9mm Parabellum Bullet × THE BACK HORN『決闘披露宴』
2014.03.27 @Zepp Tokyo
Writer 岡本 貴之
9mm Parabellum BulletとTHE BACK HORNによるツーマン・ツアー『決闘披露宴』の東京公演が3月27日Zepp Tokyoにて行われ、集まった熱いロック・ファンたちを前に音楽の楽しさを最大限に伝える目一杯のパフォーマンスを披露した。
心配された雨も上がり、開演する頃には周辺の施設に両バンドのTシャツ姿のファンがたむろしていたこの日のZepp Tokyo。いくらなんでもTシャツ1枚ではまだ肌寒いはずだが、ライヴへの期待が体を熱くさせているのか会場外の段階でまるで夏フェスのようにTシャツ率が高い。厚着していた自分が恥ずかしくなってしまった(笑)。
開演時間丁度、壮大なSEが会場に鳴り響き、満員の観客の手拍子に迎えられTHE BACK HORNがステージに上がる。"こんばんはTHE BACK HORNです!"と山田将司(Vo)の第一声から始まったライヴの1曲目は「光の結晶」。"オイ!オイ!"と暗闇の中から腕を振り上げる観客たちの多くは10代後半から20代前半のようだ。続くギター・リフにすかさず反応する観客たち。「声」では重戦車のように突き進む岡峰光舟(Ba)と松田晋二(Dr)のリズム隊が煽る、煽る。"『決闘披露宴』にようこそ!"続く「バトルイマ」は昨年、結成15周年記念シングルとしてリリースされた楽曲。4月9日にリリースされるニュー・アルバム『暁のファンファーレ』の中でも核になる曲のひとつではないだろうか。"一度きりのこの瞬間を"という歌詞に15周年を迎えて新たに歩を進めていく決意が感じられる。
松田がマイクを手にする。"音楽のぶつかり合いを披露するこのツアー、とうとう東京まできました"というMCに拍手が起こる。5年前に共演してから、お互いツーマンを望んでいたもののタイミングが合わず、今回のツーマンの実現となったことなどを伝え"この宴を楽しんでいってください!"と松田。もちろん観客はすでに大いに楽しんでいるようだ。
ファンキー且つクールなギターのリフを弾く菅波栄純(Gt)、ヨコ揺れしながらラップ調に歌う山田、激しいサビが盛り上がる「コワレモノ」から、抑揚のないヴォーカリゼーションとギター・リフの反復が印象的な「ジョーカー」の流れが対照的で面白い。エンディングでリズム隊が起伏のあるフレーズを刻み曲の世界を表現した「雨」、ミディアム・テンポのロック・バラード「世界中に花束を」では力強い"何処へ行ってもまた此処に帰るだろう"という歌詞が印象的だ。THE BACK HORNは男性人気が高いかと思ったのだが、こうした曲の普遍性に感じる包容力が女性ファンの心も掴んでいるのだろう、多くの女性ファンの姿がステージ前に見受けられる。
松田のMCで"本当は今日がファイナルになるはずだったんですが......"の声に、インフルエンザを患い福島でのライヴを欠場した菅波が観客に向かってひたすら平身低頭。場内からは笑いが漏れる。"とても有意義なツアーになりました。高め合っている2バンドを見て下さって本当にありがとう!"との感謝の声に大きな拍手が贈られた。"みんな一緒に歌ってくれよ!"とギターを手にした山田が叫び最新シングル「シンメトリー」でライヴ後半戦に突入。駆けて行くような勇敢な演奏が心躍る。立て続けに"いくぞー!"と「コバルトブルー」へ。フロント3人が前に乗り出してアクションすると、ステージ前ではクラウド・サーフが起こり、カオス状態に。青い照明が飛び交う中、「シンフォニア」でますますヒート・アップする観客たち。"また会おうぜー!"とラストの「刃」が始まるとさらに会場は盛り上がる。実直でハードなサウンドは男女問わず拳を握りしめ、突き上げたくなる衝動に駆られる。激しくアクションしながら歌う山田を始め、魂を燃焼させるような演奏を終え、ここでTHE BACK HORNはステージを降りた。
15分程の転換の後、真っ赤に染まったステージに9mm Parabellum Bulletが登場。大歓声だ。ゆったりとギターを鳴らしながら"9mm Parabellum Bulletです、こんばんは!イエー!東京ー!"と菅原卓郎(Vo/Gt)が叫び、滝 善充(Gt)のギターから飛び出したイントロにすかさず反応する観客たち。「Answer And Answer」から9mmのライヴはスタート。とてつもなくギッシリと詰まった会場が壊れてしまうのではというほど、初っ端からうねるように盛り上がる。間奏でフレーズを刻む滝がブレイクすると中村和彦(Ba)がモニターを踏み台にジャンプ!「The Revolutionary」へと続き、菅原と滝がツイン・リードのギターで見せ場を作る。稲妻のようなサウンドを放射しながら激しく身をくねらせる滝。早口でまくしたてる「Vampiregirl」では大合唱が起こり会場が一体に。間奏ではステージ前で腰かけてベースを奏でる中村の姿が。そこに駆け寄る菅原。実にライヴ・バンドらしい絵になるシーンだった。
