Japanese
ぜんぶ君のせいだ。
Skream! マガジン 2020年08月号掲載
2020.07.24 @中野サンプラザ
Reported by 吉羽 さおり Photo by 関上貴也
4連休中の7月24日、中野サンプラザで"ぜんぶ君のせいだ。単独公演~生鳴兆候~"が行われた。新型コロナウイルス感染防止のガイドラインに則って、観客は入場時には検温をし、ソーシャル・ディスタンスが取られた座席ではライヴ中も着席、マスク着用、歓声やコールも禁止という厳戒態勢でのライヴとなる。普段はライヴハウスで、パンク・バンドのライヴのような熱量でステージとフロアとがせめぎ合う"密"極まりない空間を生み出すぜんぶ君のせいだ。(以下:ぜん君。)だけに、このライヴならではの要素を差っ引いたときにどんな温度感となるのか。着席し、友人と話をするにも声をひそめている観客からは緊張感が漂っている。
いよいよ開演となる17時。ステージ中央のヴィジョンにはバイタルサイン(生鳴兆候)が映し出され、バンド・メンバー、そして如月愛海、ましろ、一十三四、征之丞十五時、凪あけぼのの5人が登場。如月愛海の"中野サンプラザ全員、こぶし上げろ!"の声で昨年末にリリースした5thアルバム『或夢命』から「When you 2 WANT」で"生鳴兆候"の幕を開けた。歓声の代わりに拍手や精一杯こぶしを上げて応える観客に、歌詞中の"色々あるけど笑ってこーぜ!"がストレートに響く。「メスゲノムフェノメノン」、「みすふぃっとらゔぁーず」とアップテンポでハイパーなテッパンの盛り上がる曲が連打され、ステージ狭しと走り回り、息の合ったステージングで魅せる5人。ステージとフロアの間の堅苦しい緊張感や戸惑いを、そのパンチ力のあるパフォーマンスで粉砕していった。前半の5曲をフルスロットルで駆け抜けて、ひと言自己紹介をしたあとは、ぜん君。の真骨頂と言える緩急の甚だしい感情のジェットコースターがスタート。その始まりは、結成時からメンバーが変わりながらも大事に歌い継がれ、さらに繊細にアップデートをしてきた「無題合唱」。遠くの君に切ない想いで呼び掛けるようなエモーショナルな合唱から、「キミ君シンドロームX」、早口ヴォーカルの「ねがねおじぇらすめろかおす」と続け、ポップで素っ頓狂なキュートさを炸裂させる。5人それぞれのキャラクターが光る歌割りと振付で、ユーモラスにシアトリカルに会場の明るさを増す。かと思うと狂おしい慟哭を響かせる「Cult Scream」や一十三四のアグレッシヴなシャウトで感情を爆発させる「WORLD END CRISIS」とヒリヒリとしたロック・チューンで観客を圧倒する。気持ちに休みないどころか、MCなどの"間"を挟むことなく矢継ぎ早に繰り出されるサウンド、それも剛柔を振り子のように行き来する曲に、観客もまた情緒不安定気味だ。そんなデリケートになったハートに、後半はぜん君。の成長の歴史、心の変遷を凝縮したような曲が並ぶのは反則だ。このコロナ禍以前から不器用さゆえに誰かが勝手に決めた社会からはじき出されたソーシャル・ディスタンス状態だった、そんないびつなメンバーが集まったぜん君。ネガティヴな独りぼっち感でこじらせた"君"へのヘヴィな想いや過剰な承認欲求は「僕喰賜君ノ全ヲ」、「唯君論。」といった曲に投影される。でもこの5年(現体制となって1年)、いびつながらも全員が体当たりしながらグループとして走ってきた時間は、他者に何かを求めることでなく、確かな自己肯定を育んでいった。2019年に満を持してリリースされたシングル「ぜんぶ僕のせいだ。」で"君は僕の為、僕は君の為、此処に居るんだよ。"と対等な目線で歌われる。鎧や武器といったパワフルさは置いた、素の5人が見えるようで眩しい曲だ。本編のラストにこの曲を据え、観客とさらに心の距離を縮め歌う姿は美しい。観客がグッときていることも肌で感じられ、またステージ上の5人も感極まる瞬間を迎えているのがわかる。ミラーボールがまばゆい光を落とすなか、最高にエモーショナルな高揚感が会場を満たしていった。
10分間の換気タイムを経て迎えたアンコール、ここでは5人のソロ曲も披露という普段ではない試みもなされた。本編まではオンラインで配信されたが、ここからは会場に集ったファンへのスペシャルな内容となる。そして、このアンコールの最後に歌ったのが、これまでも節目と言える大事な場面で披露されてきた「革鳴前夜」。観客が来るべきこの先への思いを受け取った矢先、再びオープニング同様のバイタルサインがヴィジョンに映し出される......が、その心拍は突如フラットとなり意味深なまま、"ぜんぶ君のせいだ。単独公演~生鳴兆候~"は幕を閉じた。
翌25日、ぜんぶ君のせいだ。は8月初旬を目途に"一時"活動休止することが発表された。"一時"と強調されているのはファンにとってはかなりの安心材料だろう。今回はコロナ禍の影響で制限が設けられていたが、このホール公演も満員の状態で見たかったというのは本音としてある。そう遠くない将来、パワーアップしたぜん君。とまた出会えるのは楽しみだ。
- 1
LIVE INFO
- 2022.07.04
-
ドミコ
UNDERWORLD
GANG PARADE
CULTURES!!!
