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INTERVIEW

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。

2020年11月号掲載

ぜんぶ君のせいだ。

Member:如月愛海 征之丞十五時 甘福氐 喑 もとちか襲 雫ふふ

Interviewer:吉羽 さおり

7月24日に、中野サンプラザで有観客でのライヴ"ぜんぶ君のせいだ。単独公演~生鳴兆候~"を行い、これまでとこれからを繋ぐ熱いライヴを行ったぜんぶ君のせいだ。(以下:ぜん君。)。そのあと、一時活動休止のアナウンスがあり、続けて発表されたのは一十三四、凪あけぼのの脱退だった。それから新メンバーが加わるも、さらにましろの脱退も発表。"こんな展開誰も予想してなかったでしょっていうところからして、ぜん君。っぽい"と如月愛海は笑うが、スタートから5年、一歩ずつ信頼を掴みながらファンの裾野を広げてきただけに、グループがこれからどうなるのか不安がなかったと言えば嘘になる。しかし、ニュー・シングル『インソムニア』を聴くと、その視界はクリアになるだろう。新体制ぜん君。は、どこに向かうのか。期待していい。

-まずは今年7月24日に中野サンプラザでのライヴ("ぜんぶ君のせいだ。単独公演~生鳴兆候~")後、一時活動休止の発表があって。そのあと、メンバー脱退と新メンバー加入のニュースが立て続けにきて、びっくりしたのですが、まず、あのサンプラザ公演のあとはぜん君。としてこうしていこうというのがあったんですか?

如月愛海:もうやるしかないなという感じでした。もともとよつ(一十三四)とぼの(凪あけぼの)の脱退に関しては、本人からも聞いていた部分があったので。みんなで話をして、活動休止になる8月9日("こどもめんたる~はっぴょうの拾伍~夏祭りSP")、10日のライヴ("ぜんぶ君のせいだ。緊急ワンマンLIVE~きら秘夜征服~"、"ぜんぶ君のせいだ。緊急ワンマンLIVE~よつ葉のクローバー~")を最後に脱退するというのをふたりとも了承してくれて。中野サンプラザのときは、これから先のことも見据えてライヴができたので、楽しいほうの気持ちがすごくあったんです。私たち自身は、中野サンプラザでしっかりとライヴができたことで、心も区切れるなという感覚だったんですね。8月の脱退ライヴでは、いろんな感情が湧き上がってきてしまって涙がダーダーでしたけど(笑)。でも、よつとぼのに対してすごくいいライヴができたなと思っているし、コロナ禍の中、みんなと会える機会ができたのはすごく良かったなって。ぜん君。はやっぱり、患い(※ぜんぶ君のせいだ。ファンの呼称)さんがいないと成り立たないから。そういう意味でも、ああいうタイミングでも、ライヴができたことはすごく大きくて。その段階ではまだ、今までと同じようにこのままどんどん進んでいくんだろうなと思ってました。

-そうだったんですね。

如月愛海:そのときはまし(ましろ)もいたので。ましとよくこれからのぜん君。について話していたんですけど、もし次のメンバーが入ることが決まったら、そのメンバーで武道館に行くと。

-それは結成当初からの目標ですね。

如月愛海:はい。それまでにもし誰かがやめる形になってしまったら、武道館にも行くのをやめようと。もはや解散レベルの気持ちで考えていたくらい、次にすべて懸けるという思いだったんです。

-そのあとにまさかましろさんの脱退も発表されるとは思ってもみなかったです。ましろさんも何か心に決めていたことがあったんでしょうかね。

如月愛海:そうですね......。でも、私もましもそうですけど、結成からこれまで何回もメンバーの脱退や加入というのを味わってきて、もちろんついてきてくれる患いさんたちはすごく多かったですし、私たち自身も、前よりも今の自分たちのほうがかっこいいんだっていうのは絶対貫こうとしていて。患いさんもそういうぜん君。を認めてくれていたんですけど、不安にさせてしまったり、悲しませてしまったりすることもやっぱり多かったと思うんです。そういうものを私たち側からお届けするのは違うじゃないですか。

-そうですね。

如月愛海:そういう気持ちは、初期からいた身としてはお互いにずっとあったんですよね。そんなときもあったからこそ、次こそは最後、本当に最後っていう形で話してはいましたね。そしたらましが抜けちゃって(笑)。

-そのとき、愛海さんはどういう心境だったんですか?

