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INTERVIEW

Japanese

Non Stop Rabbit × Skream! × バイトル

2019年06月号掲載

Non Stop Rabbit × Skream! × バイトル

Member:矢野 晴人(Vo/Ba) 田口 達也(Gt/Cho) 太我(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり Photo by うつみさな

Non Stop Rabbit × Skream! × バイトル
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-みなさんはYouTuberとしていろんな動画を撮っていますが、ネタも豊富だし喋りも達者じゃないですか。ああいったトーク力はどのように培っていったんでしょうか。

田口:トークをバイト先で試してましたね。これおもろいかもなって思ったことをバイト先で話して、ウケたらそれでいいし。そしたらバイト先でも"こいつはおもろい奴"ってなるから。両方いいなという。結構試しまくってましたね。

矢野:僕は、お好み焼き屋のバイトのときは高校の後輩もバイト先にいたので、よく話したりしてましたね。僕は厨房だったんですけど、フロアにいるみんなと話したりとか。ムードメーカー的に場を盛り上げるというか、そういうのはありました。やっぱり楽しい方がバイトもあっという間に終わるじゃないですか。

太我:僕は昼間の時間帯によくバイトに入っていたので、主婦の方とか年上の方と一緒に働くことが多かったんです。だから少し上の世代とも話せるようになって。

田口:どんな話するの? 息子の愚痴とか聞くの?

太我:そういうのもあるし、意外と恋愛のことで悩んでいたりするんですよ。夫婦の関係とかも、意外と僕らの悩みと同じような感じで。恋愛っていつまで経っても変わらないんだなぁって──

田口:なんやそれ。

太我:相談も受けましたね。"これってどういうことだと思う?"って。ちゃんと答えてましたよ。

-では今、当時の自分たちと同じように夢を持ってアルバイトをしている人に、みなさんからのメッセージをお願いします。

田口:いろいろなことをやってみた方がいいと思いますね。バイトって、学校だけじゃ得られないものがあるし、自分で稼いだお金を持つことは大事だと思うんです。それをどう使うかっていう勉強も、バイトをしていないとできないことで。バイトをせずに急に社会人になって、月に給料20万円貰ったところでなかなか実感が湧かないこともあると思うし。あとは、今やっていることとは真逆のことをやってみたらいいんじゃないかな。例えば、音楽を目指していたとしたら、それとは違うことをやってみる。そこに面白いことがあったりもすると思うんです。

矢野:バイトだけしてると結構充実しちゃうんですよね。バイトをやっていることで、これも夢のために役立っているんじゃないかって錯覚しちゃうというか。スケジュールが埋まると何かやっている気になってしまって、ズルズル過ごしてしまうと思うので。何か目標があるなら、あくまでも割り切った方がいいと思います。

-ここまでに何かを成そうと、期限を決めていたこともありますか。

矢野:うん、みんなそうじゃないかな。

田口:俺らは"25歳までに音楽で飯を食えるようにならなかったら、全員バンドを辞める"というのはありました。

矢野:そういう思いで組んだバンドなので。リミットは大事だと思いますね。

太我:たしかに。ただ、例えば将来は音楽がしたいとかはなく、就職しようかなと考えている人は、社会を知るためにも居酒屋のようなところでバイトをしたらいいかもしれない。ああいうふうに常に忙しくて、いろんな人がいる職場って一番会社に近いと思うんです。上司との付き合い方を学んだり、他のスタッフがうまいことやっている間に自分はやりたくない仕事をやるはめになったり、俺がこんなにやっているのに時給は一緒なのかとか、いろいろ思うところはあると思うんですよね。そこでひとつひとつ学ぶというか。

矢野:いや、厨房が暑いってラーメン屋辞めた奴が何言ってんの(笑)。

-(笑)いい話をありがとうございます。では、ここでドリームバイトの原さんにバトンタッチします。

原:原 あいみです。Non Stop Rabbitは最初に動画で知って、ライヴによく行くようになりました。今日は、直接質問ができるということで緊張しているのですが、よろしくお願いします。

矢野:ありがとうございます。そうですよね、見たことがあります。

田口:嘘つけ!

