痛快なR&Rナンバー「アンバランス」まで一気呵成に駆け抜ける。実にブルエンの音楽性は幅広いのだ。
これまでと最新のブルエンの歌と演奏とそれに触発されたフロアのパワーで最高潮のムードを作り上げた中、田邊がポツリポツリとコードを弾く。ラストのMCのいつもの光景。アルバム制作途中で"何かが違う"と感じ、深く自分に潜った彼は今回のツアーの前に何が正しいのかわからなくなっていたと吐露。スタッフの努力に数字で報えないことへの申し訳なさ、だからと言って売れそうな楽曲を作ることができない自我。そんなものを抱えて今回のツアーを回り、"今、見てる景色がわからせてくれた"と。この現実を背負ったうえで10月の武道館公演開催を発表したのだ。決定したから万々歳、ではない。"100人の人に1%愛されるより、1人の人に100%愛される人になってみたい。その人を増やして、あんたらと一緒に武道館、立とうな!"と叫んだ田邊は、ボロボロだった。そしてやっとこの曲が映える場所が待ってるな、と思った、「もっと光を」が今まで経験したことのない、ブルエンとここにいるすべての人への意思の塊となって本編ラストを照らしていたように見えた。
観る側にもエネルギーを使わせるブルエンのライヴだが(フロアのファンだけでなく)、彼らのバンド・ストーリーが本物の予定不調和であることに、全幅の信頼を寄せる日になったのは間違いない。終始、笑顔のライヴを象徴するようにアンコールのラストは明るく「HANDS」で、再会の日を約束するように締めくくられたのだった。
- 1
LIVE INFO
- 2023.01.28
-
BiSH / ASP
DYGL
"FUKUOKA MUSIC FES.2023"
ぜんぶ君のせいだ。 ※振替公演
東京初期衝動
めいちゃん
フラワーカンパニーズ
東京スカパラダイスオーケストラ
映秀。
"フリ放題コーリング2023"
黒川侑司(ユアネス)
鶴
アルカラ
リュックと添い寝ごはん
BACK LIFT
藤井 風
Saucy Dog
tricot
パスピエ
Symdolick
鳴ル銅鑼
CYNHN
OKAMOTO'S
原因は自分にある。
Vaundy
浪漫派マシュマロ / 底なしの青 / GIMMICK_SCULT ほか
- 2023.01.29
-
DYGL
GANG PARADE × ASP
go!go!vanillas
anew
フラワーカンパニーズ
東京スカパラダイスオーケストラ
神はサイコロを振らない
神聖かまってちゃん
ドラマストア
Saucy Dog
Non Stop Rabbit
PELICAN FANCLUB
パスピエ
fhána ※振替公演
アルカラ
"フリ放題コーリング2023"
めいちゃん
藤井 風
tricot
岡崎体育
LEGO BIG MORL
鳴ル銅鑼
Laura day romance
なきごと
忘れらんねえよ
PIGGS
女王蜂
SCOOBIE DO
the pillows
Vaundy
Lenny code fiction
浪漫派マシュマロ / Ohm ほか
- 2023.01.30
-
Official髭男dism ※振替公演
斉藤和義 ※振替公演
the HIATUS
- 2023.01.31
-
Official髭男dism ※振替公演
私立恵比寿中学 ※振替公演
Saucy Dog
斉藤和義 ※振替公演
PIGGS × 夕闇に誘いし漆黒の天使達
the HIATUS
ヤバイTシャツ屋さん
cinema staff × KOTORI
- 2023.02.01
-
Symdolick
ircle
ストレイテナー / Nothing's Carved In Stone ほか
- 2023.02.03
-
AliA
藤井 風
DYGL
めいちゃん
Subway Daydream
ビレッジマンズストア
セカイイチ
Base Ball Bear
ZAZEN BOYS × w.o.d.
忘れらんねえよ
- 2023.02.04
-
アルカラ
映秀。
BACK LIFT
Vaundy
藤井 風
ヤバイTシャツ屋さん
BiSH / BiS
go!go!vanillas
Awesome City Club × マハラージャン
AliA
PAN × セックスマシーン!!
OKAMOTO'S
Panorama Panama Town
めいちゃん
tricot
ユアネス
フラワーカンパニーズ
Saucy Dog
GOOD ON THE REEL
塩入冬湖(FINLANDS)
JYOCHO
"BAYCAMP 202302"
Poppin'Party × RAISE A SUILEN
This is LAST
- 2023.02.05
-
アルカラ
ヤバイTシャツ屋さん
BACK LIFT
Vaundy
DENIMS
ExWHYZ × BiS
リュックと添い寝ごはん
go!go!vanillas
DYGL
Non Stop Rabbit
OKAMOTO'S
ゲスの極み乙女×さらば青春の光
Panorama Panama Town
映秀。
フラワーカンパニーズ
東京初期衝動
Dragon Ash
Saucy Dog
SHE'S ※振替公演
This is LAST
Base Ball Bear
Who-ya Extended
ザ・クロマニヨンズ
女王蜂
Roselia × Morfonica
神はサイコロを振らない
ぜんぶ君のせいだ。
パスピエ
- 2023.02.06
-
THE VAMPS
- 2023.02.07
-
コレサワ
THE VAMPS
藤井 風
This is LAST
夜の本気ダンス × Maki
SUPER BEAVER
- 2023.02.08
-
ircle
藤井 風
BiSH / BiS / GANG PARADE
BBHF
ヨルシカ
- 2023.02.10
-
Vaundy
ircle
ポルカドットスティングレイ
塩入冬湖(FINLANDS)
DYGL
This is LAST
Rhythmic Toy World
kalmia
Base Ball Bear
BLUE ENCOUNT × THE ORAL CIGARETTES × 04 Limited Sazabys
片平里菜
- 2023.02.11
-
岡崎体育
Vaundy
東京初期衝動
OKAMOTO'S
ircle
Non Stop Rabbit
底なしの青 ※振替公演
アルカラ
KALMA
go!go!vanillas
"SOUND CONNECTION -Harvest Begins-"
Rhythmic Toy World
THE BACK HORN
This is LAST
Organic Call
ビレッジマンズストア
なきごと
ぜんぶ君のせいだ。
伊東歌詞太郎
真っ白なキャンバス
yutori
GANG PARADE × 豆柴の大群 × ASP
映秀。
BUMP OF CHICKEN
WEAVER
Subway Daydream
BLUE ENCOUNT
RELEASE INFO
- 2023.01.31
- 2023.02.01
- 2023.02.04
- 2023.02.05
- 2023.02.08
- 2023.02.10
- 2023.02.13
- 2023.02.14
- 2023.02.15
- 2023.02.17
- 2023.02.22
- 2023.02.24
- 2023.02.28
- 2023.03.01
- 2023.03.08
- 2023.03.15
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
PIGGS
Skream! 2023年01月号