Japanese
9mm Parabellum Bullet
Skream! マガジン 2021年07月号掲載
2021.06.06 @Zepp Haneda(TOKYO)
Writer 石角 友香 Photo by 西槇太一
"やることがわかってるからって、タネがバレてる手品みたいにはなってないでしょう?"――菅原卓郎(Vo/Gt)が言った通り、己の全身で体感しないとわからない。授業やセミナーじゃなく、これはライヴだ。去年、開催予定だったトリビュート・アルバムにちなんだ同企画が延期を余儀なくされたことで、内容を一新。2017年のアルバム『BABEL』のツアーは滝 善充(Gt)の腕の不調で、彼が不在のままツアーを行った(だが、曲に滝の存在を随所に感じて鳥肌が立つ内容だった)が、今、改めて完遂するという目的を持った第1部。そして、インディーズ時代の2作『Gjallarhorn』と『Phantomime』を再現する第2部。こんな濃厚な内容を転換も込みの120分に凝縮したのが今回のツアーである。さらに強烈なのが初日にしてその完成度と集中力の高さ。ツアーは7月の仙台でのファイナル(緊急事態宣言の延長により、大阪公演が7月18日へ延期することが発表された)まで続くので、詳述は避けるが、今年THE BACK HORNとのツーマンでリアル・ライヴの歓喜を全身に漲らせた境地から、よりアップデートされた9mm(9mm Parabellum Bullet)がそこにいた。
クラシカルなSEと青白いライティングが酷寒の地を思わせる演出でスタートした第1部。滝不在のツアーはまるで彼の見えざる意志がサポートのHERE武田将幸(Gt)、folca爲川裕也(Gt)のサポートふたりを含む5人を動かしているようにすら見えたが、今回は9mmメンバーが横1列に並ぶ画も壮観だ。が、滝本人がリードを弾いていることで、彼不在のツアー時のような異様な緊張感はなく、むしろギター4本が醸し出すオーケストレーションを堪能させてくれた。加えてかみじょうちひろの怒濤のバスドラはもちろん、タムロールなど手数の多いフレージングも、中村和彦(Ba)のメロディアスなフレーズも出音が大きい。人間の欲望の象徴のような"バベル"と、その崩壊を体感させるようなアンサンブルに言葉を失う。パンデミックこそ予見できなかったとしても、そろそろ人間の生き方が袋小路に追い込まれていた実感は、優れたアーティストなら誰もが実感していただろう。今改めて、困難な時代に聴く『BABEL』という作品の響き方が生音で増幅された印象を持った。MCなし、全10曲を映画的なスケール感で駆け抜けた第1幕。卓越したプレイや、練られたギター・アンサンブル、普遍的に心に刻みたいメッセージなどが、脳内のスクリーンに現れては層を厚くして記憶されていく――音楽家としての矜恃にしばらく呆然とするしかなかった。もちろん、そこには演奏することの楽しさも溢れていたのだが。
第2部ではドラムはセンター奥に戻り、お馴染みのバックドロップが上昇し、ATARI TEENAGE RIOTのSEと共に9mmメンバー4人が登場。『Gjallarhorn』は今もライヴで人気の高い「(teenage)disaster」や、「Talking Machine」を収録しているだけあり、第1幕の内なる熱狂とは一転して、オーディエンスの熱量の放出もストレートだ。曲が完成したときのアレンジをさほど変えずに、サウンドを向上させるのが曲に対する確固たる愛情を感じさせる。何よりインスピレーションに突き動かされて自由に動く滝を筆頭に、初期の粗さは洗練されつつも、年々フレッシュにすらなるメンバーの柔軟性には素直に勇気づけられた。さらに、シンプルで9mmの曲作りの骨格が透けて見えるような『Phantomime』の再現は、彼らのおおもとにあるロックンロールを実感。菅原が過去に拘泥することなく、新しいライヴのあり方で楽しもうと話した真意は、こうしたテーマ性の高い構成の意図も含んでいる。何度も驚かされるこのバンドの底力を確認できるツアー。今後、足を運ぶ人は期待しすぎて構わない。
- 1
LIVE INFO
- 2025.07.21
-
"NUMBER SHOT2025"
斉藤和義
PK shampoo
LOCAL CONNECT
東京スカパラダイスオーケストラ
ASP
鶴
TENDOUJI
jizue
め組
HY
PIGGS
終活クラブ
小山田壮平 / 奇妙礼太郎 / 安部勇磨(Band set) ほか
ぜんぶ君のせいだ。
アーバンギャルド
僕には通じない
LACCO TOWER
GOOD ON THE REEL
いゔどっと
ビレッジマンズストア
GRAPEVINE
Homecomings
SpecialThanks / レイラ / GOOD4NOTHING / THE FOREVER YOUNG ほか
アカシック
PENGUIN RESEARCH
- 2025.07.22
-
Hump Back
終活クラブ
the telephones
- 2025.07.23
-
東京スカパラダイスオーケストラ
板歯目
フラワーカンパニーズ×アイボリーズ
9mm Parabellum Bullet
女王蜂
- 2025.07.24
-
水平線
板歯目
bokula.