如月愛海:これはましともよく喋っていたんですけど、メンバーが変わっても、ちゃんと新しい誰かがぜんぶ君のせいだ。の意志を受け継いでくれていて。それがぜんぶ君のせいだ。だなって思っている部分があるんですよね。結成して6年目になるんですけど、これだけメンバーが変わってるのに、ぜんぶ君のせいだ。の根本って変わっていなくて。それってたぶん、今までグループにいてくれた方や今グループにいる方が、ぜん君。を理解してくれて、ぜん君。を表現しようとしてくれていたから、成り立っているんだと思うんです。だから、ましが抜けたことによって、自分がゴンッと落ちるような感じにはならなかったです。何が起こるかわからないのが、ぜん君。でもありますしね(笑)。

-たしかに、何が起こるかわからないところはある。

如月愛海:そうなんですよね。悲しいけど、悲しいと言ってもいられないというか。やることはわかっているし、行きたい場所もあるし。たぶんもし私が抜けていたとしても、ましがやっていたと思うんです。そう思うからこそ、逆に、そのときましと話していた意志を受け継いでこれでいこうっていう。このメンバーで欠けることなく武道館に行きたいなって思いました。

-十五時さんは加入してからの1年半、かなり激動の期間だったと思うんです。今回の流れをどう感じていましたか?

征之丞十五時:正直この数ヶ月の間にいろんなことがあって、自分でも悩むこともありました。"自分はどうしたい?"って向き合う時間にもなって。でも、転機があるたびに思うのが、自分はぜんぶ君のせいだ。でいたい、征之丞十五時でいたい、続けたい、患いさんも好きだし、ぜん君。が好きだっていうのが根本にあることなんです。不安にももちろんなりました。自分もいつまでも新メンバーではないですしね。でも、新メンバーが入るとなったときも、まっそん(ましろ)とめーちゃん(如月愛海)が"ふたりがちゃんと、ぜん君。としてやっていける子たちを選んだんだから、大丈夫だよ。十五時は心配にならなくていいよ"って言ってくれて。その言葉で、あぁ大丈夫なんだなって安心したよ?

如月愛海:良かったよ(笑)。

-これまでもいろんなキャラクターのメンバーが加入しましたが、今回もまたタイプの違うメンバーが揃いましたね。

如月愛海:人ってこんなにいろんなタイプがいるんだなというのは思いましたね(笑)。学校や職場で仲良くなる人って、タイプが結構決まってくるというじゃないですか。でも、そういう形で出会っていないから、こんなに人間っていろんなタイプがいるんだなとびっくりしているところです。

-今回は新体制初インタビューなので、新しいメンバーの方も紹介しながら話を聞いていこうと思いますが、まずふふさんは、どういったことでぜん君。の存在を知ったんですか?

雫ふふ:ぜんぶ君のせいだ。を知ったタイミングは、成海5才さんたちがいた頃だから、初期の頃から知っていたんです。引きこもりでネットを見るのが好きで、そこで存在を知って。勝手に、そういう表舞台に立つ人って完璧な人しかいないと思っていたんです。強い意志がないとできないし、強いメンタルの人たちしかいないと思っていたんですけど、ぜんぶ君のせいだ。はそうじゃないし、そうじゃなくても大丈夫だよって歌ってくれていて。それを歌じゃない部分でも伝えてくれているのが、初めて見るなっていう感じで、新感覚でした。

如月愛海:最初から私たちは弱い人間ですよって歌っているので、心に触れるものがきっとあったのかなと。

雫ふふ:はい、それで好きだなってなりました。

-そこからどうやって、自分もぜん君。の一員になろうと?

雫ふふ:最初はそういうつもりはまったくなかったです。オーディションを受けるとなったときに──そのときはぜん君。のというより、事務所の"コドモメンタル"のオーディションだったんですけど──いろんなグループの中で、ぜんぶ君のせいだ。が一番好きで、ぜんぶ君のせいだ。がいいなってすごく強く思いました。オーディションを受けた理由も、私はこれまで生きてきて、何もしてこなかったというか......自分は本当になんの特徴もない、何もない人間だって思っていたので、そのオーディション志望動機に、"何者かになりたい"って書いて送ったんです。その何者かになるとしたら、ぜんぶ君のせいだ。の誰かになりたかったんですよ。

-襲さんはどうですか。

もとちか襲:私が知ったきっかけは、YouTubeで公式のライヴ映像を観たことですね。「Cult Scream」(2018年リリースの4thフル・アルバム『NEORDER NATION』収録)という曲だったんですけど、衣装がかわいいのに、シャウトをしていたり、患いさんを巻き込んだりしたライヴで一体感が凄まじいなって率直に思って。それで憧れというか、衝撃を受けて好きになりました。

-もともと自分でもこういう音楽活動をしたいというのはあったんですか?

もとちか襲:私は歌って踊りたいというのはなかったので、そういった女性グループを好きになったことはなかったんです。そんなにハマったものとかもなかったんですけど、ぜんぶ君のせいだ。がいいなって思って。オーディションでも、"とにかくぜんぶ君のせいだ。がいいです"って言ってました(笑)。