ユレニワ
SUPER BEAVER
Saucy Dog
- 2022.07.05
-
kobore
KEYTALK
CULTURES!!!
KANA-BOON
あいみょん
GANG PARADE
PELICAN FANCLUB
オカモトコウキ(OKAMOTO'S) × TAIKING(Suchmos)
MAN WITH A MISSION
may in film
リーガルリリー
SUPER BEAVER
ユレニワ
- 2022.07.06
-
KEYTALK
オカモトコウキ(OKAMOTO'S) × TAIKING(Suchmos)
あいみょん
GOOD ON THE REEL ※振替公演
KANA-BOON
UNDERWORLD × サカナクション
キュウソネコカミ
- 2022.07.07
-
四星球
GOOD ON THE REEL ※振替公演
KEYTALK
桃色ドロシー
CULTURES!!!
Keishi Tanaka
yonawo
ビレッジマンズストア
reGretGirl
BACK LIFT
Rhythmic Toy World
ドミコ
フレンズ
UNDERWORLD × サカナクション
ZOC
MAN WITH A MISSION
超能力戦士ドリアン
東京スカパラダイスオーケストラ
- 2022.07.08
-
四星球
崎山蒼志
THE BACK HORN
Keishi Tanaka
chelmico
ルサンチマン×クジラ夜の街
クジラ夜の街×ルサンチマン
kobore
BACK LIFT
Rhythmic Toy World
ヤユヨ
藍色アポロ
PIGGS
Newspeak
CIVILIAN
yonawo
GRAPEVINE
UNISON SQUARE GARDEN
Mrs. GREEN APPLE
Organic Call
mol-74 ※振替公演
a flood of circle
ニガミ17才
- 2022.07.09
-
Keishi Tanaka
THE BOYS&GIRLS
FOUR GET ME A NOTS
四星球
ASP
GRAPEVINE
ビレッジマンズストア
崎山蒼志
wacci
アメノイロ。×Organic Call
KEYTALK
back number
BBHF
豆柴の大群
"Starfield vol.29"
Creepy Nuts
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
フレンズ
LACCO TOWER
ネクライトーキー
TOKYOてふてふ
chelmico
Ivy to Fraudulent Game
Made in Me.
あいみょん
BiS
INORAN
伊東歌詞太郎 ※開催中止
私立恵比寿中学
ASIAN KUNG-FU GENERATION
南無阿部陀仏
- 2022.07.10
-
FOUR GET ME A NOTS
ビレッジマンズストア
ASP
Keishi Tanaka
KANA-BOON
THE BACK HORN
LACCO TOWER
kobore
KEYTALK
back number
the band apart
藍色アポロ
THEティバ
"Party the Playwright 2022 -10th anniversary-"
Made in Me.