「荒地」では、かみじょうちひろ(Dr)のツーバスが凄まじい重低音を叩き出しバンドを牽引する。"ファイナル、いやさ、旧ファイナルへようこそ(笑)"と観客を笑わせる菅原。観客に向かい"燃え上がってるね!このツアーで成長したよ。昨日の俺とはひと味違うよ"と宣言すると大歓声。「The Lightning」から"歌ってくれー!"と「Termination」へ。シンガロングが起こるフロア。滝の超絶ギター・ソロに頭がクラクラする。かみじょうはまるで"風神雷神"のように後方にどっしり構え、両手を激しく振りかざしながら会場の空気を切り裂いているようだ。ゆったりとしたシャッフルビートと、ヨーロッパの童謡を思わせるようなギター・リフが独特のノリを生み出して踊らせる「悪いクスリ」はこれまでとは違うテンションで会場に新たな磁場を作っていた。曲が終わるとMCではいち早くTHE BACK HORNの新作を聴いた菅原が名盤として紹介。続く「キャンドルの灯を」では中村がアップライト・モデルのベースによるハードなスウィングを、「The World」はワルツ調の演奏を聴かせる等、硬軟織り交ぜたアンサンブルがライヴの重要なアクセントになっている。
MCで2月の武道館ライヴを収録したDVDが5月7日に発売されることをお知らせすると、多くの観客から"行ったよ~!"といった声が飛ぶ。"ありがとう!2日目は雪が降ったけど(笑)"と菅原。 "まだまだイケるのか~!?"という菅原のシャウトから「Discommunication」へ。滝がギター回しをすると客席がドッと沸く。中村はベースを肩口に持ち上げて機関銃のように客席を掃射する。怒涛の後半戦は「ハートに火をつけて」、から「新しい光」の大合唱へと続く。一際抒情的でメロディアスな「黒い森の旅人」からラストは「The Silence」へ。4人が音の弾丸となって速射砲のように繰り出される演奏だ。9mmの演奏は激しいアクションとは裏腹に一糸乱れぬところが見ていて気持ち良い。曲を終えるとステージ中央に立ち客席に向かって一礼する菅原を最後に残しバンドはステージを一旦降りる。
アンコールの声に再び姿を見せ"本日は2バンドの『決闘披露宴』にご参列頂き誠にありがとうございました。楽しんでもらえましたか?最大限のリスペクトを示すために、これから俺たちでTHE BACK HORNの曲をやります"と菅原が伝えると一瞬息を飲む観客に放たれたのは「刃」。歌い出した瞬間、会場は大爆発!ハンドマイクで歌う菅原に先導されて何千という腕が上がる。"もう1曲!"とTHE BACK HORNのヴォーカル・山田をステージに呼び込むと「Black Market Blues」で交互にリード・ヴォーカルを取り大歓声が挙がる。先程と違いラフな服装で体を激しくくねらせる山田も楽しそうだ。ライヴはこれ以上ない盛り上がりのまま終了。しばらくアンコールを求める手拍子が続いたが、場内アナウンスが終了を告げると大きな拍手が無人のステージに贈られた。互いにリスペクトしあう2つのバンドが観客と作り出してみせた多幸空間。純粋なロック・キッズにも見える8人が羨ましく思えるようなバンドの楽しさを最大限に表現したライヴだった。
【THE BACK HORNセットリスト】
光の結晶
声
バトルイマ
コワレモノ
ジョーカー
雨
世界中に花束を
シンメトリー
コバルトブルー
シンフォニア
刃
【9mm Parabellum Bullet セットリスト】
Answer And Answer
The Revolutionsry
Vampiregirl
荒地
The Lightning
Termination
悪いクスリ
キャンドルの灯を
The World
Discommunication
ハートに火をつけて
新しい光
黒い森の旅人
The Silence
アンコール
刃(THE BACK HORNカバー)
Black Market Blues
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