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INTERVIEW

Japanese

androp

2012年02月号掲載

androp

Member:内澤 崇仁(Vo&Gt)

Interviewer:山口 智男


-そうすると、アルバムの曲を消化している最中に2012年のリリース第1弾として――と言うよりは、1st full album発表後の第1弾として初めてのシングルとライヴDVDを、このタイミングで同時にリリースする意図っていうのはどんなことですか?

シングルは…元々、作ろうとしていた曲は1曲だったんですけど、その1曲を作っている最中、ある日を境に2つに分かれて、別々のアプローチで2曲完成させたんです。元々作りたかったのは1つの曲。そこに強さだったり弱さだったりとか表裏一体のものを入れたかった。それでドラムの荒々しい感じとピアノの弱々しい感じから作りはじめて、その2つを混ぜて1曲にしようと考えてたんですけど、どうしてもその2つが混ざり合わなくて。結局、2つに分けることにして、「World.Words.Lights.」と「You」の2曲ができあがったんですけど、元々は、その2つを一つにしたものを作りたかったから、両A面のシングルとしてリリースして、その2曲を聴いてもらうことが一番、曲を作ろうと思った時の気持ちを理解してもらえるんじゃないか。逆に言えば、伝えたい想いが一番ふさわしい形で収まるのが両A面シングルだったんです。

-つまり「シングルを出しましょう」「じゃあ、シングルにふさわしい曲を作ります」というわけではなかったんですね?

ええ。そもそもシングルを出したいと思ってたわけでも、シングルが重要だと考えてたわけではなかったんです。ただ、シングルを両A面でリリースするってことがおもしろかったんですよ。今までやってこなかったことなんで、andropでは。自分の中で新鮮だったし、受け取る側も新鮮に受け取ってくれるんじゃないかって。そもそも「World.Words.Lights.」1曲だけがあって、それをシングルにするかと言われたら、別にシングルじゃなくてもいい。巷で言うシングル向けの曲ではないと思うし、「World.Words.Lights.」と「You」の2曲で伝えたいことが伝わるというシングルなので、いわゆるシングルと今回の僕らのシングルはちょっと違うのかもしれないです。

-バンドにとって初めてのシングルということで、この2曲がこれからのandropのサウンド・アプローチをアピールするものなんじゃないかと考える人も多いと思うんですけど。

そうですね。2曲ともに現段階で僕らがかっこいいものを作ろうと思って、一生懸命作ったものなので、andropのこれからをそこから予想してもらってもいいのかなと思います。

-それにしても「World.Words.Lights.」のピアノと「You」のドラムを、最初1つの曲に入れようとしていたと聞いて、ちょっとびっくりなんですけど。

そうですよね(笑)。なぜ表裏一体のものを表現したいと思ったかと言うと、さっき3月の震災以降、やりたいことが自分の中でより明確になったと言いましたけど、それこそ本当に希望というものを描くんだったら、暗い部分も一緒に描きたいと考えたからなんです。それで表裏一体の要素が入っている曲を作ってみようとしたんですけど、なかなか難しくて。これからの課題としては、表裏一体の要素が1つになったような曲を作ることですね。

-でも、1つのアイディアで2曲できたんだからラッキー…って言ったらちょっと違うのかな。

ああ、言い方を変えれば、1つのイメージに対して2つの曲ができたということもできると思ってます。

-「World.Words.Lights.」と「You」。それぞれのテーマを教えてください。

「World.Words.Lights.」のテーマは言葉なんです。『relight』というアルバムを作ったとき、「再び光を灯したい」というテーマを込めたんですけど、その後、全国をツアーする最中、いろいろ考えているうちに言葉というテーマが僕の中で大きくなっていったんです。そのきっかけというのがツアーを回っているとき、ニュースを見て、いろいろな人が希望の光を灯したいと思っているんだと感じたことと、その希望の光っていうものを一番伝えられるのが言葉なんじゃないかって思ったことだったんです。そういう言葉をいろいろなところから感じたし、そういう言葉によって世界が回っているようにも感じたので、そういうテーマを込めた曲を作りたかった。それが「World.Words.Lights.」で、もう一つの「You」は、言葉ってまず自分の中で葛藤があったり、いろいろなことを考えてから外に出すものだと思うんですけど、言葉になる前のその葛藤――自分対自分の対話がテーマになってます。