Japanese
BLUE ENCOUNT
Skream! マガジン 2023年03月号掲載
2023.02.11 @日本武道館
Writer : 石角 友香 Photographer:ハマノカズシ、ヤマダマサヒロ
約6年半ぶりの日本武道館単独公演でもあり、ベースの辻村勇太渡米前最後のライヴでもあり、BLUE ENCOUNTがどんなバンドなのかという、いい意味でいったんの答えを期待されるライヴだったと思う。そこで感じたのはシンプルに音楽を楽しむ姿であり、少し珍しい在り方ではあるけれど、彼らの未来にはむしろ可能性しかないということだった。
ツアー・タイトルはもちろんだが、最新作『Journey through the new door』の方向性を決定づけた「DOOR」が軸にあるのだろう。オープニング映像は宇宙空間に漂う鍵が扉に刺さり、ステージ袖のメンバーが映し出されるという象徴的なもの。満員御礼且つ声出しOKになったタイミングでもあり、冒頭から祝祭的なテンションだ。スタートは「アンコール」。意外な気もしたが、この日田邊駿一(Vo/Gt)が"今でも不安だし、でもあなたがいるから"という意味合いのことを何度も口にしていた真意を集約するスタートでもあったのだ。4人の生み出す音が人間性を映すように明快な音像で届けられる、チームとしてのレベルアップが約6年半前とは全然違う。演奏やその聴かせ方に意志が宿っている。そこからは「Survivor」、「ポラリス」とお馴染みのナンバーで、スタンドの最上段まで高い熱量で応えた。洗練された演出も見事で、「ポラリス」での巨大ミラーボール3台が武道館に光を反射させる様に思わず笑顔になる。
田邊はこのツアーが良かったことで、集大成の今日をどう見せるか考えていたらしいが、ファンの姿を見てどうでもよくなったと発言。その勢いで「DAY×DAY」に突入していくが、肩の力が抜けた歌唱やヴィジョンに映し出される4人の明るい表情に、2023年のブルエン(BLUE ENCOUNT)を感じる。「ロストジンクス」では待望のシンガロングも実現。何より演奏がしなやかなのが心地よい。「HEART」では左右の高さのあるヴィジョンの前に江口雄也(Gt)、辻村が立つ姿もスタイリッシュだ。もちろんフィジカルの強さも魅力なのだが、曲ごとに無駄を削ぎ落とし、結果的に曲を堪能できるステージが実現している。さらに武道館で初披露となった「vendetta」ではステージ中央で田邊と辻村が向き合い、ラップとスラップのバトルを実施。この日最も緊張感に満ち、且つ新生面を開いたスリリングな時間だ。また、ハード・ヒッターというよりドラム・サウンドのセンスで聴かせる、高村佳秀の巧さが際立つ曲でもあった。
MCで辻村に"瞳孔開きまくってたよ"と突っ込まれたのも納得。約6年半前からの変化として、田邊は35歳にしてやっと普通自動車免許取得を報告した。メンバーには機材車移動の頃に取っておいてほしかったと軽く流されていたのも彼ららしい。免許証画像も公開(アプリで眼鏡を描いたそう)して笑いを取ったあと、シリアスにコロナ禍で翻弄されたバンドやライヴハウス・シーンにも触れる田邉。上から押しつけられるルールに怒りを隠さないが、幸運なことに自分たちがやっているのは音楽であり、それはどんな状況でも伝えられるものだと、こちらにも再認識させてくれた。
ブロックごとにマインド的に近い曲で構成していくのも、バンドの音楽的なレンジの広さと歴史を感じさせて効果的だ。田邊のシンガー・ソングライター的な側面が浮き彫りになる「コンパス」、シンプルにハード・ロックの楽しさで沸かせる「ルーキー ルーキー」や、シンガロングがさらに大きくなる「NEVER ENDING STORY」と歓喜が溢れる。いったんメンバーがステージ袖に下がり、ヴィジョンには熊本時代のスタジオや街の風景、上京後のホーム・グラウンドになったSpotify O-Crest(TSUTAYA O-Crest)、単線の鉄道から複雑な東京の鉄道など、時間の経過を感じさせる映像が投影された。