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INTERVIEW

Japanese

androp

2015年08月号掲載

androp

メンバー:内澤 崇仁 (Vo/Gt)

インタビュアー:山口 智男

デビューしてからの5年間の活動の集大成ともいうべき、ひとつのandropの在り方を完成させた『period』から1年5ヶ月。andropの新たな章の始まりを印象づける4枚目のフル・アルバム『androp』が完成した。これまで打ち込みのサウンドを使いながら現代的なロックを奏でていた4人が改めて抜き身のバンド・サウンドとライヴの熱量をとらえることをテーマに作り上げた意外性と驚きの連続と言える新作のバックグラウンドを紐解きながら、バンドのフロントマン、内澤崇仁(Vo/Gt)が今現在、自分たちが求める理想のバンド像を語る。

-36都市39公演を回る全国ライヴハウス・ツアーも残すところあと3公演(※取材日は7月10日)となりました。いつもよりも小さめの会場をそれだけの数、回ってみていかがでしたか?

やっとあと3公演ってところまで来たんですけど、振り返ってみると、あっという間でしたね。最初の3公演目ぐらいで、"あと30いくつか。絶対終わらない"と思ったんですけどね(笑)。それが3ヶ月前。そんな経験したことはなかったので、かなり有意義なツアーになりました。こんな音楽三昧、ライヴ三昧の日々ってなかったですから。精神的にも体力的にもきついところがあったおかげで、相当、タフにもなりました。環境が決していいとは言えない場所もあったんですよ。ステージが小さすぎて、普段使ってる機材を全部入れられないとか、空調も壊れてるとか、楽屋がないとか(笑)。そういうライヴをひとつひとつ、必死に乗り越えてきたっていう実感があります。

-環境がよくないところでも、お客さんにしてみれば、最高のライヴを見せて欲しいと思って来ているわけじゃないですか。

そうなんですよ。だから全公演、特別なライヴにしてやろうという意気込みで臨みました。だから本当に楽しんで帰ってくれるお客さんが多かったりすると嬉しいですよね、やっぱり。まだ学生のお客さんたちは他の街までライヴを観にいく時間もお金もないから、本当に地元でしか観る機会がない。"やっと来てくれた。やっと観ることができた"と言ってもらえると、本当に行って良かったと思うし、思い起こせば、自分もそうだったので。学生のころ、東京のバンドを観て、"やっぱすげえな。いつか自分も東京で演ってみたい"と思うきっかけをくれたのはそういう地元のライヴハウスだったので、かつての自分と同じような子たちに会えたのは嬉しかったし、そういう子たちに自分たちの音楽を届けられて良かったと思います。

-普段のライヴも若い人ばかりだと思うんですけど、それよりも若い?

学生服で、"学校帰りに来ました"とか"下駄箱のところでandropのTシャツに着替えてきました"とか(笑)。そもそも今回のライヴハウス・ツアーをやるきっかけもそういう子たちに音楽を届けたいってことだったんですよ。だから、普段行きたくても行けない場所だったり、しばらく行けていなかったライヴハウスを選んで、そこに音楽を届ける、しかも近い距離で。それが今回のコンセプトでもあったので、やれて良かったと思います。

-さて、8月5日にリリースされる4枚目のフル・アルバムはバンド名を冠したセルフ・タイトルですが、作るにあたってはどんな作品にしたいと?

実は2009年に1枚目の『anew』をリリースしたときには、"p"で始まるアルバム......それが前作の『period』(2014年3月リリースの3rdフル・アルバム)だったんですけど――その次は『androp』にしようと考えてて。ただ、そのときは"androp"というタイトルでシングルを集めたベスト盤を出せればいいという思いでいたんですけど、『period』をリリースして、そのライヴを国立代々木競技場・第一体育館で行ったとき、アンコールで「Image Word」を演奏したんですけど、その曲は僕たち4人が初めて合わせた思い出の曲だったんです。それを代々木のアンコールで急遽やったわけなんですけど、その急遽やったというのがすごく良かったんです。それまではリハーサルを重ねて、完璧な状態でステージで演奏するというのがいいと思ってたんですけど、予定してなかった「Image Word」を10,000人の前で久しぶりに演奏できたことが新鮮で、すごく自信になったんです。突然演ったけど、初めて演ったときのことを思い出しながら、これができるなら自分たちは何でもできるんじゃないかなって思ったんです。で、そう思えたんだから、『period』の次はベスト盤じゃなくて、ベスト盤を超えるような自分たちすべてを注ぎ込んだ、どこを切り取ってもandropだって言えるような作品にするべきだと思って。そこから『androp』ってアルバムを作り始めたんです。

-今回、これまで以上にバンド・サウンドをアピールしていますよね?

バンド・サウンドですね。僕も聴き返してみて、打ち込み入ってないなって(笑)。

-あ、バンド・サウンドは狙ったものではなくて?

ええ。『period』を作るまでは、"自分たちはこういう方向性の曲もできます。それとは違うこういう方向性の曲もできます"っていろいろ見られ方も気にしながら曲を作ってたんですよ。"こういう曲もあります。こういう曲もあります。振れ幅は広いです"って(笑)。そんなふうに自分たちのバンドは何にも囚われてないぞって提示したくて、いろいろ考えながらやってたんですけど、『period』を作り終えてから、そういうことを考えなくなって。"いろいろあります"ってことをわざわざ見せなくても、『period』の時点で、名前のないものに"androp"って名前をつけることができたというか、バンド名に意味をつけることができたっていう点で肩の荷が下りたところがちょっとあって。そのあと、作っていく曲が自由なものになっていって、"こういう振れ幅があります。こういう曲ができます"って見せ方をしなくても、自然と出てきたものを形にしようっていうマインドになれたんですね。だから曲を全部作り終えたあとに曲順を決めて聴き返してたら、そういえば、打ち込み入ってないなって思ったんですよ。唯一、Track.14の「You Make Me」は打ち込みっぽいですけどね。