矢野:ほんとほんと。なんとなくですけど見覚えがありますよ。

原:ありがとうございます(笑)。では早速最初の質問です。ノンラビの曲、歌詞の内容についてはご自身の体験をもとに書かれているんでしょうか。

田口:はい、そうですね。

原:私は「1ミリ先の努力」(2018年リリースの1stフル・アルバム『全A面』収録曲)という曲が大好きなんですが、あの曲にどんな経験や想いが込められているのか、曲の背景が知りたいです。

田口:俺が曲を書いているときに思うのは、必ず誰かのためにならないといけないな、ということで。誰かのためになるということは、まず自分たちに響かなかったら、誰にも響くことはないんですよね。自分の心に刺さる曲を大事にして、それをデモにしてふたりに聴かせたとき、刺さる曲は明らかに反応でわかるから。そういうことは意識していますね。「1ミリ先の努力」のときは、ちょうど地元に帰って高校時代の同級生と話していたときに、その子が"自分の誕生日にお父さんが死んだ"と言っていて。"なんでそんなことが起きたと思う?"と質問したら、"俺が夢を途中で諦めたから、お父さんが天罰を下すために俺の誕生日に死んだんだ"と言っていて。俺は、絶対にそうじゃないよと思ったんです。そう思っている奴に何度"それは違うんだよ"と言ってもダメだけど、曲でだったら一発で"違う"って言い切れるんじゃないかと思って。これを音楽にして伝えようと思った結果、「1ミリ先の努力」ができたんです。要するに、何かを諦めてしまった奴でも、俺らがどんどん前に進んでいって輝いている姿を見せれば、もう一度夢を追ってもいいんじゃないかなと思えるんじゃないかって。そんな曲を作れたらいいなと思って作った曲なんです。

原:ライヴを観ていても、ノンラビ自身が自分たちの曲を大切にしてるのは感じます。では、どうしてみなさんはアーティストになりたい、バンドをやりたいって思ったんですか。

矢野:僕は、物心ついたときから、なぜかわからないですけど有名になれる気がしていて。

田口:大物だな。

矢野:学校でもみんなの中心にいて、先生から母親に"晴君(矢野)の周りにはいつもみんながいて、笑っているんですよ"という話をしていたこともあったらしいんです。自分でもそれは感じることがあって。嫌な意味ではなくて、自分は周りとは違うなと思ったんですよ。なので高校ではバンドをやりたいなと思って、バンドやるなら有名になりたいっていうのがずっとあったんです。それで今に至ります。

原:いろいろと表現するものがあるなかでも、なぜ音楽が良かったんですか。

矢野:小学生のとき、倉庫に父親が昔使っていたギターがあったのを見つけたんです。それがきっかけでしたね。車に乗って家族で出掛けるときも、親がよく音楽を聴いていたし、カラオケに行ったりして、歌うことも好きだったんですよね。

太我:僕は高校生のときにUVERworldのライヴに行って。そのときドラムが一番前に出てくる演出があったんです。前から3列目くらいで観ていたんですけど、目の前にドラムがあって、すごい迫力でかっこ良くて。自分もこうなりたいなっていうのが最初でしたね。ザ・憧れみたいな感じで。自分もこうなろうって。

田口:俺は、お父さんに騙されました。

原:騙されたんですか?

田口:中学生くらいのときに父親が、"俺は、ギターを弾けたからめっちゃモテたんだ"と言っていて。それで自分もギターを始めてみたんです。最近気づいたんですけど、お父さんギター弾けなかったんですよね。

矢野:壮大なドッキリやな。

田口:今は、俺がお父さんにギター教えてるんだけど(笑)。そんな感じでギターを始めて、音楽面白いなって思ったんです。実は上京した理由はバンドじゃなくて役者を目指してだったんですけどね。でもその当時も、何か勝負をするときや頑張らないといけないときに、音楽にすがっていたんです。音楽を聴いて頑張ろうって思ったり、失恋したときは音楽を聴いて泣いたり、いいことがあったときも音楽を聴いて喜んだりしていたんですよね。結局、俺には音楽の方がいいのかもなって、気づいたら曲を作っていたんです。