Japanese
androp
2016年07月号掲載
Writer 山口 智男
新しく音楽を発信する"場所"である"image world"を今年3月に立ち上げ、それを掲げて、全国5ヶ所を回った[one-man live tour 2016 "Image World"]の5月22日仙台PIT公演を終えたandropからニュースが届いた。昨年リリースしたセルフ・タイトルとなった4作目のフル・アルバム『androp』から約1年、"best[and/drop]"と題した彼らにとって初となるベスト・アルバムを7月27日にリリースするという。
デビューから約7年。これまで3枚のアルバムと4枚のフル・アルバム、そして6枚のシングルをリリースしてきたから曲は十二分にある。しかし、なぜこのタイミングでベスト・アルバムなのか? バンドの中心メンバーである内澤崇仁(Vo/Gt)によると、そもそもは前作『androp』のタイミングでベスト・アルバムのリリースを考えていたという。たしかに2014年3月リリースの3rdフル・アルバム『period』で、彼らがandropのサウンドを完成させるそれまでの活動に終止符(=period)を打ったことを考えれば、その次の作品がベスト・アルバムには相応しかった。しかし、そのタイミングで彼らは骨太になったバンド・サウンドとともにバンドがさらなる一歩を踏み出したことを印象づける『androp』をリリース。自らのキャリアに一区切りつける機会を失う格好になってしまったわけだが、"image world"を立ち上げたことが改めてベスト・アルバムをリリースするきっかけになったようだ。
"本当に今回このタイミングでベスト・アルバムを制作できてよかったです。今までの楽曲すべてと向き合うことで、まるで自分自身と向き合えるような感覚がありました。そして、andropというバンドとも向き合うことができました。好きなことを妥協なくやることの難しさや自分自身の生き方など、数え切れないほどたくさん思うことがありましたが、やはりベスト・アルバムを出すことができたのも、自分を支えてくれたメンバー、スタッフ、関係者のみなさん、そして聴いてくれる人がいたからこそだったと感じました。なので今回のベスト・アルバムは自分たちのためではなく、聴いてくれる人すべてに届けられる作品にしたいと思いました"
内澤崇仁、佐藤拓也(Gt/Key)、前田恭介(Ba)、伊藤彬彦(Dr)の4人は、2009年8月、デビュー前にもかかわらず、"SUMMER SONIC 2009"に出演するチャンスを掴み、同年12月、インディーズ・レーベルから1stアルバム『anew』をリリースするころには、ブレイク必至と話題になり始めていた。以来、いわゆる歌モノのギター・ロックの流れを受け継ぎながら、彼らはエレクトロニック・ミュージックを始め、海外の先鋭的な音楽の影響も取り入れ、自分たちのサウンドを磨き、それと同時に精力的にツアーを行い、ライヴ・バンドとしても成長してきた。2011年2月には3rdアルバム『door』でメジャー・デビューも飾った。そして、デビュー5周年を迎えた2014年3月には1万人を集めた初のアリーナ公演(※国立代々木競技場 第一体育館)を成功させ、バンドの規模も年々、大きなものにしてきたが、それはその時々のベストを求め、彼らが作ってきた音楽が歓迎された結果であると同時に精力的なライヴの賜物であることを、改めて示しておきたい。
全曲リマスタリングをしているので
より熱のこもった良質な音になっています
"自然、ナチュラル、野生、当たり前、飾らない"というテーマを持った"and"盤と、"人工、作為的、加工、手作り、戦略"というテーマを持った"drop"盤の2枚からなる今回のベスト・アルバムには、CD初収録となる「Astra Nova」、「Kokoro」および未発表曲を含む全30曲が収録され、インディーズ・デビューからandropの7年に渡る活動を辿ることができる作品となっている。
"今までのandropを知っている人へ、これからのandropを計る物差しとなるような作品にしようと思いました。逆に、このアルバムからandropを知る人に対しては、この作品1枚を通して聴けばこれまでのandropが鮮明に理解できるアルバムにしようと、想いを込め制作しました。ベスト・アルバムだからといって、いわゆる「シングルの寄せ集め盤」にはしたくありませんでした。メンバーひとりひとり意見を出し合い、これまで長年一緒にやってきたスタッフも含め議論を重ねて現状の収録曲となりました。音質的な部分で言っても、収録曲を細部まで調整し、全曲リマスタリングをしているので、より熱のこもった良質な音になっています"
ギター・ロック・バンドの概念を超えるサウンドに挑んだ「World.Words.Lights.」、ファンとシンガロングしたいという想いが結実した「Voice」、バラードの「Shout」、そしてラウドな一面をアピールする「One」、大観衆とひとつになることをイメージした「Run」など、過去7年間の彼らの挑戦を物語ると同時にライヴの定番曲として今も生き続けている曲の数々を聴き、ファンそれぞれに思うところはあるだろうし、思い出や特別な思い入れがある曲は、それぞれに違うと思うが、全曲の作詞作曲を手掛ける内澤はどうなんだろう?
