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INTERVIEW

Japanese

ヒトリエ

2014年01月号掲載

ヒトリエ

Member:wowaka (Vo/Gt) シノダ (Gt) イガラシ (Ba) ゆーまお (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-ヒトリエのサウンドはBPMが高い四つ打ちギター・ロックという、2010年代の日本のロックの主流で。だけど4人が感情を爆発させているアンサンブルは喧嘩のようにも聴こえる。その緊迫感がとても新鮮だし、非日常に飛ばしてくれるような感覚もあるんです。取っ付きやすいけれど、四つ打ちには細かいギミックが効いていて実は難解。主流ど真ん中なのかと思って入ってみると"これはいままでにない感じだぞ?"と。それがこのバンドの面白いところだし、個性だと思います。

wowaka:それはもう完全に狙い通り(笑)!やったー。

一同:(笑)

ゆーまお:喧嘩してるみたいだと感じる根源はここ(wowakaとゆーまお)にあると思うんですよね。ああいう曲だから、特にドラムはユルくやったらかっこよくないんですよ。キメるとこキメてくれないとこっちは"畜生"ってなるわけですよね。個々の個体差や感じ方の差はありますけど、演奏者がやれるところまで切り詰めた結果、それだけ鋭かったり。色濃いものにしないと彼の良さもそこまで出てこないと思うんで。「センスレス・ワンダー」はそれくらい張りつめたくらいが、いまの僕らには丁度いいんだと思います。

イガラシ:「センスレス・ワンダー」のベースは、いままで録った曲のなかでいちばんシンプルなことをやってます。ただただwowakaという球を金属バットで遠くまで飛ばす作業を俺はやろうと。それだけ考えました。もっと複雑なアプローチをしたいとか、ベース・ラインをもっと動きたいとかはあんまり考えなかったですね。このバンドがこの曲を演奏することにとっては、俺が強く押し出すことに徹するのがいちばんいいと思った。

-音にキャラクターがあるところがザラッとした感触があって、それもいい違和感だと思います。「さらってほしいの」の間奏のギターのユニゾンはそれが顕著だと思うのですが、合っているような合っていないような危ういラインが生々しくて。

wowaka:ぎりぎりの場所を探すのが楽しくて。一致していると......どうしてもね。自分でやっているときでもそういうバラシかたをしているんですけど、バンドになると更に人が違うので、その演奏している人が立たないとバンドとして意味がないと思っているんですよ。立ったうえでひとつのかたまりとして出せるのがいちばんいいと思う。そういうところでせめぎ合いのバランスが、いちばん危うくて面白いものになるのは......僕は意識的にやっている部分ではあります。

ゆーまお:彼は頭のなかに音のイメージを強く持っているので。

シノダ:この人のGOサインが出るか出ないかですよね。同じギタリストだから、まーよくかち合いかち合い......。「センスレス~」に関してはよく自分のアイディアが通ったほうだなと思います。だから割と思い入れは強い。っていうくらい他でボツをくらってる(笑)。

-あら、そんなに......。"くそ!"とか思わないですか?

シノダ:そりゃあ、めちゃくちゃ思ってます(笑)!

一同:(笑)

イガラシ:(シノダに向かって)結構怒ってるもんね?まあ、あんまり気にしてないみたいだけどね(笑)。

-(笑)。「さらってほしいの」は力強くもやわらかい曲なので、ヒトリエの新しい面が斬り出せた曲だと思います。

wowaka:僕、日本のポップスがめっちゃ好きで。松任谷由実さん、山下達郎さん......ロック・バンドだけどスピッツとか。大御所大好き。大御所は大御所たるものが絶対にあるんです。ああいう曲に対する、ロック・バンドとしての素質というか......ロック・バンドだからこそできることはあると思うので、そこで面白いものができたなという実感はすごくあって。ああいう曲はね~......いいんですよ(笑)。すごく好きですね。