Japanese
Skream!×MUSE音楽院特別公開講座
2016年01月号掲載
メンバー:藤森 真一(Ba) 渡辺 拓郎(Dr) hozzy(Vo) 田中 ユウイチ(Gt)
インタビュアー:渡邉 徹也(Skream!編集部)
-他にいらしゃいますか? いなければ僕から質問したいのですが、実は僕と藍坊主のみんなさんとは同い年なんですけど、同世代の人とずっと一緒に何かをやることって、バンド以外であり得るのかな?って思うんです。同じバンドとして、ずっと仕事を続けていくってどんな感覚なのかな?と。そういったことを意識することってあります?
hozzy:今33歳ですけど、どうなんでしょう? 感じは変わらないけど。
田中:俺らね、長いことやってますけど、もともと仲が良かったわけじゃないんですよ(笑)。仲良くて遊んでてバンド組んだわけじゃなくて、藤森がバンドを組むってメンバー探して集まったバンドなので、だから拓郎とは同じ高校で同じクラスだったけど、バンドを組むまでは全然喋ったことなかったよね(笑)?
渡辺:全然なかったね(笑)。なんならユウイチの席も俺の斜め後ろだったのにね。
田中:"消しゴム貸して"ぐらいしか喋ってなかったよね(笑)。
渡辺:あとよく寝てたから、先生に指されてるの教えたり。放課後終わったら遊びに行くこととかなかったもんね。
田中:hozzyとも一緒にやるまで全然喋ったこともなかったんで。同じライヴに出始めたときもあんまり仲良くなかったんですよ(笑)。
hozzy:当時、MUSE音楽院の学園祭に出演するためのオーディション・ライヴみたいなのに出たんですけど、そのときまだユウイチとふたりで飯に行けなかったですもん(笑)。
田中:ふたりで飯に行くのが気まずいのでご飯を我慢するという(笑)。だからそんなに仲良くてバンドやりだしたってわけじゃないんです。バンドをやってから仲良くなったんですよ。
渡辺:正直音楽がなかったらバラバラだと思うんで、深いところまで考えたら友達っていう距離感じゃないのかもしれないけど、あんまりそこまで考えてないとも思うし。なんとも言えない距離感ですね。
藤森:俺とhozzyは藍坊主組む前からちょこちょこ遊んでて、そのときのメンツでたまに会ったりするんですけど、当時僕は佐々木って呼んでたんです。
hozzy:僕、デビューしたころも佐々木でしたよ(笑)。
藤森:途中から"hozzy"って呼び始めたんですけど、地元帰ったときに何て呼べばいいのかわからないってことはあります。ここでhozzyと呼ぶと絶対茶化されるし、佐々木と呼ぶとなんか気まずいしって(笑)。
-バンドっていいですね(笑)。
質問者:先ほど1曲1曲必死で作っているとうかがったんですが、今までたくさん曲を作ってきた中でメンバーそれぞれ好きな曲を教えていただきたいです。
田中:僕は『ミズカネ』(2010年リリース5thアルバム)ってアルバムに入ってる「低迷宮の月」って曲ですね。ギターのアレンジをしてるときにいつもの自分よりも湧き上がってくるイメージがあった曲というか。イントロも思いつかなそうなものが出てきたから、曲に呼ばれてフレーズがたくさん出てきたってイメージが強い曲なので、この曲です。
藤森:難しいよね。なんせ曲がすげえいっぱいあるんだよね。
hozzy:すげえ好きなんだけど実は思い出せないとか(笑)。
藤森:俺は「僕らしさ君らしさ」って曲がメジャー・デビューしたアルバム『ヒロシゲブルー』(2004年リリース)に入ってるんですけど、あれはさっきユウイチが言っていた過去の自分を追い越すって感覚の曲ですね。あの曲を追い抜けたら最高って立ち位置の曲ではあります。
渡辺:俺は直近だと「鬼灯」(2014年リリースの7thアルバム『ココーノ』収録)かなぁ。ちょうどそのときにhozzyから新曲できましたってメールがメンバー全員に送られてきて、そのときたしか俺は同じアルバムに入れる「ラブミーテンダー」のシンセをどうするかって藤森とやりとりしてて、結構精神的に切羽詰ってるときだったんです。それでそのシンセがひと段落したぐらいでhozzyから送られてきた「鬼灯」の原曲聴いて、その瞬間いきなりズバって全部のアイディアが出てきて。だいたい何回かデモのやり取りをするんですけど、その曲はすごく早くデモができて1回目でほとんどOKが出たんです。自分の中でパッと思い浮かんだものがスッと出て、しかもそれがOKだったっていうのが嬉しかったので、直近だと「鬼灯」ですかね。
hozzy:俺は難しいですねぇ。実は結構いろんなものが好きなんですよ。いろんなものが好きでいろんなものが嫌いで(笑)。ごめんなさい、選べないです(笑)!
藤森:あぁ、誰も「魔法以上が宿ってゆく」って言わなかったぁ(笑)。
hozzy:あ、俺言おうかと思ったけど、ちょっと汚いかなって思った(笑)。まだみんなに聴いてもらってないからね。ちゃんと歌詞も含めてプライベートな環境で聴いて欲しい。
渡辺:「魔法以上が宿ってゆく」もいろいろドラマがありましたからね。
-ありがとうございます。それでは最後に、みなさんの感想をうかがいたいと思います。本日はいかがでしたか?
藤森:今日すごく面白かったです。また呼んでください(笑)。できれば次はアルバムで、丸々1枚40分とかこういう環境で聴いてもらうのも結構ありなんじゃないかなって。
渡辺:ライヴによく来てくれてる方はよく知ってると思うんですけど、僕は言葉で何かを説明するのが非常に苦手でして。今日もひょっとしたら"こいつ何言ってるんだ?"って発言があったんじゃないかって思うんですが、自分の中でも見つめ直して言葉にして、その言葉によって気づかされたり新たな発見があって。個人的にはすごく楽しかったんですけど、本当にみなさんに伝わったのか心配なので、ぜひもう一度やりたいです(笑)。
田中:前回この場所に来たのが13~14年前なんですけど、藤森がここの生徒だったので大会のオーディション・ライヴみたいなのをここでやったんですよ。で、その当時hozzyは革ジャンで他のメンバーは甚平着て、ちょっと破天荒なスタイルでライヴやってまして(笑)。そのライヴでめっちゃ覚えてるのが、1曲目で音が出なくなって。でもそのままがむしゃらに弾き続けて、演奏が終わったら目の前にいた審査員の先生たちに"音が出てないのに頑張って弾いてる感じが良かった"って褒められて。なのでここは"音が出てなくても気持ちがあればいいんだ"ってその後の人生に影響を与えた部屋なんですよ。なのでここで10年以上ぶりにこうやって試聴会ができたのは奇妙な巡り合わせだなって思います。またぜひ次回もこういう機会があればやりたいですね。
hozzy:今日こういう企画にみんな来てくれて本当に嬉しいですね。わざわざここまで来てくれたっていうのは相当本気で話を聞きたいって思ってくれたからだと思うので、そういう人たちが面と向かって音楽を聴ける、こういう機会があるとこちらも次の作品の制作意欲が高まってきますね。近いうちふたりでスタジオに入るってさっきも話しましたけど、また次も良い曲作れるよう頑張ります。今日は本当にありがとうございました。
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