"個人的には、「Tonbi」のサビがファルセットだけとか、「Nam(a)e」の二役のやり取り、「Puppet」の転調、「Voice」の合唱、曲にハンドクラップを取り入れるなど、今ならなんてことはないですが、当時はそれらをチャレンジだと思い制作した記憶があります。全曲、思い入れは強いのですが......もっと聴いてほしいという想いが強かった「UtaUtai no Karasu」は、個人的に強い希望で入れました"
大事な曲と紹介しながらライヴで何度か演奏してきたにもかかわらず、これまで音源になっていなかったシンプルなギター・ナンバーの「Hana」、アンビエンスを意識したバンド・サウンドが印象的な未発表曲の「Sayonara」の2曲ももちろん大きな聴きどころだ。
"「Hana」は時期的にandropを結成する2年前にはデモが存在していて、実はandrop初期にレコーディングしていた幻の音源です。結成から今まで、ライヴでしか演奏してこなかった曲をこのタイミングで届けられるとは思ってもいませんでした。何年もの時間を過ごして、やっと届けられることが本当に嬉しいです。自分が信じたことは、周りの評価など臆せずにやってほしいということや、人生の「ありきたり」の素晴らしさ、毎日の当たり前の大切さがこの曲で伝えたかったことです。「Sayonara」は結成初期のころの楽曲で、レコーディングはしていたけど楽曲の存在感が強すぎてずっと出すタイミングがわからないまましまっていた音源です。今回のタイミングのためにこの曲はあったのではないかと思うほど、今までのandropとこれからのandropを包括する曲になっていて、ベスト・アルバムの最後を締めくくるに相応しい楽曲ということもあり収録しました。命の終わりは「無」ではなく「永遠」だと思っていて、あるとき、ヨハネによる福音書の12章24節からの聖句、「一粒の麦」がそんな自分の考え方と似ていることに衝撃を受けたことが生まれるきっかけになった曲です。ライヴではまだ演奏したことがないので、今後演奏するのが楽しみな楽曲でもあります"
夏フェス出演を経て、10月1日から始まる[one-man live tour 2016"best blueprint"]で、きっと演奏してくれるに違いないが、そのツアーでは"今まで活動してきたandropのすべてを表現したうえで、これまでとは違うandropの表現を見せられるものにしたい"と考えているという。だからツアー・タイトルには"最高の音を表現する設計図"という意味が込められている。ベスト・アルバムを聴きながら、僕らはこれからのandropにどんなことを期待したらいいのだろうか? そんな質問をぶつけると、内澤はこう断言した。
"今までの流れやパターンなどいろいろ考えて次を想像して期待してもらいたいです。そのすべてを裏切るものを考えています"
▼リリース情報
androp
ベスト・アルバム
『best[and/drop]』
2016.07.27 ON SALE
[unBORDE]

【初回限定盤】2CD+アートブック
WPCL-12419/20/¥3,300(税別)
amazon | TOWER | HMV

【通常盤】2CD
WPCL-12421/2/¥3,000(税別)
amazon | TOWER | HMV
[Disc1:and]
1. Roots
2. Colorful [MV]
3. Glider
4. MirrorDance [MV]
5. Puppet
6. Bright Siren [MV]
7. Noah
8. World.Words.Lights. [MV]
9. Boohoo [MV]
10. Voice ※日本テレビ系ドラマ"Woman"主題歌(2013) [MV]
11. UtaUtai no Karasu
12. Melody Line