神はサイコロを振らない
THE SPELLBOUND
ネクライトーキー
UNISON SQUARE GARDEN
Ivy to Fraudulent Game
あいみょん
南無阿部陀仏
The Birthday × envy × THA BLUE HERB
tacica
ナードマグネット
YENMA ※振替公演
宮下 遊
ハンブレッダーズ
INORAN
ドミコ
ユレニワ
THIS IS JAPAN
- 2022.07.11
-
Keishi Tanaka
SUPER BEAVER
キュウソネコカミ
- 2022.07.12
-
KANA-BOON
サカナクション
KEYTALK
TOOBOE
Half time Old × TETORA
クラムボン
GANG PARADE
- 2022.07.13
-
Organic Call
キュウソネコカミ
KANA-BOON
サカナクション
なきごと × Mr.ふぉるて
挫・人間
清 竜人
TENDOUJI
踊ってばかりの国 × THA BLUE HERB
never young beach
くるり
- 2022.07.14
-
KEYTALK
坂本慎太郎
セカイイチ
TENDOUJI
MAGIC OF LiFE
SUPER BEAVER
- 2022.07.15
-
フレンズ
PAN
水曜日のカンパネラ
UNISON SQUARE GARDEN
ネクライトーキー
GRAPEVINE
Newspeak
アルコサイト
the shes gone
フジファブリック
黒川侑司(ユアネス)
くるり
崎山蒼志
B.O.L.T
藍色アポロ
TENDOUJI
the band apart
SUPER BEAVER
ASIAN KUNG-FU GENERATION
Rhythmic Toy World
kobore
- 2022.07.16
-
上白石萌音
PAN
"FREEDOM NAGOYA 2022 -FOR OUR LIVE HOUSES-"
Ivy to Fraudulent Game
ヒトリエ
"FREEDOM NAGOYA 2022 -FOR OUR LIVE HOUSES-"
UNISON SQUARE GARDEN
Made in Me.
As We Like
ASP
tacica
伊東歌詞太郎
ヤユヨ
PIGGS
[Alexandros]
鶴
門脇更紗
"FREEDOM NAGOYA 2022 -FOR OUR LIVE HOUSES-"
"FREEDOM NAGOYA 2022 -FOR OUR LIVE HOUSES-"
"FREEDOM NAGOYA 2022 -FOR OUR LIVE HOUSES-"
フジファブリック
Varrentia
黒川侑司(ユアネス)
THE BACK HORN
YUKI
"FREEDOM NAGOYA2022 -EXPO-"
Predawn
KEYTALK
BiS
"GFB'22(つくばロックフェス)"
あっこゴリラ
"CURRY&MUSIC JAPAN 2022"
"FREEDOM NAGOYA 2022 -FOR OUR LIVE HOUSES-"
THEティバ
Keishi Tanaka
TOKYOてふてふ
神はサイコロを振らない
"イノマーロックフェスティバル"
ポップしなないで
Absolute area / THREE1989 / DeNeel(O.A.)
- 2022.07.17
-
魅音
"NUMBER SHOT 2022"
ヒトリエ
崎山蒼志
水曜日のカンパネラ
Ivy to Fraudulent Game
Made in Me.
the shes gone
くるり
As We Like
ASP
ナードマグネット
Keishi Tanaka
伊東歌詞太郎
GRAPEVINE
鶴
愛はズボーン
TOKYOてふてふ
Predawn
ドミコ
Dannie May
YUKI
androp
Varrentia
wacci
"RAD JAM"
おいしくるメロンパン
"GFB'22(つくばロックフェス)"
チャラン・ポ・ランタン
halca
ぜんぶ君のせいだ。
ルサンチマン×クジラ夜の街
"CURRY&MUSIC JAPAN 2022"
Age Factory
クジラ夜の街×ルサンチマン
The Biscats
神はサイコロを振らない
ヤユヨ
Ghost like girlfriend
- 2022.07.18
-
"NUMBER SHOT 2022"
くるり
UNISON SQUARE GARDEN
THE BACK HORN
フレンズ
ASP
Keishi Tanaka
ASIAN KUNG-FU GENERATION ※開催見合わせ
[Alexandros]
鶴
ビレッジマンズストア
PIGGS
水曜日のカンパネラ
アメノイロ。
崎山蒼志
"猿爆祭 2022"
THE SPELLBOUND
"CURRY&MUSIC JAPAN 2022"
LACCO TOWER
indigo la End
CIVILIAN
スカイピース
"シンガロンシンガソンSHIMOKITA 2022"
四星球
Ryu Matsuyama
Dear Chambers
豆柴の大群
大森靖子
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
- 2022.07.19
-
MAN WITH A MISSION
TENDOUJI
RELEASE INFO
- 2022.07.04
- 2022.07.06
- 2022.07.07
- 2022.07.08
- 2022.07.09
- 2022.07.10
- 2022.07.13
- 2022.07.15
- 2022.07.20
- 2022.07.22
- 2022.07.27
- 2022.07.29
- 2022.08.03
- 2022.08.05
- 2022.08.09
- 2022.08.10
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Mrs. GREEN APPLE
ヒトリエ
Skream! 2022年07月号