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INTERVIEW

Japanese

BLUE ENCOUNT

2017年05月号掲載

BLUE ENCOUNT

Member:田邊 駿一(Vo/Gt) 江口 雄也(Gt) 辻村 勇太(Ba) 高村 佳秀(Dr)

Interviewer:石角 友香

-エンディング・テーマって映画に浸ってた気持ちをさらに強くするものでもあって、映画館を出てからもなんとなくリフレインするじゃないですか?

田邊:まさにそうですね。ハリウッド映画の主題歌なんて、日本人は全員が英語を話せるわけじゃないのに、Celine Dionのあの曲だったり、AEROSMITHのあの曲だったりが日本で大ヒットする理由もやっぱりそういうことかな? と。

辻村:そうだよね。映画観てもセリフより曲だもんね、残ってるのは。

田邊:映画の主題歌って、もうひとつの物語っていう感じがあって、たぶん、プロデューサーの方もそれを欲してると思ったので、僕は迷わずにこの曲を作ったってことですね。歌詞も初稿から一切変えてないですし。やりとりも一切せずに、聴かせたとこですぐに連絡があって"泣きました"と言っていただいたので。今日(※取材日は4月11日)、ちょうど完成披露試写会があったので行かせていただいたんですけど、(映画の)終わり方的にはロックな終わり方だったよね?

辻村:はいはい(笑)。

田邊:でも、急にエンドロールが始まってこの曲が流れてきたら、別の物語が始まってる感じがすごくあるんですよ。まだネタバレだから言えないですけど、そのエンドロールもひと工夫あって、ひとつのアナザー・ストーリーみたいなのがそこで展開されているんです。"あぁ、この曲をちゃんと作ってよかったな"と思えるし、"ラストコップ"のスタッフさんの愛がすごかったというか。それこそ初ドラマ主題歌、初ドラマ出演、初映画主題歌という、"初"を全部やらせていただいたっていうのはあるので。映画もすっごく良くて、アクション映画というよりは、今回は人間にフォーカスを当てた、意外な部分の視点がすごく多かったんです。

辻村:なんか、あたたかみがあるんですよ。だからこの「さよなら」も決して悲しい曲ではなく、あたたかみがある曲になったと思うので、そこらへんがすごくリンクしていて。そういう感動がありました、僕は。

-曲調がバラードなうえにアコースティックな部分も印象的です。

江口:そうですね。イントロから途中ぐらいまでは。

田邊:"ブルエンがやったらどうなんのかな?"シリーズだったというか。でも意外と、やっててテンション上がりましたね。バラードでアコースティックの感覚をすごく強くして"どうなんのかな?"と思ってたんですけど、幕張で初めて披露したときにテンションめっちゃ上がったんです。普通にアップテンポの曲をやってるときの満足感と一緒だったというか。このツアーでは幕張以降はどこの会場でも披露してるんですけど、充実感が半端なくて。だからどんなジャンル、テンポの曲をやろうともほんとに満たされるか満たされないかのところになってくるんだろうなと思いました。そういう意味では今までのバラードの中で一番気持ちよく演奏できてますね。

-ある意味淡々としてるというか、これまでは田邊さんのライフ・ストーリーを反映して泣ける部分も多かったけど、もっと普遍的な気がします。

田邊:うん。今回は人の心に入り込んでから、この物語がさらに形を変えてくるんだろうなって曲なので、ほんとにその人の味わい方で変わってくると思いますね。そういう意味でもいい問題提起ができる曲なんじゃないかと。それぞれにいい別れとか悲しい別れとかも絶対あるから、その人によっての別れのときを思いながら聴いてもらえたら、たぶんいつでも聴ける曲だと思いますね。

-もちろん悲しみもありますよね。

田邊:今回はテーマがテーマだったので。(バラードとしての)前作の「はじまり」(2016年1月リリースのメジャー3rdシングル表題曲)はほんとに応援歌っていう意味で作って――その中でもちょっとストレートな応援歌ではないものを作りたかったんですけど、今回の「さよなら」に関しては、取り上げる内容が"さよなら"っていう、もう別れっていう難しい内容だったので、それをどう全体的に味付けをするのか? というのは考えましたね。

-永遠の別れみたいな意味合いもありますか?

田邊:この曲はこの映画のために作ったっていうのもありますけど、実は私生活でも作ってる前後で"さよなら"っていう機会がちょっとあって。それこそ僕らがずっとお世話になってた、3、4年ぐらい一緒だったスタッフさんが部署を異動になったり。あと、僕が熊本で幼少期からずっとお世話になってたおばあちゃんがいたんですけど、僕がちょうどその歌詞を書いてるときに母親から"その人が亡くなった"という連絡が入って、葬式に駆けつけたかったんですけど、ツアーのゲネプロとかが始まった時期だったので行けずで。ほんとその永遠の別れや、現状の自分たちと同じ道を歩いてた人との別れとか、そういうのを結構、短期間で経験して、"さよならが言えなかったとき"みたいな感覚も改めて僕の中では対象物が見えつつ書いた曲ではありました。だから、"なるほどBLUE ENCOUNTは運命というものと一緒に曲を作ってるんだな"という実感もあります。