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INTERVIEW

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。

2025年07月号掲載

ぜんぶ君のせいだ。

Member:如月愛海 メイユイメイ 寝こもち むく 煌乃光

Interviewer:吉羽 さおり

-(笑)カップリングに「ぜんぶ僕のせいだ。」、「世界にたった一人ちっぽけな君を」が収録されますが、その2曲から成長した、タフになった感覚や眼差しがあるのがいいですよね。

如月愛海:「GOLD」も「世界にたった一人ちっぽけな君を」も少なからず希望がある曲で。「世界にたった一人ちっぽけな君を」はもともと切ないけど、最後にはちゃんと希望を持てる曲として作っているから。そう考えると「GOLD」のほうが希望があるかなと思う。「GOLD」は、一字一句歌詞を読み上げたいくらいの曲で。

寝こもち:"君を迎えに行くって約束してる。"、"嘘じゃないこと 知ってるでしょう?"のところとかもね。

メイユイメイ:そこをめぐちゃんが歌ってるのグッときたよね。

寝こもち:こんな説得力があることそうないからね。

メイユイメイ:あとは、この曲めぐちゃん歌が上手い!

一同:(笑)

如月愛海:歌いやすいのもあるんだと思う。今回は、一人一人が歌うパートがぜん君。の曲の中では長いほうなんです。だから自分としては、しゃべってるように歌ってるという感じですね。

-そうですね、言葉の後ろにある背景がより見えてくるものだと思います。

如月愛海:前作が『Sleeping Dirty』(2025年1月リリースの19thシングル)だったんですけど、もともとこの5人になるときに、しっかりと歌えるむくと光を入れている部分があるから、『Sleeping Dirty』の段階で1曲にまとまりがあって。

寝こもち:それぞれの個性は豊かなんだけど、相性がいいっていうかね。

如月愛海:フレーズごとの歌い方はみんなバラバラだけど、1曲として聴けるというか。そういうのが『Sleeping Dirty』では感じられていて。訴え掛けるよりは、伝える曲になったというか。

-"歌"というものを聴かせる、魅せる手応えを感じてましたよね。

如月愛海:そうです、その後の「GOLD」だったから。みんなそれを踏まえた見せ方がよく出ている感触があるんです。

メイユイメイ:あとはサビにみんなの名前が入ることによって、光とかむくも、"この曲はみんなで1つの歌を歌う"ことを感じやすかっただろうなと思う。それもあって、それぞれの歌い方をしていても、みんなが1つに感じられて。

寝こもち:それもまた泣けるんだよなぁ。

メイユイメイ:そう、みんながちゃんとお互いに寄っている感じもあってね。

寝こもち:光とむくにとってはこの3人(如月愛海、メイユイメイ、寝こもち)は長く活動を続けてきているメンバーで、(日本)武道館公演も終えていて、最初は先輩という感じもあっただろうし。後から加入する大変さや苦しさもあったと思うけど、「GOLD」では、ちゃんと今全員が、横一列で走ってる感じがするから。涙なしでは歌えないっていう(笑)。

メイユイメイ:これをこの1年で歌えたのはすごいなって思う。

むく:嬉しい。

如月愛海:ここからツアーとか海外でのライヴを回っていくことでまた変わっていくんだろうね。

煌乃光:"君を迎えに行くって約束してる。"と歌ってますし、これからのツアーでよりいろんなところに行けるから、どんどん厚みを持った曲になっていく気がします。

-そうですね。

如月愛海:言いたいことはずっと一緒にいたいということだけなんですけどね。一緒に"えいえいおー"ってした患いさんやメンバーが去っていくのもいっぱい見たし。でもたぶんみんなその時々で絶対ずっと一緒にいようと思っていたと思うから、それは繋げていきたいなと考えていますね。

-以前はよく聴いていたり、ライヴに来てくれていたりした人が、この曲をどこかで耳にして、もう一回ライヴ行ってみようかなって思ってくれることもありそうですもんね。

如月愛海:実は最近、また戻ってきてくれていたりするんですよ。なんなら、6年前くらいにライヴに来ていた人たちが帰ってきていて。

メイユイメイ:まだメイもこもちもいないくらいの時代の患いとかが来てくれるんですよ。

-何を機にまた来てくれるようになったんですかね。

如月愛海:よく分かんないんです(笑)。

メイユイメイ:ふと思い出したんじゃない? "俺、そういえばぜん君。好きだったなぁ"って調べてみたら、"まだやってる!"みたいな。

如月愛海:しかもライヴで全国を回っているので、あれ、昔どこかで......という人がいつの間にか今のファンの人たちと交ざっていたりするんです。結局フロアは変わってないというか。それを今目にしていて、めっちゃ幸せなんです。

-個人的には5月4日の渋谷WWWでのツアー・ファイナルで、現体制のライヴを初めて観たんですが、"ぜん君。、アイドルしてるな"っていうくらい元気でステージがキラキラしていたんですよね。これまでいろんな編成でのぜん君。を観てきて、力が入ってるときもあれば、エモいときもあってと感じるものはありましたが、今はめちゃくちゃ元気で楽しくて。

如月愛海:嬉しいです(笑)。2023年に武道館を終えて、そこで二宮金次郎ばりに背負っていたものを一回降ろしたんですよね。武道館までは、絶対に今いるファンを離さないとか、いろいろな思いがあったけど、今は純粋に、みんなで楽しみたいを一番大事にしてるというか。当時もそうだったんですけど、やっぱりそれでも何かしら思ってることがあったんです。

メイユイメイ:こうして活動休止から、新体制で活動を再開するときも、最初はたくさん笑おうねってことで、またやろうってなったので。

-ぜんぶ君のせいだ。としては10周年と、こうしたグループではかなり長いキャリアになると思うんです。それでいて、あのキラキラ感が出ているのはすごいなと思いましたよ。

寝こもち:めぐちゃんはオリジナル・メンバーだし、大変なことがあっても、自分がちゃんと楽しむっていう難しさもあったと思うしね。

如月愛海:そうだね、やっぱりエモが強くなっていたんだろうなって。

寝こもち:それはね、しょうがない。

-お客さん、患いさんたちもグループの歴史を一緒になって体感してたと思います。だから全力で支えるぞっていう時期もあったと思うし、いろんなタイミングで喜怒哀楽を味わっていたと思いますが、10年を経た今、あのいい空間を見られるのはとてもいいなと感じますね。

寝こもち:先日のツアー・ファイナルは、特に曲が楽しい感じのものが多かったから、わちゃわちゃして余計に楽しかったんですよね。

メイユイメイ:結構その時期予定が重なっていてバタバタしてたこともあって、合わせることができなかった曲たちも多かったんですよ(笑)。

如月愛海:中盤の5曲は、リハで合わせにいった感じがあったよね。

メイユイメイ:そう。でもぜん君。はそういうのを楽しさに変えちゃうから。

如月愛海:そうだね。エモいときももちろんあったけど、その間も"楽しい"を意識していたのはたぶん良かったんだろうなと。ずっと"楽しい"を意識してる10年間ってそうないじゃない?

メイユイメイ:そうだね。

如月愛海:目標として武道館に行くとかはあったけど、"Mステ(ミュージックステーション)"に出たいとかそういう意味での売れたいみたいなのはもともとなかったから。今、売れたいっていうのがないわけじゃないけど、その売れたいが=めっちゃみんなと遊びたいなんですよね。