13. Yeah! Yeah! Yeah! ※三ツ矢サイダーTVCMソング(2015) [MV]
14. Astra Nova(CD初収録曲) ※スクウェア・エニックス"スターオーシャン5"テーマ・ソング(2016)
15. Hana(未発表曲)
[Disc2:drop]
1. Tonbi [MV]
2. Image Word
3. Nam(a)e
4. Basho
5. Clover
6. March
7. Bell [MV]
8. End roll [MV]
9. Rainbows ※映画"鈴木先生"主題歌(2013)
10. Missing ※映画"ルームメイト"主題歌(2013) [MV]
11. One [MV]
12. Shout ※TBS系ドラマ"家族狩り"主題歌(2014) [MV]
13. Run ※J-WAVE FOOTBALL FEVER 2014 キャンペーンソング(2014)
14. Kokoro(CD初収録曲) ※NHKドラマ10"わたしをみつけて"主題歌(2015)
15. Sayonara(未発表曲)
■先着購入者特典
androp内澤崇仁(Vo/Gt)監修による全曲セルフ・ライナーノーツ(冊子)
■androp「Hana」ライヴ・ストリーミング・ミュージック・ビデオ
https://www.androp.jp/hana/
■配信情報
androp「Hana」
iTunes | レコチョク
▼ツアー情報
[one-man live tour 2016 "best blueprint"]
10月1日(土)福岡 DRUM LOGOS
open 17:00 / start 18:00
10月7日(金)宮城 仙台Rensa
open 18:00 / start 19:00
10月10日(月祝)愛知 Zepp Nagoya
open 17:00 / start 18:00
10月12日(水)大阪 なんばHatch
open 18:00 / start 19:00
10月16日(日)東京 Zepp DiverCity
open 17:00 / start 18:00
- 1
LIVE INFO
- 2025.11.25
-
打首獄門同好会
Another Diary
すなお
シベリアンハスキー
The Ravens
chilldspot
- 2025.11.26
-
Dios
桃色ドロシー
ザ・クロマニヨンズ
シベリアンハスキー
TENDRE
UVERworld
PEDRO
BLUE ENCOUNT
material club
Mirror,Mirror
Galileo Galilei
chilldspot
- 2025.11.27
-
打首獄門同好会
MONOEYES
Cody・Lee(李)
moon drop
桃色ドロシー
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
ザ・クロマニヨンズ
TENDRE
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
PEDRO
Tempalay
あたらよ
- 2025.11.28
-
Galileo Galilei
優里
BLUE ENCOUNT
go!go!vanillas
怒髪天
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
VII DAYS REASON
Dios
崎山蒼志
凛として時雨
ズーカラデル
コレサワ
SHERBETS
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
ポルカドットスティングレイ
おいしくるメロンパン
sajou no hana
NEK!
CENT
OKAMOTO'S
meiyo
RAY
reGretGirl
- 2025.11.29
-
ビレッジマンズストア
Appare!
