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INTERVIEW

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。

 

ぜんぶ君のせいだ。

Member:如月愛海 ましろ 一十三四 咎憐无

Interviewer:吉羽 さおり

ぜんぶ君のせいだ。(通称:ぜん君。)が3枚目となるフル・アルバム『Egoistic Eat Issues』をリリースした。その発売を前にして、今年1月に加入した未来千代めねが、喉の病気のため脱退することとなってしまった。ぜん君。として活動をスタートして2年、メンバー・チェンジも何度か経験し、決して順風満帆とは言えない、むしろ常に波乱含みのキャリアではあるが、3rdアルバムはそんな歴史も全部背負って、タフになって、でもやっぱり泣いたり笑ったりセンチメンタルになったりと、気持ちが忙しいことこの上ないアルバムだ。ぜん君。にしか作ることができない、ちょっぴりヘタレで、でも愛すべき人生賛歌をぜひ味わってほしい。

-8月に(未来千代)めねさん脱退のお知らせがあって驚いたのですが、アルバムもできあがっていたころだと思うし、結構急なことだったのでは、と思うんです。波乱ですね、ぜん君。は。

ましろ:そうですね、なかなかまっすぐにはいかないというか。

如月愛海:でも、これもいい人生ですよね(笑)。

-でも、そういうなかでとてもいいアルバムが完成しました。よりぜん君。の想いがたっぷりと乗って、且つチャレンジをしているような新しいタイプの曲があって、前に進んでいる感じが出ています。

如月愛海:そうですね。今まで以上に歌うパートも増えたし、レコーディングもいつもどおり日程がきゅうきゅうだったんですけど、めねの声のことも知りながら録っているので、なおさら気持ちを入れられた部分もありましたね。

ましろ:今回のアルバムは新曲が多いので、今までよりも、今のメンバーの"らしい感じ"がギュッと詰まった新曲たちになったかなと思ってます。

一十三四:全部がリード曲になれるくらい、いい曲ばかりなんですよね。攻めているものとか、ふざけているものとか、ちょっとエモいものとか。でも全部聴き終わっても、いい意味で重たくない。繰り返し聴けるようなアルバムだと思います。

咎憐无:ライヴで、患いさん(※ぜん君。ファンの呼称)が盛り上がる曲たちが増えたなって思います。

-まず、1曲目でリード曲「独白園」からパワーがありますね。パワーもあるし、"これぞぜん君。だな"という"想いの重さ"が詰まりに詰まった内容でもある。

一十三四:全部をボンっと詰め込んだような曲ですね。

如月愛海:重いですね。でも、最初は遊べるパートもあって。

-たしかに。前半のものすごい高速パートを歌っているのは?

如月愛海:わたしと咎憐无です。

咎憐无:滑舌が悪いのに。

如月愛海:これは早送りもしてないんですよ。

一十三四:咎憐无、レコーディング終わったあと汗ダーダーでした(笑)。

咎憐无:はい。全身から汗が出ました。

-"君"への感情過多のヘヴィさをスピーディに聴かせる曲になって、アルバム冒頭で存在感を示してますね。

ましろ:今まで、スピード感がある曲も重たい曲もいろんな形をやってきたんですけど、こうして1曲にいろんなことを詰め込んだのは新しい挑戦でした。自分たちでもいろいろと考えながら歌っていて。

一十三四:ぜん君。ではライヴのセットリストで情緒不安定ということはよくあるけど、1曲で情緒不安定な曲はなかったかもしれない(笑)。

ましろ:そういうのがやっとできた感じが。

一十三四:いろいろ経てきてやっとできた曲なので、大切にしたいですね。

-はい、それくらい言い切っている曲だと思います。

如月愛海:それでいて、「無題合唱」(2016年リリースの1stシングル表題曲/今作のTrack.2に収録)とか「独唱無題」(2016年リリースの2ndフル・アルバム『アニマあにむすPRDX』収録曲)に通じるくらいにエモく落とすので。

ましろ:最後にね。しかも転調してくるからね。

如月愛海:沼にハマれよ、という(笑)。

一十三四:途中から急に、自分の心の内を曝け出してきて。"え? え? え?"みたいになっちゃう曲なので(笑)。

-3作目のアルバムだからこその深みですね。そして今作で、もう一度「無題合唱」が収録されました。ぜん君。を代表する曲でもあって、今のメンバーでも形にしておこうということだと思うんですが。活動を経て、たくさん歌ってきて......歌うたびに曲への想いや変化は感じますか。

如月愛海:感じますね。それこそライヴの場所によって顔を変える曲なんです。ツアーの最初のワンマンや最後のワンマン、あとは、昔は全然人が入らなかったようなハコでやるときの「無題合唱」は、グッときました。フェスやイベントでやると、これがお客さんを掴む曲になったりすることもあって。それをまたこの4人で録ったので、いろんな顔を見せてくれるんじゃないかなと思います。

-イメージとしても、最初のころの「無題合唱」ってもっと弱々しい感じもあったというか。

ましろ:たしかに(笑)。

-今回の「無題合唱」で精神的な面での強さみたいなものが出ているのは、進化だなと思います。

ましろ:ずっとやってきましたし、いろんな空気の「無題合唱」を何回もライヴでやってきたからこそっていうこともあると思うし。初めて聴いてくれた人もそうだけど、何度も聴いてきた人も、"この日の「無題合唱」は泣ける"とかもあって。自分たちが経験してきたことも、患いさん自身の気持ちも、一緒になって形に変えてくれる曲なので。それがまたこうして録れたのかなと思いますね。

-そして一転して、面白いなと思ったのが3曲目にくる「みすふぃっとらヴぁーず」でした。これは、元気いっぱいにやりきってるなと。

一十三四:ライヴでもみんな楽しんでくれるんです。

如月愛海:曲順としても、最初に落としておいて、いきなりグーンとくるみたいな。

-アルバム冒頭から感情の高低差はかなりのものですね。

如月愛海:エモいものや苦しい思いも大事だけど、やっぱり笑いたいので。楽しく生きたいのはみんなそうだと思うから。この曲を持ってくることで、これからもまだ続くんだって思わせたいというか。