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INTERVIEW

Japanese

ヒトリエ

2014年12月号掲載

ヒトリエ

Member:wowaka (Vo/Gt) シノダ (Gt/Cho) イガラシ (Ba) ゆーまお (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-wowakaさんが順調に曲作りをしていたら、バンドとしての成長は1歩遅かったかもしれないです。

wowaka:そうですよ。だから......(危機的状況になったのは成長のための)伏線(笑)?

全員:出たよー(笑)!

ゆーまお:さっきその話が出てみんなで"ぶん殴るぞ!"って言ってたんです(笑)。

-ははは(笑)。実際自分がメンバーだったらwowakaさんから曲作れないなんて言われちゃったら本当に焦るどころじゃないと思いますもん。

イガラシ:そわそわしてました。実際はそわそわの500倍くらい(笑)。

ゆーまお:どうするんだろうなあ......ってね(笑)。

-wowakaさんもですけど、バンドも完成までこじつけたという強さはかなり大きいと思います。先ほどゆーまおさんもおっしゃってたけど、タフになったと思うし、何よりよく途中で壊れなかったなと。

wowaka:......ね。ほんとですね。

ゆーまお:でもね、やるかやらないか、死ぬのか。ほんとそんなもんじゃないですか。やりたくなくなったらやめればいいんだから(笑)。そういう話ですよ。

シノダ:まあそうだよね。

ゆーまお:wowakaさんも"バンドやりたいんだったら苦しくても曲書きなさい"って話だし、俺らも"バンドがやりたいんだったらそれに付き合いなさい"って話だし。やりたいんだったら、嫌な思いしてでも、クソみたいな思いしてでも作ればいいんだから。だから俺はこのアルバム、本当に良かったと思ってる。

イガラシ:だから自分で今までのより聴きたくなるんですよね。

wowaka:そうだね。今までは結構、満足はしているんですけど、できあがった瞬間から......なんかあるんですよね。けど今回はすごく抵抗もなく聴けますね。聴いて振り返られる。それは後ろ向きなことではなく、ちゃんと音楽として聴けるというのが、なぜかある。うん。

-バンドとしてそれを乗り越えたからこそですね。

wowaka:結果論ですけどね(笑)。

イガラシ:決して伏線ではない、というね(笑)。

ゆーまお:持ちこたえて作れて良かったね。作っている過程でやりたいことが生まれるのは当たり前じゃないですか。だからこそ、今回のアルバムはそういうものが詰め込めてないし、やれてないこともあるんですよ。そういうことなんです。だから先があることをした、という実感はあります。

wowaka:うん。すごく余白がある。

-着地してるのに、完結してないですものね。

wowaka:全然してない。してないけど出し尽くした......という不思議な感じなんですよね。

ゆーまお:次、何か作品を出したときに、(リスナーが聴いて『WONDER and WONDER』の毛色とは)違うなと思うかもしれないですね。同じことの延長で、違うことをやっていると思う。その変化が期待に沿うのか沿わないのかはわかんないですけど、変わっていくと思います。

-『WONDER and WONDER』はヒトリエの作品の中で最もへんてこでポップな作品なのではないかと思います。今まではバシッとかっこいいものを見せてくれるヒトリエにリスナーがついていくという感じだったけれど、今回はそういう表現だけじゃないギミックやニュアンスもたくさんありますし。

イガラシ:音の方向性としてはそうですね。今回も『イマジナリー・モノフィクション』と『センスレス・ワンダー』を一緒に作ったエンジニアさんと一緒にやってるんですけど、最初の段階で前回を踏まえて"こういう方向性に変えたい"という話を持っていって。それに関しては最初からブレてないです。作品全体の印象が変わったとしたら、そういうのが影響しているかもしれない。ちょっとこれまでが強すぎたというか。もうちょっとポップにしたいと思ったのかな。

シノダ:今回は生々しくというかね。前までの音源はドラムもパツパツで"これメタルかな?"と思うような(笑)、バシバシな感じがあったから。

wowaka:そうですね。今回はちょっと開けた感じにはしたかったんですよね。音の方向もそうですし、全体的な曲の雰囲気もそうだったと思うんですけど。

イガラシ:だから、次(の作品)は全然違うことになってるかもしれない。今回のアルバムはあの状況に追い込まれた僕たちが瞬発力で作ったアルバムですね(笑)。

ゆーまお:だから結果的に、このアルバムに入れられなかった曲もたくさんあるんです。それくらい作りました。とにかく数を多く打って、いいアルバムを作るためにレパートリーをたくさん作る。

シノダ:あぶれた曲も良くない曲というわけではなくて、アルバム全体のバランスを考えて"この曲はあるからこれは入れられないな"とか、そういうジャッジですね。

イガラシ:......なんかシノダが言うと嘘くさいね(笑)。

シノダ:いや、これ本当のことだからね? あれ? 俺間違ったこと言ったかな?

全員:(笑)