Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

LIVE REPORT

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。

Skream! マガジン 2021年12月号掲載

ぜんぶ君のせいだ。

Official Site

2021.11.02 @渋谷TSUTAYA O-EAST

Reported by 吉羽 さおり Photo by Takaya Sekigami / Sana Utsumi

11月2日、渋谷TSUTAYA O-EASTでぜんぶ君のせいだ。(以下:ぜん君。)の再47都道府県ツアー"Sicutie & Stupid Tour 2021"がファイナルを迎えた。昨年11月、如月愛海、征之丞十五時と、新メンバー3人(甘福氐 喑、もとちか襲、雫ふふ)が加わった5人体制で47都道府県ツア"re:voke tour for 47"をスタートし、今年1月にさらに元ゆくえしれずつれづれからメイユイメイと个喆が加入、7人体制の新生ぜん君。で47都道府県を完走したが、5月には早くも今回のツアーがスタート。1年間で日本全国を2周してきたグループの成長は加速度的で、ライヴという場がいかに大事か、またコロナ禍で制限があるなかでもファン、観客とともに作り上げるステージでどれだけ深くキャッチボールされてきたかが、このツアー最終ステージで確認できた。またツアー中の9月には、これまでぜん君。の作曲/編曲を手掛けてきた水谷和樹、syva以外のクリエイターであるみきとPが作曲(編曲:みきとP/YK from 有感覚)をしたシングル「Heavenlyheaven」がリリースされ、この日のライヴでも披露された。そしてシングルに続いて新たな試みやコラボレーションがなされた11月24日にリリースとなるニュー・アルバム『FlashBack NightMare』からも数曲、セットリストに組み込まれたことで、結成から6年で築き上げてきたオリジナルのぜん君。節やサウンドスケープが、ぐぐっと広がっていく感覚が味わえた。磨き上げてきたツアーの集大成であり、また初めて出会うぜん君。とが混じり合って激流を生むライヴだ。

1曲目「唯君論.」から、左右に花道が伸びたステージをメンバー7人が走り回るアグレッシヴなパフォーマンスが続く。馴染みのメンバーであるエネルギッシュなバンドの演奏と映像の演出も入って、7人のスピード感や躍動感を増幅し、続く「みすふぃっとらゔぁーず」ではフロアが一斉にジャンプ。ノンストップで繰り出した新曲「Heavenlyheaven」も反応が高い。キャッチーだが、キュートなヴォーカルにパンチ力のあるシャウト、メランコリックなヴォーカルもが奇想天外に展開していく曲で、新たなクリエイターとのコラボレーションによるグルーヴが、これまでのキラーチューンにも新鮮な緩急をつけていく。7人のヴォーカルのカラフルさや、パフォーマンスの個性も映えて、連投されたハイパーチューン「メスゲノムフェノメノン」、「オルタナティブメランコリー」へとどんどんポップなアクセルが全開になっていくのがわかる。

ごく短い自己紹介に続く中盤は、よりロックでエモーショナルな印象。「Cult Scream」、「インソムニア」では、それぞれの歌の精度が上がり、またより豊かな感情表現で観客を惹きつける。かと思うと続く「SCAR SIGN」は、丸山 漠(a crowd of rebellion/Gt)作曲の新曲でぜん君。史上でもヘヴィで、ブラストビートや変則ビートでダイナミックに展開していく1曲。インパクトがあるだけでなく、それぞれのヴォーカルが曲のドラマや感情のうねりを細やかに積み重ねていく曲でもあり、今後のライヴでもセットリストのいいフックになりそうだ。これまでアグレッシヴなパートを担っていた「WORLD END CRISIS」との相性もいい。またもう1曲披露された新曲「ものの恋あはれ」(作曲:ど~ぱみん)はシアトリカルなポップ・チューンで、遊び心のある7人の表現で楽しめる。この2曲の新曲だけでも、来たるアルバムがどんな内容か予想がつかなくて期待が高まる。観客の新曲への反応、振付への対応の早さは、その新しさを7人がしっかり"ぜん君。"のものにしているからでもあるだろう。終盤は7人での最初の曲「堕堕」や「僕喰賜君ノ全ヲ」など、定番曲が並び、ラスト「キミ君シンドロームX」まで全速力で駆け抜けた。

コロナ禍で世の中が大きく変わっていくのと同時期に、ぜんぶ君のせいだ。は大きく変わった。グループの半分以上が新メンバーとなり、大所帯になって、見ようによってはまったく新しいグループになったと感じる人もいるかもしれない。それでもライヴを観るたびに思うのは、どんな変化があってもぜんぶ君のせいだ。はぜんぶ君のせいだ。でしかない、世界観や哲学を作り上げてきたということだ。それは新しい取り組みの新曲が入っても同様だ。その思いと同時に、「キミ君シンドロームX」でスクリーンに大きく浮かんだ"ぜんぶ君のせいだ。"の文字に、改めてグッときた。アンコールではニュー・アルバム『FlashBack NightMare』のリリースと、7都市を回る2022年の新ツアー"seventh sense tour"、そして4月3日にぜん君。史上最大の挑戦となるTOKYO DOME CITY HALLでのワンマン"絵空事現(えそらごとうつつ)"を開催することが発表された。ここからもまた、ノンストップでぜん君。は加速を続ける。


[Setlist]
1. 唯君論.
2. みすふぃっとらゔぁーず
3. Heavenlyheaven
4. メスゲノムフェノメノン
5. オルタナティブメランコリー
6. Cult Scream
7. インソムニア
8. SCAR SIGN
9. WORLD END CRISIS
10. ぜんぶ僕のせいだ。
11. Greedy Survive
12. ものの恋あはれ
13. 歩兵ディストピア
14. 堕堕
15. Sophomore Sick Sacrifice
16. ROMANTICISM
17. 僕喰賜君ノ全ヲ
18. キミ君シンドロームX
En1. せきららららいおっと
En2. 浪漫事変
En3. When you 2 WANT
En4. 無題合唱

  • 1