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INTERVIEW

Japanese

9mm Parabellum Bullet

2016年05月号掲載

9mm Parabellum Bullet

Member:菅原 卓郎(Vo/Gt)

Interviewer:石角 友香

かみじょうちひろ(Dr)と中村和彦(Ba)作詞作曲による楽曲も大幅に増え、9mm Parabellum Bulletというバンドの奥行きがグッと増した、3年ぶりとなる6thアルバム『Waltz on Life Line』。この時代を生きる個々人にまっすぐ刺さる曲や静かに決意を促してくれる曲が出揃った。ロック・バンドの普遍的な魅力と更新された音像体験は、やはり彼らならではだろう。主宰レーベル"Sazanga Records"×"TRIAD"からのリリースも含め菅原卓郎に訊く。

-今回のアルバムが完成する以前にレーベル自体は存在していたんですよね。

以前、所属していた事務所から独立するときにレーベルを作りました。そのときは、まだリリースだとか、そういうことをするタイミングじゃなくて。前のレコード会社とのこともあるし、実際、僕らもそこまで"絶対に自分たちのレーベルからCDを出すんだ"という気持ちだったわけじゃないんです。独立したときに"ま、とりあえずレーベル作っておこうか"という感じで(笑)。それで、もし何かあったときには、その自主レーベルから出せばいいんだし。"自分たちの足をトンと置いておける場所を作っておこうよ"という程度の話だったんですよ。いろんなことに対して自分たちが見通し良くなるような場所として新しい態勢を用意していました。それがちょうど今回、仕事をしてくれるときがきたってことですね。

-今の音楽ビジネスの状況からしても、自分たちでコントロールできる部分が多い方がやりやすいということですか?

レーベルを運営したいわけではなくて、音楽に集中したいという気持ちが第一です。なので運営自体は信頼してるスタッフに任せるってことなんです。この10年間バンド活動をやってきた中で、音楽以外に"あれ? なんで俺たちが今コレやんなきゃいけないの?"と疑問が浮かぶようなことが何度かあって。いろいろなものが自分たちの手が届く場所にあれば、疑問が少なくなるし。納得して作業ができるということが、これまでと違うところですね。

-ひたすらライヴをやって作品をリリースするバンドっていうイメージだったんですけど、今までの9mm Parabellum Bullet(以下:9mm)は。

はい。でも今回は前作『Dawning』(2013年リリースの5thアルバム)から3年も空いちゃって(笑)。

-その期間が今回のアルバムに凝縮されてるように感じました。

そうですね。振り返ってみたら、『生命のワルツ』(2014年リリースの6thシングル)をリリースしたくらいからのタームをまるっと収録した作品になったかなと思います。何かを意識して3年空けたわけではなくて、いろんなことをやりながら、ふと気がついたら3年ぶりになっちゃったってだけなんです。昨年頭に、作曲期間があったんですけど、そこであてもなく作っていたわけじゃなくて、"シングルを出そう"という気持ちで作っていたんですけど、そのタイミングでできたたくさんの曲がそのままアルバムに持ち越されています。でも中には"絶対アルバムに使うんだ"という思惑まではなかった曲がいくつかあったんです。2週間に一度ぐらいみんなで集まって、作った曲を並べてみることをやっていたので。自分で"全然良くねえな"って思った曲も(笑)、間に合わせて提出したりして。そういうことまでやれたのはすごくよかったなと思っています。

-それだけは自分たちに課していたんですか?

デモを完全にリズムからメロディまで作ってくるわけじゃなくて、そのデモを"ちょっと4人で演奏してみようか"というサイクルでやってましたね。

-すごく試行錯誤してアルバムに入れた曲ってありますか?

かみじょう君の「Kaleidoscope」(Track.7)という曲ですね。そもそもデモの段階でかみじょう君が持ってくる形って、バンド・サウンドじゃなくて打ち込みの音の状態なんです。言ったらスーパーマーケットのBGMみたいな状態のこともあるんです。それをバンドに移し替えていくとき、人力でプレイするのは無理なパートとかあって。例えば"2フレットから15フレットにはいけないです"というようなこととか。でもそのニュアンスは残したまま、違うフレーズに換えるとか、そういうことを1番多くやった曲じゃないかなと思います。

-スーパーマーケットのBGMみたいな感じでありつつ、リズムはこれだったとしたら、すごくシュールなデモですね(笑)。

生のドラムではなくてパソコンのソフトで作った音源なので異常にスクエアな音で(笑)、人間味がないっていうか。当たり前なんですけど。

-かみじょうさん、自分で叩くことになるわけですよね。

そうですねぇ、そこで自分でもつまずいてるという。"あんたが作った曲やで?"って(笑)。