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INTERVIEW

Japanese

ヒトリエ

2025年01月号掲載

ヒトリエ

Member:シノダ(Vo/Gt) イガラシ(Ba) ゆーまお(Dr)

Interviewer:石角 友香

ゲームのフレンド・コードっていい言葉だなと、ポジティヴなものだと思ってますね


-でも世の中的にもそうかもしれないですよ?

シノダ:いや、僕、今空前のシューゲイザー・ブームが日本に到来してると思い込んでるんです。なんか多いような気がするんですけど、でも僕のTwitter(現X)のアルゴリズムがそうなっちゃってるだけなんじゃないかって(笑)。そういうバンドの映像ばっかりおすすめに出てくるから、AIに見透かされてるのかな。

-(笑)シューゲイザー的なサウンドに何を求めるかっていうところがあると思うんですけど、シノダさんはどうなんですか。

シノダ:シューゲイザーについてですか?

ゆーまお:やったじゃん、そんなこと喋れる機会ないでしょ(笑)。

シノダ:ここで語るのか(笑)。なんでしょうね? もともとは暴力的なオルタナティヴの派生だと思うので、THE JESUS AND MARY CHAINから始まった違った角度のパンク・サウンドのアティチュードからいろいろ変化を経てMY BLOODY VALENTINEに行き着いたような感じだから、マイブラ(MY BLOODY VALENTINE)そのものをやっても仕方ないというか。そこの1歩手前にある刺々しさとか陰鬱さみたいな、そういうマインドですかね(笑)。

-Kevin Shields(MY BLOODY VALENTINE/Gt/Vo)並みの音の壁を作って、20分延々と演奏するわけにもいかないですもんね。

シノダ:そうなんですよね。あれはKevinさんしかやろうとしないことなんで(笑)。だからあれがいいというか。

-シノダさんにとってシューゲイザー・サウンドの魅力は一種の暴力性なんですか?

シノダ:だと思いますね。人間としてのチクッとした部分を表現したら、きれいなものとして出力されたみたいな。

-なるほど。そしてゆーまおさんの楽曲「Shadowpray」はどんな着想でしたか?

ゆーまお:これは逆に、全くオルタナとかシューゲイザーのこと等1ミリも考えてなくて(笑)。

シノダ:興味ないもんね(笑)。

ゆーまお:「Shadowpray」を作ってた頃からこの2年間ぐらい、バンド・サウンドの曲をほとんど作ってなくて。

シノダ:モードが逆転したんだけど(笑)。

ゆーまお:そうそう、逆転したんですよね。そういうモードになっちゃって、ループ素材とかシーケンスを使う曲を量産してたんです。

シノダ:これまでの彼の曲のデモは絶対自分で叩いたドラムが入ってて、彼のドラムありきみたいなデモだったので、バンド・サウンドが多かったんですよ。(今回は)全然そうじゃない。逆にリズム・トラックだけで10トラックぐらい入ってるみたいな(笑)。

ゆーまお:リズム・トラックのことだけはなんとなく分かるからそうなっちゃってるだけなんですけど、そんな感じでシノダの反応も一番良かったのでこれになりました。あとはだいたいの歌詞を書いたのが一番の変化ですかね。

シノダ:ついにゆーまお君が歌詞を書くことになりました。好きになったんだよね。もともと好きっていうのもあるけど。

ゆーまお:そうそう。好きだったっていうのもあるけど、自分がたまたま書いてた歌詞をちゃんと作品として残してみたいと思ったのが一番強いかもしれないですね。楽曲どうこうというより、そこにチャレンジしたいっていうのはありました。

-たしかにゆーまおさんの楽曲はアルバムの中で、音像としてはフックになってますね。それでもダークさはある気がして。今回は曲が集まって、結果的にオルタナティヴ色が濃くなったんでしょうか。

シノダ:どうしても根底にある好きなものが滲み出てしまうもんで、そこの蛇口がちょっとバカになってきたみたいな感じだと思うんですけど。昔3人でやり始めた頃はとにかく迷いながら、"本当にこれでいいんだろうか?"、"正しいんだろうか?"みたいな、分かるわけないようなことに対して悩みながら作ってたけど、だんだん"そうじゃないな"、"別にもっと好きなものを作ったっていいんじゃないの?"と。それで作っていったら単純にオルタナが好きで、それがバレてしまったみたいなことなんじゃないかなと思いますね(笑)。

