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INTERVIEW

Japanese

ヒトリエ

2017年12月号掲載

ヒトリエ

Member:wowaka(Vo/Gt) シノダ(Gt/Cho) イガラシ(Ba) ゆーまお(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-最後に歌詞のことも訊ければと思います。今日最初に話していただいた、バンドをやる原点とか怒りって、「絶対的」とか「NAI.」にそのまま書かれてますね。

wowaka:そうですね。なんで俺がボカロから離れたかを振り返ったときに、怒ってたんだ、キレてたんだ、悲しかったんだって気がついたんですよね。じゃあ、そういう感情の振り幅を曲に落とし込めたら、俺はもっと自由になれるんじゃないか、みたいなところもあって。今回は怒りの気持ちが強いんです。前作の『IKI』で得たものは喜びとか生きている実感だったけど、もっと感情を全方向でピークに持っていきたかったんです。

-喜怒哀楽の中のポジティヴな感情だけじゃないところにもいきたかった?

wowaka:そういうことも、できる人は生まれた瞬間からできてたと思うんですよね。でも俺は29年間できなかった人間なんですよ。その"喜び"っていう方向に関しては前回できるようになってきたから、それを知ったら逆にもいきたくなったんです。

-しかも、その怒りをぶちまけて終わりなんじゃなくて、ちゃんと前に進む方向に転換しようとしてるから、このミニ・アルバムを聴くと一緒に闘っていけそうな気がするんです。

wowaka:あぁ、そうなんですよ。闘いたいんですよね、俺は。愛のために闘いたい。

ゆーまお:デカい!

シノダ:すごいところにいったね。

wowaka:「Loveless」とかでも歌ってるんですけど、自分はどうなりたいのかって考えたら、結局、人に好かれるっていう狭い意味だけじゃなくて、いままで俺はいろいろな人の愛情に助けられてきたはずだし、それをもっと感じられるようになりたいし、与えられるようになりたいんです。そのためには、怒りも言わないといけなかったんですよね。

イガラシ:いま"愛のために戦うんだ"っていうのは初めて聞いたんですけど、そう考えると、ジャケット写真もそういうもののシンボルに見えてくるなと思いました。完全に印象操作ですね。いま洗脳を受けたような感じです(笑)。

-もともとのジャケットのデザインはどういう意味なんですか?

wowaka:これ言っていいのかなぁ。こういうのって言葉にすると陳腐になる気がして、言うのをはばかれるところではあるんですけど......漢字とカナで"一人へ"なんですよ。

-ホントだ。たしかに言わないでおいて、気づく人に気づいてほしいやつですよね。

wowaka:いや、たぶん気づけないような気もするので、言っておきます(笑)。これがある種、戦いの旗のようにとってもらえたらいいなと思ってますね。

-わかりました。今回のミニ・アルバムは、いい意味でリスナーが『IKI』以降のヒトリエがどう進むかに期待を膨らませてくれる過渡期のような作品でもあると思います。

ゆーまお:もちろん自分たちとしては、この作品でちゃんと結果は出したんですけど。"じゃあ、次はどこへ行くか?"みたいな感じはあります。

シノダ:そこは自分たちでも想像がつかなくて面白いですね。