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INTERVIEW

Japanese

MiMiNOKOROCK FES JAPAN in 吉祥寺

2018年04月号掲載

MiMiNOKOROCK FES JAPAN in 吉祥寺

吉祥寺最大級のサーキット・イベント"MiMiNOKOROCK FES JAPAN in 吉祥寺"が5月27日に開催される。Skream!では、本イベントの開催を目前に控えて、昨年に続き2年連続出演となる藍坊主のhozzyとKAKASHIの堀越颯太による対談インタビューを行った。いまや地元群馬から全国区へと急成長を遂げている新世代バンド KAKASHIと、そんなKAKASHIを含む20代半ば世代のバンドに絶大な影響を与える藍坊主。日本語ロックとして共通点も多いバンド同士だからこそ、今回の対談では、世代を超えてわかり合えるバンドマンの熱い想いを訊くことができた。これが初対面とは思えないほど、ふたりが心を許して本音をぶつけ合う、まさに"縁を繋ぐフェス"ならではの内容だと思う。

藍坊主:hozzy(Vo)
KAKASHI:堀越 颯太(Vo/Gt)
インタビュアー:秦 理絵 Photo by 上溝恭香

-ふたりは今回が初の顔合わせということで。

hozzy:もちろんバンドの名前は知ってたんですけどね。

堀越:僕は小学生ぐらいのときに、兄が藍坊主のCDを持ってて、一緒に聴いてたんですよ。なので、いままで他のサーキットとかでも何回か一緒になってるんですけど、ほとんど毎回藍坊主のライヴは観てます。直近だと、2月の頭に観た"でらロック"(2月3日、4日に開催された"でらロックフェスティバル2018")ですね。

-ただ昔聴いてたバンドっていうだけじゃなさそうですね。

堀越:そうですね。"STREET ROCK FILE"っていう雑誌があって。

hozzy:懐かしい! あった。

堀越:それで藍坊主の記事を読んでたし、ステッカーも持ってました。なので、バンドの入り口が藍坊主なんですよ。

hozzy:本当ですか? それは嬉しいです。

-当時、お兄さんに渡されたCDはなんだったんですか?

堀越:『藍坊主』(2003年リリース)っていうアルバムですね。

hozzy:最初にインディーズで出したCDですね。ちょうど15年前です。

堀越:僕が10歳のときですね。

-藍坊主の音楽を聴いたとき、何に衝撃を受けたんですか?

堀越:それまでは両親が好きだったMr.ChildrenとかKinKi Kidsを聴いてたんですけど、藍坊主を聴いて、エレキ・ギターっていう存在を知ったんですよ。

hozzy:田中(ユウイチ/Gt)に言ってやりたい(笑)。

堀越:僕の中では新ジャンルが入ってきた瞬間ではありましたね。

hozzy:バンドはいつから始めたんですか?

堀越:小学校6年生からです。初めてギターを買ってもらって。

hozzy:早い!

堀越:それも兄の影響で。最初はベースを持ったんですけど、"ギターの方がかっこいいな"と思って持ち替えたんですよ。

hozzy:自分とまったく同じですね。俺は中学2年生のときに、最初はベースから入ったんですけど、友達がバンドを始めて、ギターやれよって言われて。"ギターの方がかっこいいな"と思ったんです。最初はLUNA SEAからでしたね。

堀越:LUNA SEAなんですか? 意外。僕、今回一緒に対談できるっていうお話を貰ったとき、本当にびっくりして。"マジかっ!"ってなりました。

hozzy:俺も、いまLUNA SEAと対談できるって言われたらヤバいな。

堀越:そういうことですよ! 僕にとっては。

-堀越さんは、"でらロック"でいまの藍坊主のライヴを観てどう思いました?

堀越:あの日は昔の曲と新しいアルバム(2018年1月にリリースした3rdミニ・アルバム『木造の瞬間』)の曲を織り交ぜてライヴをやってたんですけど。昔の曲をやったあとに、"いまの俺たちのかっこいいところを見せに来ました"って言って、新譜から「群青」と「嘘みたいな奇跡を」をやったんですよ。それで、いまの藍坊主はすごくかっこいいなと思いましたね。......ちょっと偉そうですけど、僕、本当にあのアルバムが好きなんです。

hozzy:嬉しいですね。『木造の瞬間』を作ったときは、俺らも、あの作品を作るためにバンドを続けてきたんじゃないかってぐらい手応えがあったから。

堀越:あと、当時、"STREET ROCK FILE"に載っていたような人たちって半数ぐらいはやめてらっしゃると思うんですよね。

hozzy:あぁ、たしかに。

堀越:それがいまも続けてくれてるっていうのも純粋に嬉しいんですよね。

-hozzyさんは、今回の対談のためにKAKASHIの音源を聴いてきたそうですが。

hozzy:あ、そうなんですよ。

堀越:怖ぇ~。

hozzy:いやいや、大丈夫(笑)。音源を聴かせてもらって、この対談を組んでいただいた意味がわかったというか。(KAKASHIは)楽しく盛り上げてやるっていうことよりも、曲の良さだったり、メッセージをストイックに表現することだったりに特化したバンドだなと思いました。メロディで追求してる方向とかも似通ってるところがあるというか。

堀越:どちらかと言うと、むしろ僕らが藍坊主に似てるんですけどね(笑)。

hozzy:すごく共通するものがあるなと思いましたね。

堀越:ありがとうございます! やっぱりライヴに来てくれたお客さんがあとから思い出したときにも熱くなるというか、何かを残せるのが音楽なのかなと思いますね。僕らの音楽のメインは言葉だと思ってるので、そこをちゃんと伝えるのが大前提なんです。

-たしかに、ライヴでその瞬間が楽しいだけじゃなくて、何か持ち帰れるものがあるっていいうのは、藍坊主にもKAKASHIにも共通することですよね。

堀越:藍坊主のライヴって雰囲気は楽しいんですよ。でも、ちゃんと曲の中で言葉が刺さってくるっていうのがあるので、僕らのなかで理想形なんです。"あ、こんなふうにやれたらいいな"って見るたびに思いますね。

hozzy:なんか自信がついてきました(笑)。でも、俺らも最近なんですよね。"自分たちはこうだ!"っていうのがわかってきたのって。もともと藍坊主のライヴは盛り上がらないものだと思ってたんですよ。

堀越:あ、そうなんですか?

hozzy:もちろん盛り上がってくれたら嬉しいんだけど。去年、10-FEETが主催してる"京都大作戦"に出させてもらったんだけど、その1曲目を「スプーン」(2005年リリースのメジャー2ndシングル表題曲)で始めたんですよ。

堀越:おぉ!

hozzy:そしたら、まぁ普通に聴くような感じになるかなと思ったら、始めた瞬間にいきなりダイブが起こって、"嘘!?"って思いました。そのときに、こういう盛り上がるライヴも面白いなと思ったんですよね。まぁ、それは1回だけでしたけど。

堀越:想定外ですよね(笑)。

hozzy:そういう楽しみ方ができたらいいなとも思うけど。見た目では盛り上がらなくても、お客さんの顔を見たらわかりますよね。"今日は伝わってるな"とか。だから、お客さんの表情がどう変化していくのかっていうのが俺らの大事にしてるところですね。