-ちなみに、この"Friend Chord"というタイトルのニュアンスを掴みかねているんですけども。

シノダ:僕はゲームをやらないんですけど、友達同士のグループ・チャットで"「スプラトゥーン」やろうぜ"ってフレンド・コードを公開してるのを見たときに、"フレンド・コード"っていい言葉だな、これなんかに使えないかなと思って。いろんなタイトルを考えたんですけど、"フレンド"って言葉をこのアルバムにぶつけたらどうなるんだろうみたいな。 ヒトリエってこれまでこんな言葉使ってきてないんですよね。だからそれがいいなというか、別に友情とか友人関係とか、そういうダイレクトな意味合いでもないっちゃなくて、バンドで一緒に演奏したり、音楽をフロアで共有したりすることが"友情である"という感じではないけど、でもそれは友好的な行為であるよなって。というか友好的なものがないと作れないものだし。だからそういうポジティヴなもんだと思って付けたところはあります。

-ゲームをするときはゲームが好き、戦いたいっていう前提だけ、みたいなことですもんね。

シノダ:そうそう。うん。

-バンドもそれだけでいいというか。ドライだけどむしろ信用がある感じがします。

シノダ:特に中国に行ったときに、なんでこんなに人が集まってるんだろう? と思ったんですよ。海の向こうのファンが自分たちの曲を歌えたりして、意味が分かんなくて。"お前等のその情熱ってなんなの?"みたいな。でも"あぁそっか、みんな好きだからこうなってんだ"って。 これはどこでやっても思うことなんですけど、俺等愛されてんなというか(笑)。単純に僕等がやってることは音楽、バンドであって、それ一発でこれだけ人と共鳴し合えるって強いなと。音楽そのものが強いのか僕等の音楽が強いのかは分からないけど、様々な経験とか、2024年の1年間の出会いとかいろいろ含めて、ちょっとポジティヴなタイトルにしてみようかなと思った次第ではあります。

-そして3月からは"ヒトリエ Freaky Friendship Tour 2025"がスタートします。どんなツアーにしたいですか?

イガラシ:あの、ずっとそろそろ違う曲やりたいと思ってた......。

シノダ&ゆーまお:ははは!

イガラシ:嬉しいです、楽しみです(笑)。

ゆーまお:たしかに曲が増えたね。

シノダ:今回は、みんな現場で聴いたらどういう反応するんだろうなっていう曲が多いので、「おやすみなさい」とかみんな耐えれるのかな? みたいなね(笑)。

ゆーまお:6分もあるからね。

シノダ:とにかくリアクションが楽しみですね。聴いてもらわにゃ始まらんというか、特に今回は"じゃあお前等これ聴いてどう思う?"みたいな(笑)。あとコロナ禍の後、人がちゃんと入るようになった、もとに戻ってからのアルバム・ツアーってたぶんこれが初なので、我々にとってもリリース・ツアーっていうのがまた新しい形なわけですよ。だから現状まだちょっと見えてこないというのもあるかもしれない。

ゆーまお:まぁ、なんかいつもより重い感じになりそうですね。"頑張るぞ、やったるぞ"みたいな感じじゃなくて、(太字で)"ドッ"ていう感じにはなりそうな気がします(笑)。

TOUR INFORMATION

"ヒトリエ Freaky Friendship Tour 2025"
3月16日(日)宮城 仙台MACANA
3月21日(金)栃木 HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
3月23日(日)HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3
3月30日(日)福岡 DRUM Be-1
4月13日(日)石川 金沢AZ
4月27日(日)北海道 Bessie Hall
5月5日(月・祝)奈良NEVER LAND
5月6日(火・祝)大阪 BIGCAT
5月10日(土)滋賀B-FLAT
5月11日(日)愛知 名古屋CLUB QUATTRO
5月16日(金)広島 SIX ONE Live STAR
5月18日(日)香川 高松 DIME
6月22日(日)東京 EX THEATER ROPPONGI
[チケット]
スタンディング ¥5,000(税込/ドリンク代別)
6月22日東京公演:アリーナ立見 ¥5,000 / スタンド指定席 ¥5,500(税込/ドリンク代別)
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