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INTERVIEW

Japanese

BLUE ENCOUNT

2016年11月号掲載

BLUE ENCOUNT

Member:田邊 駿一(Vo/Gt) 江口 雄也(Gt) 辻村 勇太(Ba) 高村 佳秀(Dr)

Interviewer:石角 友香

期待されるのは嬉しい。だからこそ、その期待を飛び越えていかないといけないのかなって


-そして武道館でも披露したTrack.1「LAST HERO」を表題とするシングルがリリースされます。バンドの今のスタンスと、同楽曲が主題歌となっているドラマ"THE LAST COP/ラストコップ"のテーマがシンクロした印象を受けました。

田邊:例えば「はじまり」(2016年1月リリースのメジャー3rdシングル表題曲)や「Survivor」(2016年3月リリースのメジャー4thシングル表題曲)はそれぞれ高校サッカー(※第94回全国高校サッカー選手権大会応援歌)やガンダム(※アニメ"機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ"オープニング・テーマ)のタイアップということで、「はじまり」だったら、今目の前で頑張ってるサッカー選手のために何が書けるか、"ガンダム"ももちろんその世界観に合わせて作るっていうことではあったんですけど。今回のドラマでは、それこそ主演の唐沢寿明さん演じる京極浩介さんっていう人とブルエンの生き方が単純にすごく似ているなと、脚本を読ませていただいたときに思って。もともとTVドラマ版の前にやっていたHulu版も観ていて、いい意味で古臭いけど、その中に誰にでも響く言葉がちゃんとあって、それがすごくブルエンっぽいなって感じてその思いだけで作ったんですよね。今回、ドラマの制作チームもブルエンがすごく好きな方ばかりで、"好きなように作っていいよ"って言っていただけたので、だからこそ僕らも気兼ねなくブルエンを思いっきり出そうと。ただ、自由だからこそ「だいじょうぶ」(2016年6月リリースのメジャー5thシングル表題曲)のあとに今度は何を出そうか? って頭を悩ませて、3、4ヶ月ずーっと曲作りを続け、最後に出た答えがこの「LAST HERO」なんです。何になりたいか? って考えたらやっぱりこの"LAST HERO"になりたい、誰かにとっての救世主やその人を守る存在になりたいと思ったからこそできたっていうのはありましたね。だから歌詞を書く前に、まず最初に曲のタイトルをつけて書き始めたんです。

-生き方そのものも含まれてる歌詞だなと思って。で、最終的には"こんなもんじゃねぇだろ"っていう今のブルエンのスタンスとも重なるという。

田邊:もちろんそこのシンプルさは捨てずにいきたかったっていうのもあります。でもBメロの"ここで死ねるか"っていうところとか、サビの最初の"このまま世界がクズでも"ってところはこれまでのブルエンにはなかったですし、ましてやドラマの主題歌で"それがサビ?"みたいな。そこを出すことがこれもまたブルエンの中のひとつの挑戦だったんですよ。ブルエンってMCでそういうことも言うじゃないですか? それを今回は音にしてみたらどうなるのかなっていうのはすごくあったんですが、曲としてブルエン節になったなとは思います。

-シングルでここまでハードな曲は久々ですね。

江口:たしかに。エッジーだしラウドだし。

辻村:だからこそ、タイアップでこんなに僕ららしさを出しちゃっていいのかなって不安はあったんですけど、制作チームのみなさんは"どうぞどうぞ"って感じだったんです。

-世の中も明るいムードじゃないし、何か大事なものを見つけられずに苦しんでる若い人がいることもニュースなどで日々伝わってくる中で、すごく身近に感じられる曲だなと。

辻村:だからこそ僕らはブレずにやりたいことをやって、そのやりたいことでどれだけ精度とかこだわりを出していくか。やっぱこだわっていかなきゃいけないのかなと思いますね。

-もちろんメンバーが好きで聴いてきたロックも突破力があるんだと思うし。

辻村:そうですね。自分らが今、高校生だったらどういう曲がかっこいいのか? って気持ちでやってるので。だから今の若者や、やりたいことが見えない人がこの曲を聴いて少しやる気を出してくれたら嬉しいですね。

-バンド・シーンの状況だけじゃなくて、世間のムードも含めて巻き込んでる感じがします。

田邊:それだけ期待していただいてるのは嬉しいですし、期待されたぶん、どう飛び越えていくかっていうのももちろんあると思います。

-で、今回はカップリングにインディーズ時代の1stミニ・アルバム『the beginning of the beginning』にも収録されていた「夢花火 piano & strings special ver.」(初回生産限定盤のTrack.3)が入っています。

田邊:これは迷ったよね? 入れるの。やっぱ同じ曲を入れるっていうのは......。

江口:再録をする気は全然なかったんですよ。それは違うなと思ってて。でも、先日NHKさんで放送してもらった(ブルエンの)特番の中で、全国ツアー・ファイナルの熊本公演でこの曲をやっていたところも流れて、それでお客さんの"聴きたい"って声が多かったんですけど、もう音源は流通してなかったんです。また聴いてほしいけど、「夢花火」を作った当時の気持ちもあるし。それを今改めて再録するのもなんか違うし。だったら根本的にもう別物にしちゃえばいいんじゃないかってことで、音源にするのは初の試みのストリングス・バージョンみたいな感じでやってみようかって。結果的にはいい感じになったなと思います。