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INTERVIEW

Japanese

androp

2012年02月号掲載

androp

Member:内澤 崇仁(Vo&Gt)

Interviewer:山口 智男


-言葉っていうのは、世の中にある、あらゆる言葉ですか、それとも希望を伝える具体的な言葉ですか?

あらゆる言葉かな。言語って世界中に8千以上あると言われてるんですけど、たとえば「ありがとう」だったら、何か語源があって、それがいろいろな歴史や文化を経て、今、「ありがとう」という言葉になったんだと思うんですよ。それで、その「ありがとう」もいろいろな歴史や文化を受け継いだ「ありがとう」なんじゃないかと僕は考えてて、そういうふうに考えると、言葉の力って本当にすごいと思えるんですよ。一つの言葉、一つの文章を、一人の人間が発すると、一人ではなく、十人とか百人…ひょっとしたら何万人の人を変えることができる。それが言葉の力だと僕は考えているので、そういう言葉の力と、僕が今いるフィールド――つまり音楽を一緒にして、踊るぐらい楽しい幸せな気持ちになってほしいという想いがあって――そもそも音楽って人を幸せにするツールになりえると僕は考えてて、そういう言葉と音楽の力が一つになった曲を書きたいと思ったんです。

-「You」は自分の中の葛藤が「ミー」にならずに「ユー」になるところがおもしろい。

なりたい自分と、そうなれない自分が心の中にいるんですけど、理想の自分と対話するって、なんとなく「ミー」と言うよりも「ユー」なんじゃないかな。

-「You」というタイトルの先にはリスナーもいるのかなという気もするんですけど。

そうですね。そう思います。僕は常々、曲の中で答えは明らかにしないようにしているんですけど、それは聴いた人が受け取ったことが答えであっていいいと思うからで、でも、僕の曲は個人的なものであるからこそ共有されるものなんじゃないかとも思ってるんです。「You」って曲も僕の中での答えはあるんですけど、それは曲の中では明らかにしていない。非常に個人的なものではあるんですけど、でも、それは聴いてくれる人のものでもあると思います。

-個人的なものだからこそ共有できるって感覚は、すごく理解できます。ところで、2曲ともに挑戦的というか野心的なサウンド・アプローチですね?

そうですね。「World.Words.Lights.」にはギターが入っていないし、ドラム、ベースともにけっこう打ち込みに近い形でレコーディングしました。たとえば、ドラムのキックだったらキック、ハットだったらハットでというふうにバラで録ってみて、それを組み合わせて、1曲に作り上げていったんです。構成も最初は6分以上あったんですけど、ぶつぶつに切って今の構成にしました。非常に機械的なんです。

-機械的なことを人間がやっている、と?

はい。そういうところがおもしろいと思うし、言葉というテーマにも当てはまるんじゃないかって。世界が機械的なように僕は見えてたんですけど、作り上げているのは、どんな機械であっても人間なので、そういったテーマにもつながる。逆に「You」っていうのは、ド人間…ド人間っておかしいですね(笑)。人間が衝動的に鳴らすというイメージがありました。「World.Words.Lights.」とは真逆に、すごく人間っぽい曲です。

-そういう部分でも表裏一体なわけですね。

対になってますね。

-それにしてもずっと叩きっぱなしの「You」のドラムがすごい(笑)。

そうですね(笑)。

-あれは打ち込みじゃないんですよね?

人間が叩いてます。元々、曲を作った時は打ち込みだったんですよ。今思えば、だからピアノと混ざり合わなかった。ドカスカドカスカ鳴ってるドラムに合うのは、弱々しいピアノではなく、やっぱり感情的なギターでしたね。レコーディングでは、果たしてドカスカドカス鳴ってるドラムの上にヴォーカルを乗せて、歌は聴こえるんだろうかと思ったので、「Aメロはちょっと力を抜いて、間奏は思いっきり叩いてくれ」ってドラマーにお願いして。