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LIVE REPORT

Japanese

"Paddy field presents to the next field vol.12 Paddy field 5th Anniversary!!"

Skream! マガジン 2022年10月号掲載

Negative Campaign

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2022.09.23 @府中Flight / KITCHEN&CAFE-BAR “SHINKER”

Writer 藤坂 綾 Photo by 稲垣ルリコ

音楽レーベル、Paddy fieldの5周年を記念するイベントが、9月23日に府中FlightとKITCHEN&CAFE-BAR "SHINKER"で開催。"SHINKER"ではレーベルに縁のある友情出演者による温かな弾き語りライヴが、Flightでは轟音ギターが鳴り響く熱い熱いライヴが繰り広げられた。

mick

まずはカフェ・ステージのmickからスタート。ギターも歌声もマイクを通さないアンプラグドでの演奏に若干戸惑いつつも、伸びやかな歌声を披露する。1曲目「のらりくらり」が終わった瞬間"ヤバい、めっちゃ緊張してる"と言い、客席にいた息子さんを紹介。時折息子さんをじっと見つめながら歌うシーンがとても微笑ましく、ラスト「ナイトピクニック」では手拍子を求めるものの、"私がいいと言ったら止めて"と自由奔放な姿を見せ、人柄が滲み出たかのようなアットホームなステージを終える。

Negative Campaign

早い時間だというのにほぼ満員状態のFlightに登場したのはNegative Campaign。なんと2年ぶりのライヴだ。「キスミー」から立て続けに3曲を演奏し終えると、"おかえり"の声がフロアから飛び交う。ゆるいMCを挟み「ペシミスト」では抜群のコーラス・ワークを聴かせ、さらにはノイジーなギターで圧倒した。ラストは「スーパーカブに乗って」。まるで未来へと繋がっていくかのような希望ある余韻を残し終了。

堀越颯太(KAKASHI/Vo/Gt)

次はカフェ・ステージにてKAKASHIの堀越颯太(Vo/Gt)。Flightでの初めての弾き語りの際に歌ったというMr.Children「名もなき詩」のカバーでスタートし、まっすぐで誠実な歌声でフロアを魅了する。"今さら緊張する!"と「変わらないもの」を歌い、ラスト「ドラマチック」まで全4曲を披露。ひとりひとりの目をじっと見つめながら、想いを届けようと歌うその真摯な姿が、とてもとても印象的だった。

灰色ロジック

続いて灰色ロジックの登場。骨太のリズムと歪んだギター、そしてすべてを振り絞るかのような半田修土の歌は、1曲目の「海岸線」から熱を帯び、ゾクゾクする。ひりひりとした感触もあるが、このバンドの持つ人間臭さがそれを優しく包み込んでくれた。Paddy fieldとの出会いや思い出を話し、最後は「愛せ」を披露。フロアの熱も最高潮となり、次へとバトンを渡す。

ヨシモトアツシ(コールスロー/Vo/Gt)

カフェでの弾き語りラストはコールスローのヨシモトアツシ(Vo/Gt)。力強い歌声で「真夏のヒーロー」からスタートした。「言葉にしてみよう」を歌い終えたあとは、前日に仕上げた、まだメンバーにも聴かせていないという1番のみの新曲を披露。"最後、みんなで感じられる歌をやって終わりたい"と「ハートのかけら」を歌い始めると、フロアからは歓声が。手拍子をしたり口ずさんだり、思い思いのスタイルで聴き入る全員に向け、純朴で熱い歌を届けた。

POETASTER

ステージ上ではPOETASTERがスタンバイを始め、「ムーンライトメロディ」から飛ばしていく。「お先 失礼いたします」が終わったところで"もう1回"と同じイントロが――なんとKAKASHIの堀越が登場。高橋大樹(Vo/Gt)のギターを手にプレイし、熱量はマックスに。幾度となく突き上げられる拳とピース・サインが信じられないほどかっこ良く、途中何度もグッときながら「青春歌」まで駆け抜けた。

kobore

続いてはkobore。入念なサウンド・チェックからそのまま"東京、府中、koboreです。よろしくどうぞ"と「ボクタチノアシタ」でライヴを始める。間髪入れずに「当たり前の日々に」、「HEBEREKE」、「グッバイシーユー」と続け圧倒的な存在感且つ純度の高さを見せつけた。本音と本気がぶつかり合うなかで、koboreとオーディエンスとの間に深い信頼関係が生まれ、「おやすみ」までの全7曲、その関係は一切崩れることなく強さを増していった。

the paddles

そろそろイベントも大詰め、ステージには大阪寝屋川の3ピース・バンド、the paddlesが登場。「スノウノイズ」からスタートし、「Alright」、「花」ととにかく様々な表情を見せる。しかもとことんまっすぐに。途中Paddy fieldについて語り出すと袖から愛のあるヤジが飛んだりして、彼らの人間性を浮き彫りにする。「ジパングカウンター」ではゴリゴリのギターでまた違う世界を見せ、「ステレオタイプ」では"大切な人にもっと大切にされてください"と叫び、「カーネーション」で真摯に終えた。

Dear Chambers

そしてラストはDear Chambers。"俺たちがDear Chambers。Paddy fieldという旗のもとに集まって早5年、こんな景色が見れるとは思ってませんでした"と「wait」を演奏し、初っ端から思い切り心を揺さぶる。エネルギーが半端ない。Paddy fieldへの感謝を述べ「東京」、「Decide」、「ぼくらの遊び場」で終了。最後の最後に"東京府中Flightと埼玉の秩父ladder ladder、俺たちがPaddy fieldのDear Chambersでした"と叫ぶ姿がとても誇らしげで、それを讃えるかのように上がった多くの拳もまた誇らしげであった。

これは大袈裟でもなんでもなく、1秒でも多くこういう瞬間を感じて生きていきたいと思った。それほどガチの姿ばかりだったということ。そしてライヴハウスは裏切らないということ。ライヴハウスへ行けば仲間に会える。音楽に会える。その仲間や音楽はきっと勇気や希望へと繋がる何かを見せてくれるはずだし、それはきっと自身で掴みとれるものでもあるのだ。この日出演した全バンド、全アーティスト、あの場所に集まった全員がそのことを教えてくれた。ただの周年イベントではなく、ここからまた何かが始まったかのようなそんな素晴らしい時を、あの日ともに過ごせたことに心から感謝しているし、また再会できる日を心から楽しみにしている。

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