Japanese
ぜんぶ君のせいだ。
Member:如月愛海 ましろ 一十三四 征之丞十五時 凪あけぼの
Interviewer:吉羽 さおり Photo by 石崎祥子
-どれだけ強くなったなと思っても、そこは拭えませんかね。
如月愛海:やっぱり人間なのでね。
ましろ:そうだね。でも答え合わせの点でいくと、ライヴでやるようになって、振付がわかりやすいからこそ、数回しか観ていなくても、真似してくれる人が多くて。それは答えになってるかな。共鳴してくれている感が強いというか。やっぱり新曲って、患いさんもどういうふうに受け止めようかってなると思うんですけど、今回はすんなりと受け止めてくれる患いさんが多いので。自分を嫌いながらも、患いさんのためにぼくたちは生きていたりもする、それが新曲ではしっかり形にできているなと思います。
-力が入るシングルですね。
如月愛海:今回のツアーでは、セットリストのすごくいい場所に組み込まれているんです。最後や締めの曲ではなくて、ここで一発いっときますかっていうところもいいなと思ってます。
ましろ:曲に関しても、過去のシングルや大事な曲のいいとこ取りとでも言いますか。かわいいところもありつつ、かっこいいところもありつつ、感情を出すところもありつつ、総取りしている曲なので。最初に聴いたときに自分たちも、"これだ!"ってなったんですよね。
如月愛海:きっと3人体制だったら、7thシングル『革鳴前夜』(2018年リリース)の続きのような曲になっていたかなとも思うんです。
-たしかに。これまでの作品を振り返ると、バッキバキな強さに向かっていてもおかしくないですね。
如月愛海:でもぼのとおやつが加入したから、「AntiIyours」のような曲がまたできて。良かったなと思いますね。
-そしてカップリングには、アップデートされた「唯君論。」が収録されました。今回、タイトルにも"ぜんぶ君のせいだ。"を象徴するような"。"が加わって、歌詞も4thフル・アルバム『NEORDER NATION』(2018年リリース)に収録されたバージョンとは違っているのは、ライヴに来てくれる人は気づいてくれているんですかね。
ましろ:最初からぼのが割り込んでくる感じでスタートしますからね。
一十三四:しかもこれ、すごいぼのっぽいんですよね。"ぼのだよ~"っていう感じがあって。
凪あけぼの:たしかに(笑)。その自分のソロ・パートの歌詞に、"思い込みとおっちょこちょい"ってあるんですけど、最初からめっちゃぼのだって感じがしてて。
如月愛海:常に大騒ぎですから。
凪あけぼの:うるさいから、すぐ怒られちゃうんです。ここは振付も初めて自分で考えたんですけど、とにかく騒がしくしたかったので、みんなにも動き回ってもらって。あとは"天使悪魔の相反"っていう厨二な感じがすごく好きなので、そういう振付にもしてます。
一十三四:だいぶアホっぽいけどね(笑)。片方は手をパタパタして天使の振りで、片方はツノを生やしてるとか。
如月愛海:ソロ・パートはやりたいことを、やらせようということで(笑)。3人でだと出てこないような振付もこれから出てくるはずだから、そこは曲ができるたびに、みんなで考えていきたいなって思ってます。
-今回は新体制での再録アルバム『LIVE or DIE~ちぬいち~』もリリースされますが、振付に関しても全曲変えていたりするんですか。
如月愛海:振りを変えることはなかったんですけど、ポジションはだいぶ変わりましたね。歌詞割りは、3人が変わったパートが多かったです。
-ではまさに今、1から作っている感じがありますね。
如月愛海:そうですね。でも良かったなって思いました。
-ちょっと忘れていた感覚も蘇る?
ましろ:ぜんぶ君のせいだ。としては取り戻したかったところでもありますしね。3人じゃできないけど、でもやりたかったものができるようになったりして。「唯君論。」でのおやつのソロのパートでスキップするところがあるんですけど、3人だったらそれは絶対にしてないと思うので(笑)。
征之丞十五時:自分で初めて振付を考えたんですけど、"ハチミツ"とか"転んでても花が咲くぞ"とか歌詞が乙女なパートだったので。ファンシーで、かわいい要素をふんだんに入れて表現したいなと思っていたんです。それでスキップを入れたり、あとは最後におやつ以外の4人に、ふたり1組になってハートを作ってもらったりして。とびきりかわいく仕上げてます。
一十三四:私とめーさん(如月愛海)がペアなんだけど、いっつも照れながら作るんですよ、あのハート(笑)。
如月愛海:もはや自分たちからだとハートができているのかわからない。おやつを引き立てるためのふたつのハートなんですけど、うちら不器用だから、思ったよりもハートになってないかも......。
ましろ:いやでも、こっちのふたりも不器用だから(ましろ、凪あけぼの)。後ろはいびつです(笑)。
-キャラがうまくハマっている感じで、このロング・ツアーが終わるころにまたぜんぶ君のせいだ。がどうなっているかも楽しみですね。
如月愛海:そうですね。でも今回の「唯君論。」ができて、初めて披露したときはめっちゃ泣きました。
一十三四:ツアー初日の渋谷CLUB QUATTROだよね。患いさんもイントロの瞬間にボロボロに泣いてて。この「唯君論。」はぜんぶ君のせいだ。を象徴する、いろんな想いが詰まった曲なので。今まで以上に、この5人体制で大切にしていきたいなって実感しました。
ましろ:曲が始まった瞬間のフロアのみんなの顔は一生忘れないと思う。
一十三四:その泣き顔も、悲しいじゃなくて愛に溢れていたんですよね。新しいふたりが頑張って、この3人も頑張って、この5人で「唯君論。」をもっと育てていきたいなって。
如月愛海:この曲が今できることも嬉しかったし。未だに咎憐无推しや、未来千代めね推し、初期の十字、成海5才推しがライヴに来てくれるんです。その人たちに向けて、今の5人でこの曲を出せたことも嬉しかったですし。今やっているツアーの中で絶対に、"あぁ、咎憐无の声はないんだな"って感じることもあると思うんです。それでも、この5人で進んでいくことを、みんなが優しく受け入れてくれて、見守ってくれていて。それは咎憐无の人徳だったなとも思うし、約2年4ヶ月、咎憐无と4人で一緒に頑張ってきたからこそ、この5人の今があるんだなって思えて。
一十三四:ぼのとおやつの努力もあってね。
如月愛海:だから、すっごい泣きました。
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