Japanese
BLUE ENCOUNT
Skream! マガジン 2026年01月号掲載
2025.12.19 @Zepp Haneda(TOKYO)
Writer : 石角 友香 Photographer:浜野カズシ
2025年2月にリリースした5thフル・アルバム『Alliance of Quintetto』を掲げた全25本の全国ツアー[BLUE ENCOUNT tour 2025 "Meet the Quintetto"]を12月19日のZepp Haneda(TOKYO)で完走したBLUE ENCOUNT。ツアー後半の11月からは定番曲とレア曲をリクエストで募り、ニュー・アルバムの楽曲と戦わせる試みも実施。ファンを含めて"クインテット"なのだという意思が込められたニュー・アルバム、そしてライヴで爆発必至のナンバーがどちらもBLUE ENCOUNTの今として鳴らされた特濃な2時間強となったのだ。
馴染みのSEが流れるなか登場した4人はツアーのテーマのような「クインテット」でライヴをスタート。英語詞をフラットに盛り込めるようになった田邊駿一(Vo/Gt)のマインドと、ファンを含めた"五重奏"が今のブルエンであることを示す。ここから6曲、立て続けにアルバム『Alliance Of Quintetto』から披露するスタイルは曲調こそバリエーションがあるが、そのことも含め、音楽的な志向を明確に伝える効果を最大限に発揮していた。続く「BABEL」はバンドの力量を露わにする8ビート、そして「Bloody Liar」では糸のような細いレーザーが繊細な歌詞での始まりを効果的に演出。バンドインの迫力を際立たせる。
曲間にはフロアから"おかえり!"という言葉やメンバーの名前を呼ぶ声が上がり、長いツアーからの帰還を祝福。田邊はツアーの振り返りをしていたら2時間はかかるから、このツアーがどうカッコいいのかはこのライヴで見せると明言した。そこから明るさと切なさが混じるエモ/パンクな「daisy」、イントロでの辻村勇太の超絶スラップに大きな歓声が起きた「ALIVE」へ。江口雄也(Gt)のループ・フレーズが緊張感を煽り、全員のリフが分厚い体感で迫る。ブレイクもツアーで磨かれた抜群のタイミングで決まり、引き締まったアンサンブルが心地よい。いい緊張感はハンドマイクでの宣誓めいた歌始まりで突入していく「有罪布告」に接続。キレのいいラップも盛り込み、テンションを高め切ったアウトロまで、見ているこちらの心拍数も上がる。息もつかせない展開ながら、1曲ごとの個性が印象に残った。
"アルバム・リリースからほぼ1年経ったんだよね? 久々に小箱も回る全国ツアーで、いつもは俺がセットリストを決めるんだけど、後半はみんなの力も借りたリクエスト・コーナー"と田邊が言った途端の歓声の大きさったらない。"まずはレア曲を"と始まったパンク/エモコアなシンプルさゆえに強力な「DESTINATION」で、フロアはいい意味で獰猛さを加速させる。自然と自分を解放して、全力で挑んでいる感じだ。さらに隠れたユニークな激烈ナンバー「HOPE」。江口の特徴的なリフが痛快にフリーク・アウトを誘い、高村佳秀の正確無比なブラストビートに煽られる。ビートは激しさを保ちながら、気持ちを乗せられる「青」がドロップされる。田邊が"「今をもっと愛してやれよ」"の箇所でフロアにマイクを向け、どデカいシンガロングが起きた。この曲の演奏で、過去曲でもバンドとファンが作るツアーを実感することができ、ツアー後半のセットリストの意味を見た気がする。さらに前半のハイライトは、江口と田邊の繊細なギター・アンサンブルが聴きどころの「EVE」。後で2人とも大いに緊張したことを告白していたのも納得。ライヴの披露がレアなことに加えて、曲調がガラッと変化するセットリストだけに気持ちの切り替えも必要だと想像できるからだ。