YOASOBI
NEE
暴動クラブ
brainchild's
Cody・Lee(李)
キタニタツヤ
優里
くるり
TOKYOてふてふ
MONOEYES
キュウソネコカミ
moon drop
THE BACK HORN
androp
The Biscats
フレデリック
チリヌルヲワカ
怒髪天
eill
LOCAL CONNECT
wacci
LACCO TOWER
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
ドラマチックアラスカ
アーバンギャルド
ねぐせ。
ExWHYZ
UVERworld
フラワーカンパニーズ
愛美
浪漫革命
東京スカパラダイスオーケストラ
BACK LIFT / 魔法少女になり隊 / LEEVELLES / パピプペポは難しい ほか
Bentham
MONO NO AWARE
NANIMONO
カミナリグモ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
- 2025.11.30
-
ビレッジマンズストア
YOASOBI
NEE
TOKYOてふてふ
凛として時雨
キタニタツヤ
崎山蒼志
くるり
キュウソネコカミ
moon drop
SHERBETS
THE BACK HORN
TENDRE
アーバンギャルド
the paddles
秋山黄色
TOMOO
LACCO TOWER
ドラマチックアラスカ
LUCY
ExWHYZ
Maki / SIX LOUNGE / w.o.d. / KUZIRA / TETORA
UVERworld
フラワーカンパニーズ
ポルカドットスティングレイ
NANIMONO
ズーカラデル
ぼっちぼろまる×ポップしなないで×ぜったくん
コレサワ / ヒグチアイ / のん / ひぐちけい
miwa
MONO NO AWARE
Conton Candy
JYOCHO
離婚伝説
- 2025.12.02
-
RADWIMPS
LONGMAN
Dios
RAY
マカロニえんぴつ × DISH//
私立恵比寿中学
GLIM SPANKY
SUPER BEAVER
IneedS
- 2025.12.04
-
TENDRE
LEGO BIG MORL
私立恵比寿中学
SHERBETS
Homecomings
アーバンギャルド
キュウソネコカミ
吉井和哉
Hakubi
- 2025.12.05
-
桃色ドロシー
私立恵比寿中学
moon drop
ポルカドットスティングレイ
ザ・クロマニヨンズ
NANIMONO
eill
Laughing Hick
崎山蒼志
さかいゆう / 望月敬史 / L'OSMOSE(O.A.)
flumpool
とまとくらぶ
Another Diary
岡崎体育
Rei
ズーカラデル
打首獄門同好会
- 2025.12.06
-
キュウソネコカミ
AIRFLIP
ザ・クロマニヨンズ
凛として時雨
OKAMOTO'S
BLUE ENCOUNT
indigo la End / a flood of circle / Galileo Galilei / go!go!vanillas ほか
Cody・Lee(李)
brainchild's
LEGO BIG MORL
NANIMONO
怒髪天
ねぐせ。
CVLTE
UVERworld
eastern youth
キタニタツヤ
優里
Kroi / Jeremy Quartus(Nulbarich) / BREIMEN / luv
flumpool
チリヌルヲワカ
Aooo
Mirror,Mirror
心愛 -KOKONA-
THEラブ人間 / ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / KALMA ほか
フラワーカンパニーズ
Ryu Matsuyama
MyGO!!!!!
- 2025.12.07
-
ぜんぶ君のせいだ。
崎山蒼志
キュウソネコカミ
MOSHIMO
moon drop
ポルカドットスティングレイ
凛として時雨
BLUE ENCOUNT
AIRFLIP
OKAMOTO'S
sumika / マカロニえんぴつ / Kroi / ズーカラデル ほか
NANIMONO
怒髪天
Devil ANTHEM.
ACIDMAN
eastern youth
小林私
UVERworld
優里
秋野 温(鶴)
LACCO TOWER
OAU
the telephones
BIGMAMA
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
トゲナシトゲアリ × RAISE A SUILEN
- 2025.12.08
-
ザ・クロマニヨンズ
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
RAY × きのホ。
ドラマチックアラスカ
PACIFICA
シベリアンハスキー
雨のパレード
never young beach
RELEASE INFO
- 2025.11.26
- 2025.11.27
- 2025.11.28
- 2025.11.29
- 2025.12.01
- 2025.12.03
- 2025.12.05
- 2025.12.10
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.24
- 2026.01.01
- 2026.01.07
- 2026.01.09
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ザ・クロマニヨンズ
Skream! 2025年11月号











