Japanese
BLUE ENCOUNT
Skream! マガジン 2015年07月号掲載
2015.06.12 @Zepp DiverCity
Writer 石角 友香
出音一発の説得力――今日の彼らがゴールを見ていない、つまりペース配分なんて考えずに突っ走る覚悟に震えながら笑ってしまった。
地元・九州の福岡、大阪、名古屋と巡ってきたツアー・ファイナルの地であるZepp DiverCityは見事にソールド・アウト。フロアはギッチギチに満杯状態だが、開場BGMがオーディエンスにも人気の言わばブルエンのライバルたちの楽曲なだけに、カジュアルにそこここで盛り上がっているのも彼らのライヴらしい光景だ。そこに影アナ"リフトからのダイヴが多すぎると後ろの人が見えません!"とか"映像収録が入っているので映りこみたくない人は自分でモザイクを!"などなど、ユーモアを交えつつきっちり注意事項を伝える。場内が暗転し、ブルーのバックライトがクールに熱く照射される中、メンバー登場。セットではあるが無数のスピーカーが積み上げられたセットにもグッとくる中、オープニング・ナンバーは「HALO」。イントロから4人のアンサンブルの強度、各楽器の音の分離の良さからチーム・ブルエンの気迫が伝わってくる。ノンストップで演奏される曲のひとつひとつのキャラがクリアなのも印象的で、メロディと歌詞がキャッチーな「MEMENTO」では田邊駿一(Vo/Gt)のR&B的な巧みな歌はもちろん、江口雄也(Gt)の緻密な単音フレーズ、ぶっといグルーヴを放つ辻村勇太(Ba)のスラップもフロアを縦横無尽に揺らしていく。冒頭から終盤か?という濃厚さだ。
"ヤバイ!ほんとにヤバイ!嬉しい、もうほんと俺、やるよ、今日!"と口を開くと泣きそうになる田邊。どんな光景が見えているんだろうか。バンドの熱量もすごいがファンの自己表現も凄まじいものがあり、続く「アンバランス」はフロアの熱気に気圧されているんじゃないか?というほど、ステージとフロアのせめぎ合いで、感情が揺さぶられ、単にハードでソリッドな演奏とは言い切れない何かが田邊のヴォーカル以外でもこぼれ落ちているのがわかる。抑えきれない嬉しさが生む揺らぎを現時点での最新作『DAY×DAY』収録のブルエン流ミクスチャー「AI」でタフに楽曲の構成を楽しむ方向に舵を切り、ラウドな「T.K」のエンディングをシャープに決める。
演奏してるときと打って変わってフロアからはメンバーを友達のように苗字で呼ぶ声、田邊を"メガネー!"と呼んでは"うるさいわ!"の応酬と、キャパが大きくなってもお馴染みの光景が展開する。田邊のMCもいつも通り長い。でも言うべきことはファンもスタッフもいるところで言うのが彼の流儀だ。この日は今回のツアーでケガをしたファンがいることを正直に話し、周囲からはモッシュ&ダイヴ禁止にしては?と提案されたことを断固、"嫌です"と反論。"ほっといたら大人にルール作られる。それが嫌だから俺らでこの場所を責任持って守って行こう"と、ファンにも覚悟を求めていた。
中盤には「THANKS」や「SAVE」などメロコア/スカコア寄りの明るいファスト・チューン、一転してギター、ベースの紡ぎだすアンサンブルが美しい「LIFE」に、メンバーの集中力を見たし、ブルエン、さらには田邊が歌うことの意味をひとつひとつ深く心に刻むような「YOU」の、ジャンルを超えた"ただこの気持ちだけは本物"と言わんばかりの渾身の歌唱が、過剰なセンチメンタリズムに陥ることなく届いたのも、音の隙間にメンバーの意志が宿っていたからじゃないだろうか。音が聴こえなくなった瞬間、自然と起こる拍手もそれを証明していた。水を打ったようにステージを見つめるファンに向かって、田邊がニュー・アルバム『≒(ニアリーイコール)』のリリースを発表、その中から新曲で本質的にパンキッシュと呼びたくなる「KICKASS」を披露。そこから先は"ここからノンストップで行くけど、俺らとアンタら、どっちが昨日までの弱い自分に先に勝てるか勝負しようぜ!"と、「ONE」をプレイし始めたのだが、リフトしている前方に向かって自らハンドマイクで乗り込んでいく田邊。リフトしているファンや手を繋いで支えるファンの力を借りて歌いきり、ステージはいよいよ終盤に向けて踊れる「ワナビィ」「NEVER ENDING STORY」などキラー・チューンを連投していく。
白いライトがマックスの光量を放つ中、叩きつけるようにコードを鳴らしながら、田邊はこの日への感謝とともにお台場という場所への個人的な苦々しい思い出を語り始める。"ここに来るのイヤだった。新木場行きの電車の表示がどれほどキツかったか"と、バンドと派遣バイトを両立しながらまったく先が見えなかったころの追い詰められた心境を吐露する。そんな中で2012年に70人が足を運んでくれたライヴで自分が守られている実感を得たこと、そこからは全力でその人たちを今度はブルエンの音楽で守ろうと思ったこと。もうかっこいいとかかっこ悪いとかどうでもいいのだろう、田邊は泣きじゃくりながら大声で言いたいことを言い切った。真っ直ぐな夢や希望だけで人は生きられない。今、目の前にあることを諦めて他の道を切り開くことも勇気がいる。BLUE ENCOUNTは決して辞めなかったことがかっこいいとは言わないだろう。その弱さを含めた人間臭さに誰もが素直な自分でいられる場所がここなのだと思った。本編ラストの「DAY×DAY」がこれまでを凌ぐ説得力で鳴り響いた。
大いに揺さぶられた本編から笑顔のアンコールへ興奮は続いたのだが、なんと大団円になるはずの「もっと光を」の出だしにハプニングが起こり、予定になかった「D.N.K」を急遽4人会議で決定し、披露。"この借りは次のZepp(Tokyo)で返す!"と、きれいにはまとまらなかった辺りもむしろBLUE ENCOUNTの"進行形"を見続けたい理由になってしまった。まったく人たらしなバンドだ。
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