そこからの田邊の苦悩と再生のストーリーである「city」への接続は大げさでもないし、感傷的でもない。そしてこの日の大きな見せ場は8人編成のストリングス隊の登場だ。現在のフェーズを象徴する1曲の「Z.E.R.O.」が、バンドが鳴らす圧のあるアンサンブルにストリングスのドラマ性を加味し、さらにサビで思い切り飛翔していくような体感を与える。自分にとってのリアリティが誰かにとっては嘘くさく聞こえても、もう気にしない――そんな田邊の覚悟がまっすぐ届く。さらにストリングスとの共演は戦場を想起させる「虹」でも。針の雨のような映像と江口のささくれたリフが立ち上げる情景、さらにそれを拡張するストリングスのレイヤーが、この曲のポテンシャルを最大限に引き出した場面だった。演奏後、田邊が"今日やっとこの曲が完成した気がする"と言っていたのも完全に同意だ。
先ほどの映像につけた音楽は辻村がギリギリまで作っていたものらしく、その話題に続き、田邊が"今、4人とも作曲家になってる"と前向きな発言。だが、自分以外の3人はPCで作っているから何を言ってるのかわからないらしい。辻村渡米でさらにリモート制作が本格化するだろう。当人である辻村は"NY生活で困ったらここに連絡したらいいとか、知ってる人はDMください(笑)"とあっけらかんとしている、ように見える。そして田邊が"今日はツジ(辻村)の壮行会じゃないから。何より言いたいのは、主役はあなただってことで、あなたの地点で6年間頑張ってきたと思う。それを見せてくれるか?"と、後半に突入。時間経過を最も感じさせたのが「もっと光を」だった。メジャー・デビューを発表した当時のライヴでは、ティーンエイジャーが汗と涙にまみれながらクラウドサーフしていたこの曲。今はその光景はない。それぞれの人生にとって大事な曲として定着した感慨を最も感じた場面だったのだ。エンディングでスタンド席側のライトもすべて点灯し、眩しい照度の中、ステージはタフに進んでいく。
江口と辻村のソロも映える「#YOLO」、背景全体を使った抽象的なアートを背負って、渾身のステージングに拍車がかかる「VS」とフィジカルにくるアクトを展開。先ほども田邊がコロナ禍でのライヴ・バンドの受難を話していたが、終盤にも曖昧なルールに怒りを見せていた。"幸いにも俺たちがやっているのは音楽だ"と今最大限に伝えることで戦うスタンスを表明し、"曖昧だらけの世界で"とサビのフレーズを歌い「バッドパラドックス」へ突入。ジャンプを促されるまでもなく、2時間経過してもタフに応えるファンのパワーにも圧倒される。このバンドのグルーヴの真価が発揮された場面だった。
本編のクライマックスはこのツアーの軸である「DOOR」。ライヴだとよりアンセム感が強まる。そしてラストは現在のタームの始まりでもある「青」が4人の生身のパワー全開で放出された。バックドロップの"BLUE ENCOUNT This Place is Yours"も、ここまで生きてきたバンドとファンにずっと通底してきた合言葉でもあり、これからも存在し続ける場所を明快に刻みつける。こんなに自然体で響くブルエンのライヴを初めて観た気がした。その実感を得られたことが2度目の武道館単独公演最大の収穫だ。
アンコールでは再びストリングスを迎えての「それでも、君は走り続ける」、会場全体にこだまするほどのシンガロングを生み出した「だいじょうぶ」、メンバーの笑顔のアップがヴィジョンに映し出され、理屈抜きに楽しいライヴだったことをブルエン節が証明する「HANDS」で、約3時間にわたる4人の新たな扉を開く挑戦は幕を閉じた。いや、むしろ幕を開けたのかもしれない。それぐらい、これからのBLUE ENCOUNTは誰もやっていない方法でバンドを前進させる気がしたのだった。
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