"ジェットコースター(セトリ)になってきてますが、ここからは定番曲いきます。でもここからもある意味ジェットコースターか"と田邊が言ったのも頷ける、キラーチューン「LAST HERO」からの流れ。このあたりから辻村が頻繁にドラム台に上がり演奏していた。そして図太いビートがミクスチャー色の濃い「D.N.K」。辻村のスラップ、江口のリフ、高村のドラム・ソロと、プレイをリレーしていく。そもそもタイトな曲だが、ライヴでこんな弾みつつタイトな演奏が楽しめるとは。フックの多いクセになるナンバーが続いた後は、日常に寄り添う歌詞に自分の毎日を重ねてしまう「ANSWER」、サビのシンガロングで感情を発散させると同時に共有する「HANDS」と、実にいい流れだ。どんなことに悩み、どんな人であろうとするか。ファンのリクエストで組まれた中盤のセットリストは、バンドとファンがなぜブルエンじゃなければならないのかがすんなり飲み込めるストーリーを描いていた。
再び『Alliance of Quintetto』収録曲を続けて披露する後半は、前半とは打って変わってブルエンのポップスやR&Bの要素も見せるチャレンジングな展開に。「プロメテウス」での人力ハウスなビートや、軽いポップスにならない辻村のファンクネスを実感。そしてこのツアーで新たに導入された辻村のシンセ・ベース、高村のパッド使いや精緻なハイハット・ワークも大きな見どころとなった「bird cage」。ただ、エレクトロニックな側面だけでなく、そこに効果的なギターのアルペジオが組み合わさっていることが彼等らしいし、ライヴでも近い距離感の歌唱を聴かせた田邊の新境地にも喝采を送りたい。
もはやどんなバンドか分からないと自分で笑う田邊。ただ、真実はカッコいい音楽はカッコいい人がやっているということ。"RPGみたいに冒険してもうなんのバンドか分からなくなっても、得てきたもので俺等はカッコいいバンドになったと思う"と、現在の境地を話してくれた。その背景には辻村のニューヨーク行きで、ニュー・アルバムを4人で作ることができるか分からなかった時期の不安を乗り越えてきた事実もある。当たり前の活動がそうじゃなくなったこと。それを体験した4人は過去最高に楽しそうだった。
終盤もアルバムから怒涛の展開。まるで初期曲のようなブラストビートの「overtime」は、しかし今のエクストリームな側面で確実にアップデートされている。それは「DEAD」にも接続し、マイナー・チューンのヒリヒリする感覚はブルエンの1つの十八番だが、その最新版「chang[e]」はやはり武器が多い感じだ。そしてハード且つフェティッシュなギター・リフが危機感を煽る「囮囚」ではエクストリームな重奏の渦に巻き込まれ、エンディングはマシンガンのような高村のプレイでフィニッシュ。隙のないライヴ・アレンジが見事と言うほかない。
ラスト2曲を前に田邊が個人活動も多かった2025年を振り返り、そのしんどさも正直に話しながら、メンバーそれぞれの卓越したプレイはその人にしかできない、ひいてはファンもそれぞれその人にしかできないことをやっていると話す。そこには個々の人生がある上で、ライヴという場に集まる奇跡への感謝があった。"あんたらはカッコいい。あんたらの主題歌をやっていくバンドです"という改めての意思表明からの「to be continued」の説得力、ブルエンの過去の名曲が持つリフやサビで開かれていく定番の構成を今の演奏で表現した「gifted」の開放感は、笑顔でここからまた歩いていくバンドとファンに相応しい。22曲の特大ボリュームを爽快に締めくくった。
アンコールでは会場のみの秘密にすることを前提に、ボートレース2026TVCMタイアップ・ソングに新曲「幻日」が決定したことを発表。嬉しさを全力で表す田邊は、「はじまり」から10年を経て、その続きをやっと書けたとも話してくれた。
そしてアルバムから「アマリリス」、ニューシングル「BLADE」まで、アルバム全曲とファン投票、さらに最新曲というフル・ボリュームで完結。ロング・ツアーに新しい刺激を取り込む、それこそが2025年のBLUE ENCOUNTを象徴していた。
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