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INTERVIEW

Japanese

BLUE ENCOUNT

2020年09月号掲載

BLUE ENCOUNT

Member:田邊 駿一(Vo/Gt) 江口 雄也(Gt) 辻村 勇太(Ba) 高村 佳秀(Dr)

Interviewer:石角 友香

-大まかなストーリーとしては、目的があって活動している人が冷笑されるような。そして、そこにいろんな他の要素も絡んできますね。

田邊:そうですね。青春というものを軸にしながら、すごく面白いんですよ。着眼点がすごいというか。別にアクション・シーンがあるわけでもないですし、人が死ぬとか、そういうわけでもないんですけど、その類のものを見ているようなハラハラ感が映画にもあるし、原作の言葉の置き方だったり、チャプターの置き方だったりによってドキドキ感を増幅させてる。やっぱすげぇんだなって思うような住野先生の熱量に、ブルエンの持ってる熱量としていかに応えられるか? って。でも、最初からこのミドル・テンポの新曲たちをめっちゃ作りましたね。「もっと光を」を使ってもらってたから、「もっと光を」を継ぐやつを作るのではなく、最初から僕の中ではこの映画というものに対して作ってました。

-この曲の面白いところは、大人になることに対して1番と2番で目線が変わるのが映画にリンクしてるのかな? というところで。

田邊:うん、そうですね。やっぱり最初は猪突猛進に自分の我を突き合ってる感じというか、こじれたからわかる自分像というか、"俺こんなことをしたかったんじゃない"、"こんなことをやってたんだ"と気づく瞬間ってあると思うんです。学生のときに気づかなくても、20代~30代になって気づいたときに、あのときの自分を責めるんじゃなくて、肯定するのが大事なのかなって。僕も学生時代を憂う時間が長かったんですけど、30代になって浄化したというか、地元の友達と飲んだときに"あ、あのときの俺っていけてたんだ"と思えたんです。そう考えたらやっとあのときの自分から卒業できそうだなって、自分の中のマイルストーンとして置いた部分もすごくありますね。

-ジャンル感をなかなか特定しにくい大きな曲ですが、アレンジに関してはいかがでした?

高村:この曲はプロデューサーの玉井(健二)さんに入っていただいて、一緒にアレンジしたんですけど、この曲自体7年前に原型ができてて、そのときのアレンジと今回のアレンジは違うんですよ。今のブルエンとしてこの曲を表現するときにどういうドラムがいいんだろうな? どういうアレンジがいいんだろうな? っていうちょっと思い切れなかった部分を玉井さんに背中押してもらって"いや、それでいいんだよ"とか、"こういうのあるんだよ"とかって自分の引き出しもちゃんと出してくれたっていうか。その玉井さんの力があって、自分自身としても自信を持ってこのフレーズをやっていこうとか、そういう意味でも挑戦できたかなと。

-どういうところですかね? 大きなグルーヴや全体で聴かせる部分?

高村:それと同時にあくまでロック・バンドとしての、ライヴもちゃんと想像できるような演奏っていうか、あんまり縮こまらないでガツガツいこうっていう気持ちも、"それでいいんだよ"って言ってくれる人がいるから、自信を持ってやれましたね。

-「ハミングバード」(2020年4月リリースのデジタル・シングル)から続いてるからかもしれないですけど、ナチュラルな音像ですね。

田邊:そうですね。メッセージというものがよりしっかりし出したので、最終的にはそのメッセージをいかにおいしい状態で届けるか? 的なアプローチをするようになったというところはあります。もちろんやんちゃにしたい曲は今後もできますけど、前みたいにガンガン歪ませてドン! みたいな感じはなくなってきたかなって。でも、それが大人になったとかじゃなくて、去年出した「ポラリス」(2019年リリースのシングル表題曲)とかも、いつも通りのアップテンポの曲なんだけど、音をちょっとこだわっただけで全然音像が違うっていうのを教えてもらったからこそ、できるようになったっていう自信はあるので、この曲はまさにそれの片鱗を見せられてる。

-で、やんちゃにできるという意味ではカップリングの「1%」はそうなのかなと。

田邊:これは去年ぐらいから作ってたんですけど、いろいろとあって作ってるうちに、僕の中では頭の"ウォーオーオー"っていうのを大事にしたいなと思ってました。"来年の春フェス、夏フェスでやろうよ"ぐらいの感覚で、久々にライヴを想起して作ったので、フェス志向でいってましたね。わりとブルエンの初期でやってた感じではあったんで、久々にライヴの動きを考えて作って、無駄を結構省いて、伝えたいこと、伝えたい音をドーンと入れてるのは直球な感じで、すごくブルエンらしいなっていうのはあります。

江口:ライヴ感もそうですし、全体的に昔自分が聴いてた青春パンクな感じのイメージで、ほとんど思ったまま音に詰めた感じなんです。「ユメミグサ」はいつも以上に繊細にやったんで、そのぶん対比を思う存分こっちでやってる感じですね。

-そして、今この「ポラリス」のライヴ・バージョン(※通常盤収録)を聴くと空気感や、冒頭のクラップだけでも、ライヴってこうでしたよねって思いが溢れます。

田邊:もう、それこそ僕、"NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019"(ASIAN KUNG-FU GENERATION、ELLEGARDEN、ストレイテナーで開催したツアー)の(Blu-ray/DVDの)映像も先に観させてもらって、コメントも書かせていただいたんですけど、ヤバかったすもんね。"今すぐ(ライヴ)させい!"みたいな(笑)、"今すぐ客入れい!"みたいな感じの極論に達するぐらい、今ライヴ映像って言葉選ばず言うと禁断の麻薬みたいな、下手したらそうなっちゃうじゃない?

江口:たしかにね。

田邊:大阪のほうでは空調にこだわったりして、お客さんも半分ぐらい入れてちょこちょこイベント開催されてますけど、都内じゃまだなかなかできないですし。自分たちの中でもちょっと落ち着きながら、ここからはライヴ・バンドの土台がありつつアーティストとして冷静に伝えるという、やり方のバランスを整えていかないと配信では勝っていけないんだろうなと思ってますね。

辻村:配信だからこそ、大先輩方のフィジカルの強さが余計わかりやすいですね。だって、細美(武士/ELLEGARDEN/the HIATUS/MONOEYES/Vo/Gt etc.)さんとかも、逆にレアだなと思って。こういう機会じゃないとなかなか映像で観ることもないだろうなと。HYDEさんも、ああいう先輩こそやっぱブレがないなと感じましたし、そういうところは勉強になりましたね。