ビレッジマンズストア
竹内アンナ
the paddles
- 2025.07.25
-
四星球
マカロニえんぴつ
セックスマシーン!!
東京スカパラダイスオーケストラ
"FUJI ROCK FESTIVAL'25"
キュウソネコカミ
FIVE NEW OLD
有村竜太朗
Ivy to Fraudulent Game
のうじょうりえ
輪廻
RAY
らそんぶる
UNCHAIN
ゴキゲン帝国
miida
bokula.
感覚ピエロ
- 2025.07.26
-
あれくん
[Alexandros]
Eve
"OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.14"
GANG PARADE
須田景凪
コレサワ
LOCAL CONNECT
アーバンギャルド
reGretGirl
"FUJI ROCK FESTIVAL'25"
ASP
Creepy Nuts
FIVE NEW OLD
PENGUIN RESEARCH
マオ(シド)
さめざめ
Academic BANANA
"MURO FESTIVAL 2025"
WtB
有村竜太朗
Czecho No Republic
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.07.27
-
Eve
東京スカパラダイスオーケストラ
MAPA
神はサイコロを振らない
"OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.14"
LOCAL CONNECT
"FUJI ROCK FESTIVAL'25"
ASP
コレサワ
DURDN
"MURO FESTIVAL 2025"
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.07.28
-
THE YELLOW MONKEY
パピプペポは難しい
のうじょうりえ
Hump Back
- 2025.07.29
-
大森靖子×銀杏BOYZ
斉藤和義
- 2025.07.31
-
TENDOUJI
フラワーカンパニーズ
GIFTMEN
なきごと
The Gentle Flower.
のうじょうりえ
ZAZEN BOYS
板歯目
- 2025.08.01
-
bokula.
GIFTMEN
ビレッジマンズストア
キュウソネコカミ / 礼賛 / 西川貴教 / FANTASTICS
GOOD BYE APRIL × エルスウェア紀行
cinema staff
the shes gone
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Newspeak
Amber's
パピプペポは難しい / IQ99
- 2025.08.02
-
Saucy Dog
マオ(シド)
四星球 / フラワーカンパニーズ / Hump Back / 眉村ちあき ほか
なきごと
FIVE NEW OLD
BLUE ENCOUNT
TENDOUJI
カミナリグモ
"Live House Pangea presents「新世界FESTIVAL2025」"
あれくん
藤沢アユミ
reGretGirl
Nothing's Carved In Stone
ぜんぶ君のせいだ。
岸田 繁(くるり) / 向井秀徳アコースティック&エレクトリック / 折坂悠太
古墳シスターズ
PENGUIN RESEARCH
忘れらんねえよ
シナリオアート
SCOOBIE DO
eastern youth
"NEW HORIZON FEST"
ExWHYZ
BRADIO
映秀。
- 2025.08.03
-
Saucy Dog
なきごと
四星球 × G-FREAK FACTORY
マオ(シド)
ビレッジマンズストア
PK shampoo
フラワーカンパニーズ
BLUE ENCOUNT
Nothing's Carved In Stone
FIVE NEW OLD
reGretGirl
さめざめ
カミナリグモ
あれくん
忘れらんねえよ
SCOOBIE DO
"NEW HORIZON FEST"
古墳シスターズ
Lucky Kilimanjaro
め組
コレサワ
有村竜太朗
- 2025.08.05
-
Hump Back
BLUE ENCOUNT
YOASOBI
RELEASE INFO
- 2025.07.23
- 2025.07.25
- 2025.07.29
- 2025.07.30
- 2025.07.31
- 2025.08.01
- 2025.08.06
- 2025.08.08
- 2025.08.13
- 2025.08.15
- 2025.08.20
- 2025.08.22
- 2025.08.27
- 2025.08.29
- 2025.09.03
- 2025.09.05
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Organic Call
Skream! 2025年07月号